メディアグランプリ

ルービックキューブとはまるで私の人生のようだ


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記事:Sakurada(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
皆さん、ルービックキューブはご存じだろうか?
そう、あの言わずと知れた世界的に有名な立体パズルのことだ。
 
コロナが蔓延し、家にいる時間が増えた。そんな時、ふとあの赤や黄色や青に彩られた立方体のフォルムが頭に浮かんだ。子供のころに遊んだ記憶はあるが、何年も何年も思い出すこともなく、「ルービックキューブ」という名前もすぐには思い出せないほどだったのに、不思議なものだ。
 
子どものころは六面どころか一面をそろえるのにも四苦八苦していた記憶がある。そんな私にとってルービックキューブは、ただグルグル回すだけのおもちゃだった。しかし今ならどうだろう? もしかしたらできるかもしれない……?
一度気になるとどうしようもない性分で、ネットで様々なルービックキューブを見てみた。
一言でルービックキューブといってもそれぞれ色や大きさマスの数などの違いがあり、実に多くのルービックキューブがあった。
 
 
楽しみに待つこと数日、届いたルービックキューブの感触を確かめるように、グルグル触ってみた。この滑らかな動きが不思議であり、快感でもある。久々のその感触を懐かしむようにグルグル、グルグルとルービックキューブを回した。
当たり前だがキューブの色は一向にそろう気配はなく、私の力では本来の目的の六面完成は達成できそうにない……。
私は早々に根を上げ、YouTubeに頼ることにした。
ルービックキューブで検索すると多くの動画がヒットした。中でも一番簡単そうな動画を選んでチャレンジすることにした。
説明も丁寧で、二つの回し方から教えてくれた。
 
右回し 奥に回す→左に回す→手前に回す→右に回す
左回し 奥に回す→右に回す→手前に回す→左に回す
 
この二つさえ覚えればいいらしい。なるほど、確かに簡単だ。
 
説明に従い、一つ一つ回していく。
まずは白い面がそろった。一面だけだがそろうとうれしいものだ。
今度は白い面を下にして、白い面に接している四面の下側から順にそろえていく。
徐々に揃う面を見ていよいよ私も六面をそろえることができるのだ、と思いだんだんワクワクしてきた。
下側の2列がそろい、白い面の反対側にある黄色の面をそろえる頃になるとなぜか異変が起きた。
動画に従い、1・2・3・4、1・2・3・4、と回しているはずなのに動画と同じようにならない。
おかしい、なぜだ?
自分が行った手順を逆にしてもとに戻すことを試みるも戻らない、なぜ……?
原因究明はさておき、動画を巻き戻してもう一度スタートした。
 
また動画に従い、1・2・3・4、1・2・3・4、と進めていく。
先ほど引っかかったところも問題なく進んでいくが、また途中で引っかかってしまった。
なぜだろう、動画の通りのはずなのに……
 
再び動画を巻き戻してもう一度スタートしてみる。
1・2・3・4、1・2・3・4……また同じところで引っかかってしまった。
またリスタートか……と思ったが、試しに元に戻るかどうか試したところ、今回はもとに戻すことができた。次は間違えないぞ、と思いながら慎重に動かすと、無事に次のステップに進むことができた。
終盤に差し掛かり、あともう少しだ、と思ったのがいけなかったのか、またおかしなことになってしまった。
 
一つ進み、失敗して戻る。リスタートして、また失敗して戻る。時には失敗をリカバリーしてさらに進むことができる。このように失敗してもまたやり直し、地道に一歩ずつ進んでいく、これはまるでうまくいかない私の人生のようだ。
人生にはうまくいくこともたくさんあるが同じだけうまくいかないことや、失敗することもある。そんな人生にルービックキューブはよく似ている。
それに気付くとなおさらあきらめることもできず、少しずつ少しずつ進めていった。
何度も繰り返すうちにようやく6面が完成した。心のなかで一人「よし!」と声を上げ、喜びをかみしめた。余韻に浸りつつ、ふと時計を見て唖然とした。動画を見始めてから2時間くらいが経過していた。そんなに長い動画だったのだろうかと思いYouTubeを確認すると、私が見ていた動画の再生時間は40分とあった……。
こうして私の休日の貴重な朝の2時間が消えていってしまったが、代わりに私に一つの達成感を与え、ほんの小さなことだが、私に少しの自信を与えてくれた
短い時間だったが、最初よりも手が動くようになり、少しだけキューブの動きを理解することができた。
果たして、私にYouTubeの通りにできるようになる日は来るのだろうか?
私の無意味な挑戦はまだまだ続く。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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