fbpx
メディアグランプリ

シンプルな問題解決は、広く見る。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:仲本 ひと美(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
くるっ、と容器をひっくり返し、上下にふるだけでは、プリンは容器から綺麗に出てこない。でも、底にある、小さなツノの様な爪を折ると、そこにできた小さな穴に空気が入り、プリンはストンとお皿の上にのる。私がとった行動は、容器の底の爪を折るだけ。
 
職場では、様々な雑用がある。そんな雑用の中で、私が苦手なことの一つが、コピー用紙を箱から取り出すこと。
会社で発注しているコピー用紙は、500枚ごと綺麗に包装されている。一枚の紙だと薄くて軽い。でも、500枚が、まとまった束になると固くて、重い、ブロックのようになる。そんなブロックのような束が、箱の中に隙間なくピッタリと入っている。
コピー機の用紙が無くなったら、即補充できるように、コピー用紙のブロックを箱から取り出し、コピー機の近くに置く。
この箱から取り出す作業が私は苦手だ。自分の爪をよく割ってしまうからだ。
 
ピッタリと用紙がおさまった箱のわずかな隙間に、片手の指先を何とか滑り入れ、一冊ずつ取り出す。たまに、用紙のブロックを掴み損ねてしまい、爪を割れてしまう。
箱を壊そうと思うが、外箱は固く、手では破けない。カッターなどを使うと、コピー用紙に傷をつけてしまう可能性もある。毎回、何とかならないかなと思いながらも、解決策を見つけられず、結局、爪を割らないように、慎重に時間をかけ、一冊ずつ取り出している。めんどうくさく、憂鬱な作業だ。
 
ある日、いつもと同じように、コピー用紙を箱から取り出そうとしていると、一人の同僚がやってきた。
「どうして用紙が取り出しにくい、箱の置き方にしているの?」と聞かれた。
箱は、商品カタログの写真と同じように、きちんと置いてあった。私は同僚の言っている意味が分からず「えっ?」と聞き返してしまった。
すると、同僚は、コピー用紙が入っている箱を持ち上げて、くるっ、とひっくり返し、蓋を下にして置き、外箱をゆっくりと真上に引き上げた。
私の目の前には、一瞬で、蓋を受け皿にして、コピー用紙のブロックが、箱から取り出した状態で、綺麗に積み重なって置かれていた。
私は目から鱗が落ちてしまった。たった一つ、箱をくるっ、とひっくり返しただけ。一瞬で、すべてのコピー用紙が、箱の外に綺麗に取り出せるなんて、驚いた。なんで、私は、こんな簡単なことに気がつかなかったのだろう……。
 
同僚は「コピー用紙は上下逆さまになっても同じでしょう。蓋を必ずしも上にする必要もない。だったら、取り出しやすいように、最初から箱を上下逆さまに置いたら、楽になるよ」と。
 
私は、カッターなど別の道具を持ってきて、無理に箱の形を変える、もしくは、メーカーが、箱にミシン目を付けてくれたらいいのにとか、自分では解決できない方法しか思い浮かばなかった。私が見ていたのは、表面の箱だけ。
コピー用紙の箱の底は、真っ白だ。底以外には商品名などが鮮やかに印刷されている。底は見せることを想定していないから真っ白なのだと思う。そんな箱の表面だけを見て、蓋は上に置くのが当然と、箱の置き方を変えることは、できないと、考えが固まってしまった。
 
一方、同僚は、コピー用紙の用途の方を見ていたように思う。コピー用紙は、両面に印刷ができる。と言うことは、上も下もない。箱には、商品名が底以外のすべての面に印刷されているから、上下があるように思うけれど、箱の中に入っているコピー用紙に上下はない。だったら、箱をひっくり返し、深さが浅い蓋を下にした方が、用紙が取り出しやすい、と気づくことができたように思う。
 
同僚が、箱をひっくり返しただけで、コピー用紙を全て取り出す方法を教えてくれたとき、私は視点が外箱の1点でしか見ていなかったことに気がついた。
でも、同僚は全体を見ていた、コピー用紙と、外箱と、蓋。どれか一つを無視しても、箱をひっくり返すことは気がつかなかったように思う。
 
そして、全体を見る前に、一番大事にしたいことを見失わないことも大事なような気がする。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2021-07-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事