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メディアグランプリ

私とサウナ、時々宇宙


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:mihana(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「わざわざサウナに入らなくても、お風呂だけで十分気持ちいいじゃない!」
 
サウナが好きだと話すと、こう言われることが多い。
かつては、私もそう思っていた。
 
しかし、今は違う。
サウナに入らないなんて、本当にもったいないと心から思う。
 
もともと湯に浸かるのが好きで、よく銭湯に行っていた。
東京の銭湯の入浴料は、480円。
広い湯船で体を温めながら、自分だけの時間を過ごすことが出来るのに、
こんなに安いとは……なんと素敵な施設であろう。
 
そこに500円ほど足すと、サウナに入ることが出来る。
サウナというと、サウナ室と呼ばれる高温の部屋のみを指すと思われがちだが、
サウナ利用者、通称サウナ-にとって、サウナ室とその後の水風呂はセットだ。
 
温かい状態と冷たい状態を繰り返す“温冷交代浴”により、
健康・美容・メンタル面、様々なプラスの効果が得られる。
 
“温”の状態は、風呂でも代用可能だが、
サウナ室の方が、体がよく温まり、気持ちいい。
 
「サウナ-が感じている気持ちいい感覚、“ととのい”の正体を知りたい!」
私は、そう強く思い、近所の銭湯サウナへ足を運んだ。
 
サウナ室は暑いが、入れないわけではない。問題は水風呂だ。
意を決し、浴槽に足を入れた。が、すぐに後悔した。
「つ、冷たすぎる。これは拷問だ……」
 
足をつけるだけで精一杯で、肩までつかるのに時間がかかり、
その間に、体は冷え切ってしまった。
気持ちいいとは、ほど遠かった。
 
「ここで終わるわけにはいかない」
何度かサウナに通い、水風呂にしっかりと浸かれるようになったとき、
初ととのいの瞬間が訪れた。
 
ととのいは、何度経験しても不思議な感覚だ。
水風呂から出た後、椅子に座って休憩をしているだけで、
体がじんわりと温まって、手と足の先がじーんとしびれてきて、
ふわふわと宙に浮いたような気分になる。
 
「こんなにサウナが気持ちいいなんて……!」
以降、足繁く通うようになったが、いつもやることは変わらない。
 
まず、体を清める。髪もきれいに洗う。
サウナ室や浴槽に、汚れを持ち込んではならない。
サウナ-としてのマナーだ。
 
そして、湯に浸かる。
施設ごとに、温泉や薬湯などがあるので、飽きずに楽しむことが出来る。
 
いよいよ、サウナ室に向かう。
ドアを開けると、灼熱の中に、かすかに木の匂いが広がっている。
 
室内では、椅子が2段に分かれていることが多い。
下段は温度が低く、初心者向け。上段は、温度が高い。
その日の体調によって座る位置を変えたりする。
 
私のサウナ室での基本姿勢は、あぐらだ。
体の高低差をなくすと、足だけ冷えることがなくなる。
更に姿勢を正すことで、腹筋のトレーニングも兼ねることができる。
 
「暑い!もう限界!」
体のサインが出たら、サウナ室を後にし、水風呂へ。
もちろん、そのまま入るのは御法度。ちゃんと汗を流してからだ。
 
手桶を使って、足に水をかける。
当然冷たいが、この後にととのいが待っているかと思うと、
その冷たさも可愛く思えてくる。
 
続けて、お腹・肩も濡らすことができれば、準備は万端。
あとは息を吐きながら、ゆっくり水風呂に浸かるだけだ。
 
浴槽で秒数をカウントしながら、1分ほど待つ。
肌の表面の熱は取れているが、体の芯はまだ温かいと感じる状態で、
水風呂を出て、休憩だ。
 
休憩用の椅子を用意している施設もあるが、
なければ、風呂場の椅子を拝借して、しばらくぼーっとする。
 
医学的には、水風呂から出て2分後が、一番ととのいを感じやすいそうだ。
私は無駄な時間が発生しないよう、
水風呂と休憩スペースの位置を事前に把握し、
最短距離をシュミレーションしながら行動するようにしている。
 
休憩が終わった後は、座っていた椅子に水をかける。
次の人も気持ちよく利用できるよう、気遣いを忘れてはいけない。
 
これらの手順で、サウナ、水風呂、休憩を何度か繰り返すと、
ふいにととのいが訪れる。
 
飛行機が離陸する時のイメージに近いかもしれない。
滑走路を走るように、サウナで汗をかく。
水風呂では、体が急速に冷やされ、離陸前のように体に圧がかかった状態になる。
休憩で、圧が取れ、一気に解放される。
地面を離れ、空へと飛び立つ。
 
どこへ行くかは、その日次第だ。
色鮮やかな花畑、白い砂浜と青い海、緑生い茂る山。
時には、地球に別れを告げ、宇宙へと旅立つ日もあるだろう。
 
飛行機のように、機内アナウンスによる諸注意はないが、
サウナ-としてのルールを守り、自分なりの楽しみ方を構築していこう。
 
サウナはミステリーツアーだ。料金は驚きの1000円以下。
さて、あなたはどこまで飛べるかな?
 
画像:Ben Kerckx(Pixabay)
 
 
 
 
***
 
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2021-09-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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