世界一小さなトレジャーハンター
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:山田THX将治(ライティング・ゼミ書塾)
皆さんは、どういったインターバルで御自分の書棚を整理されるのだろう。
多くの方々は、綺麗に整理整頓されているものと思われる。
私はというと、半年に一度位しか書棚の整理をしない人間だ。しかも、ジャンルを問わず本を読むので、一年経った頃には書棚はグチャグチャな状態に為ってしまう。
しかも、普段から本に関して心していることといえば、読了した本のカバーを外すこと位だ。
ところが現実には、読書と“積読”がほぼ同数と為ってしまい、私の書棚は天狼院の黒いブックカバーばかりが目立つ様に為っている。
そこで先日、この現状を少しは良くしようと、久し振りに書棚を整理してみた。
そこで発見したのは、『何で買ったんだ』という本だ。本の内容は兎も角、元々私が興味を持たないだろうと思われる本が、数冊発見されたのだ。
こうなるともう、書棚の整理は、整理・整頓を通り越して、“発掘”に近い行動と為ってしまうものだ。
“発掘”には御宝が付き物だ。
書棚の発掘でも、極たまに御宝を発見するものだ。その際の御宝とは、以前から探していて見付けることが出来なかった本であったり、
「こんな本を買ってあったんだ!」
という、喜びだったりすることだ。
しかし実は、見付けられなかった本や、忘れていた本の数々は、これまでの暫くの間、自分の手元に無くとも大きな問題とならなかった本に他ならない。
本好きの書棚なんて、大概の場合そんなものだ。
私等、一応は本の全てが書に収まっているので、まだマシな方だ。知人の本好きで、私の数倍は本を読んでいる読書家の方等、読み終えた本だけでも書棚に入り切らず、床から野積みに為っていたりする。
しかも本好きの常で、置き場所が無いのにまた本を買ってしまうものだ。その方は、読み終えた本と買って来た本の区別だけは容易に解るそうだが、積み上げられた本は、‘乱積み’の状態に為っていて収拾が付かないとも言っていた記憶がある。
しかも悪いことは重なるもので、野積みにされた本は、大概の場合書棚の前に置いてしまうので、書棚の本を探すにも確認するにも一苦労と為るらしいのだ。
当然の結果として、同じ本を二冊買ってしまうことが増えたりする。そんな重買いの原因は、本を読み終えていないことだ。言い換えれば、‘積読’は‘積読’を加速させるということだ。
これがまだ、平時ならば問題が無い。これが一度(ひとたび)、地震に見舞われると悲惨でしかない。何と言っても本は重量物なのだ。一冊一冊は大した重さでは無いが、まとまるとかなりの重量と化する。元は紙なので、思いに決まってはいるのだが。
私の別の知人は関西に赴任中、阪神淡路大震災に遭遇した。住んでいたのは、神戸市だ。その男も本好きで、引っ越しの際には追加料金を支払わねばならない程だったというから驚くほかない。
そんな彼は震災の前日、少々酔っ払って帰って来た。そして幸か不幸か、帰宅してレビングルームのソファで寝落ちしていた。普段は、書斎と兼用の自分のベッドルームで就寝する筈だったのにだ。
震災の激しい揺れで目覚めた彼は、おぼつかない足取りで自分の部屋に向かったそうだ。ドアは何とか開いたものの、普段彼が就寝しているベッドは悲惨そのものだった。何故なら、ベッド一面に書棚が倒れていたからだ。
もし前日、彼が普段通り帰宅しベッドで就寝していたら、命の保証だって出来なかったことだろう。私は、やっと繋がった電話で彼に、
「命が有っただけでも良かったと飽きらめろ」
と、散乱した蔵書のことを言ってやった。
ところが強気な彼は、
「それがさぁ、探してた本が見付かってラッキーだったよ。何たって、書棚全部に二重に本が並べてあったからね」
と、どこ吹く風の様な反応をしてきた。
マッタク、どいつもこいつも、本好きって輩はロクなものではない。
ま、他人のことはいえた義理では無いが……
私はこのところ、本の購入が増えている。
理由は簡単だ、天狼院の三浦店主が、
「月に100冊は本を購入している」
と、豪語したからだ。
勿論私は、そこまでは為っていないが、足元には近付いていると思う。
だから、‘積読’が減らないし書棚の整理が、ままなっていないのだ。
しかし、そろそろ書棚の整理をしなければならない状況だ。
何故なら、今日発注した本を入れる余裕が無くなってしまったからだ。それでも整理すれば、何とかなることは経験則で理解しているつもりだ。
明日、時間を見付けて書棚を整理しよう。
もしかしたら、御宝に出遭えるかも知れないし。
***
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