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さぁ、これからどんな役を演じようか!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:光﨑 智美(ライティング・ゼミ特講)
 
 
我々は無意識のうちに、人生において様々な役を演じているのではないだろか。
その中の一つの役に固執してしまい、苦しんでしまうことがあるように思う。
 
 
「リタイアした後は、色々やる気がなくなってしまってね。また君と働けるなんて嬉しいね。誘ってくれてありがとう!」
と要さんが言った。
「私もまたご一緒できるなんて光栄です。要さんの人脈にも頼らせていただきたくて」
5年前に要さんが定年退職なさるまで、私は要さんの部下として働いていた。この5年の間に私も転職したが、要さんの人脈と提案力に頼りたくて「今やっている事業に協力してもらえないか」と連絡した。久しぶりにお会いした要さんは、失礼ながら5年という歳月以上に疲れているように見えた。
 
要さんは頭が切れ、仕事ができる人だった。それでいて物腰も柔らかく、多くの人から信頼されていた。同じチームになったばかりの時、「君が分からないことは、30年前の僕も分からなかったこと。時間をかけて自分で調べるより、僕に聞いて解決しなさい。節約出来た時間は、本当に大事な勉強に使えばいい」と言ってくれた。親子ほど歳が離れていたが、いつも1人の社会人として、私の意見も聞いてくれ、チーム全体でプロジェクトを成功させる要さんを心から慕っていた。
要さんは「仕事が大好き」「仕事人間だから」と口癖のように言い、要さんがそこにいるだけで、チームの士気が上がり、同じ仕事でも何倍も楽しく感じた。
 
定年後、久しぶりに会った要さんは、「退職前は時間をみつけてやっていた趣味等にもやる気が出なくなってしまった」と言った。
 
 
ふとナタリーポートマン主演の映画「ブラックスワン」を思い出した。ナタリーポートマン演じるニナが名作「白鳥の湖」で念願のプリマドンナに抜擢される。「白鳥の湖」のプリマドンナは一人二役で、ピュアな美しさの「白鳥」と、邪悪な美しさの「黒鳥」を演じなければならない。完璧志向のニナは真面目な性格と誠実さ、持ち前の美貌を駆使して素晴らしい「白鳥」を演じられるのだが、「黒鳥」の持つ大胆さや邪悪で甘美な誘惑を表現できない。
ニナが自分と反対である黒鳥の演技をしていくうちに、プレッシャー、役への執念などの感情とともに、感情や役に呑まれていく。
 
俳優の方々が、「役が抜けきらない」「役に呑まれないように気をつけている」などと言っていることを聞いたことがないだろうか。
 
私はふと、この「役が抜けきらない、呑まれないように」は普段の我々にも言えるのではないかと思えた。もちろん背景や、状況は人それぞれ違うし、当てはまらない場合もあるだろう。
しかし、我々は無意識のうちに、家族といる自分、友達といる自分、会社にいる自分等を演じているのではないだろうか。役者が多くの作品で、様々な役を演じるのと同じように、我々も、様々な場所で、様々な相手に対応した役を演じている。
私もプライベートだと人見知り気味だが、仕事だと思うと初対面でも気にせず話せてしまう。これも無意識的に、スイッチが切り替わり、会社にいる自分を演じているからかもしれない。
 
退職後、もしくは環境が変わった際に、やる気がなくなってしまうのは、会社員、環境が変わる前の役柄に呑まれてしまっている状態なのかもしれない。そのため、その役柄が演じられなくなった際に、どう振舞ったらいいのかわからなくなるのではないか。
ましてや、会社での役、環境が変わる前の役が、素晴らしければ素晴らしいほど、またその役であった期間が長いほどその役にのめり込み、その役から抜け出しにくくなるのかもしれない。
今思えば、私も転職する際、以前の職場にいる役にとらわれすぎて、なかなか踏ん切りがつかなかった。今の会社を辞めたら「自分でなくなる」くらいに思っていたのかもしれない。
 
 
要さんは、ご依頼させて頂いた事業を一緒に進めていくにつれ、一緒に働いている時の要さんのように生き生きとし、何より、要さんは楽しそうだった。勝手に新しい役を要さんが演じているようだと思った。要さんはやはり、その役でもみんなに慕われるスターになっていた。
 
 
これから、人生100年と言われる世の中で、一般的な企業を退職してからも、人生が何十年と続く方が多くなるだろう。第二の人生とはよく言ったものである。もし、状況が変わりなんだかやる気が出ない時、「前回の役が抜けきらないよくあるやつだ」と俯瞰して考えられるようになったら、少し違った見方ができるようになるかもしれない。
定年退職と言わずとも、転職や環境を変える時もこの考え方をしてみてもいいかもしれない。
1つの役は終わっても、まだいくらでも他の役を演じられるのである。そう考えてみるのも良いではないだろうか。
そう思えば落ち込んだり、一つのことに縛られてばかりいられない。
 
さぁ、次はどんな役を演じようか!?
 
 
 
 
***
 
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2021-08-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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