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メディアグランプリ

体験を、体験しにいく「勇気」

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:田辺なつほ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
その日、とあるカフェの窓際で私は頭を抱えていた。
 
「受講するべきか……しないべきか……」
 
私の前には一枚のチラシ。原稿用紙と万年筆のイラストがデザインされている。
ひゅう、と近くのドアから春の匂いがする風が吹いてきた。
ガラス張りの窓際、ふと顔を上げると春晴れが広がっていた。私、受講する、と頭で声がした。
店内、奥の席からきゃっきゃっと女の子が笑う声。「このかれえ、すごうく美味しい!」
うんうん、なんてたってこのお店の一番の看板メニューだからね、私もさっき食べた、と心の中で返事をした。
 
今、私がいるのは名古屋天狼院書店だ。名古屋駅から地下鉄で2駅の栄駅。
地下鉄から地上にあがると、商業施設と公園が一体となった「レイヤード久屋大通パーク」に出る。
南北に約1㎞にも伸びるこの公園の、一番北端に名古屋天狼院書店はある。
 
“書店”とついているから、ここは本屋さんだ。入り口から店内に入ると、「話題の新刊!」の棚が目に飛び込む。
写真、グルメ、小説、店員からのおすすめ、ジャンルごとに本棚が分かれているのも普通の本屋さんと同じ。
なんだ、普通の本屋さんか、と思うかもしれないがそれは違う。ここは普通の本屋さんではない。
 
天狼院書店のコンセプトは「READING LIFE」だ。ただの本屋さんであればREDING≪読むこと≫のみがコンセプトとなるだろう。LIFE≪生活≫が加わった天狼院書店は、本の先にある体験までも提供してくれる。
 
本の先にある体験? と思っているだろうか。天狼院書店のHPにはこのように書いてある。
「たとえば、人が書店の写真本コーナーに行く場合、多くは本を欲しいのではなく、「写真がうまくなる自分」がほしいのだろうと思います。残念ながら、そのお客様の本当のニーズに応えるには、本だけでは足りません。それを学べる場と、プロの先生と、仲間が必要になります。実践の練習が必要になります。
引用:http://tenro-in.com/event/bukatsu/70837/」
 
天狼院書店では“ゼミ”や“部活”といった講義や学ぶ場が、毎月すごい数で開校される。
ライティング、小説、生き方、写真、マーケティング、雑誌、デザイン、アート、ジャンルは本の数と同じだけある。
こうして、本の先の体験、本を読むだけでは手に入れられない体験、を提供している、というわけだ
学ぶ場では、実際にその道で活躍しているプロの方が講師となり、自分と同じように何かを学んでみたい、極めてみたい、という仲間にも出会うことができる。
つまり、天狼院書店は舞台装置だ。何もかもが用意されている。舞台、観客席、音響、照明、衣装。
ただ、いちばん重要な「あるもの」がない。それは、舞台に立って、観客を魅了する「主役」だ。
体験はあるだけでは、体験にはならない。利用して、使い倒して、はじめて「自分」の体験になる。
 
だから、私は頭を抱えていた。私が店内でもらったのは「ライティングゼミ」のチラシだった。
私は、もともと書くことが好きで、テキスト型のSNSで文章を書いては公開していた。
けれどある日、過去の投稿を見返して愕然とした。自分の中にある気持ちを、ただただ並べ連ねただけの小学生が作るビーズアクセサリーのような文章がそこにはあった。だらだらと結論もまとまりもない。なんだこれは!
自分が書いたはずなのに、言葉が溶けて、頭から流れてしまっていた。
その状況に焦って、まずは、ひたすら文章のノウハウ本を読んだ。
「読者のことを考えましょう」「自分が読みたいものを書こう」「一文は短く」「詰まらせないように改行を多く」。
なるほど、全部実践した。とにかく数をこなす! と書いてあったのも見つけたから毎日更新に励んだ。
だけど、何回更新しても全然できた気がしなかった。ハートマークの“いいね”が欲しかったわけではないけれど、あまりにもよくなさすぎた。
何が一番悲しいって、「よくなさすぎる」ことが自分にもわかることだった。恥ずかしかったし、しんどかった。
どこかでちゃんと学びたい、誰かに自分の文章のどこが悪いのか教えてほしい。
そう思いながら、ほんとうにたまたま「レイヤード久屋大通パーク」に行ったのが私の転機だった。
 
私が見ていたのは、4月開講のライティングゼミだった。
4カ月間、隔週で講義があり、毎週2000文字の課題提出がある。
受講料……問題ない。課題提出……問題ない。オンライン受講……まったく問題ない。
問題がなさすぎた。ただ、圧倒的に私に足りないものがあった。それは、一歩を踏み出すという「勇気」だ。
 
チラシには、「人生を変える」という謳い文句が書かれていた。なんとも大仰で、図々しくて、そして、眩しい。
 
「私は、人生を変えたいの?」「文章を書くことは好きだけど、それって人生を変えるほど?」
「ちょっと待って、そんな突然人生を変える、なんて思い詰めないで文章を学ぶだけでいいじゃん!」
「でもでも~、せっかく受講料も払うんだから、何かを得たいよねえ!」「か、課題提出はほんとに毎週できるの?」
 
頭の中で何人もの私が大討論会をしていた。ぜんぶが私、ぜんぶが私の言葉。ぜんぶが正解、せんぶが間違い。あ~もう! と考えるのを放棄しそうになったとき、ひゅう、と春の匂いのする風が吹き抜けた。
ふと顔を上げると、ガラスの向こうの空が見えた。青かった。3月なのに、上着はいらないぐらい暖かい日だった。
目の前の公園の芝生では、中高生がダンスをして、犬がフリスビーを追いかけていた。後ろでは女の子がバターチキンカレーを食べていた。
あれ、じゃあ私は? 私は何してる? 我に返って自分に聞いた。……悩んでる。勇気がないだけで悩んでる。
ステージも、衣装も、台本も、言いたいセリフも、全部全部ちゃんと用意されている。
あとは、「主役」の私だけ。スポットライトを浴びる勇気がない、舞台袖に隠れている「私」だけだ。
決断とは、どうしていつも2択しかないんだろう、と思った。するかしないか。できるかできないか。
ドッドッドッ、と心臓が鳴りだした。カウントダウンのようだった。私は3時間座っていた席を立つ。
そして、店員さんに話かけた。
 
「あの、このゼミ受講します」ドッドッドッ。心臓はうるさかった。
 
この決意の日から4か月。今は猛暑が続く8月になった。
私の人生は、変わっただろうか? その答え合わせはまだできない。
ただ、ひとつ言えることがあるとするならば、4か月前の私と今の私は確実に変わっている。
ステージに立って、スポットライトを浴びた。衣装を身に着け、歌を歌い、踊りを踊った。
講義では毎回毎回腰を抜かすほど納得したし、毎週の課題提出のためにネタを探す毎日だった。
私は、「体験」をきちんと手に入れた。こうして私は、自分に足りなかった「勇気」を手に入れたのだ。
それだけで、人生は変わったのかもしれない。あの謳い文句に、今はうんうんと頷くことができる。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2021-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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