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メディアグランプリ

断捨離沼にハマる


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:もちだみお(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「ベッドとソファーと机と、あと、椅子とプラケース……。全部で35000円でどう?」
高っ。
「もうちょっと安くならない?」
「じゃあ、33000円」
背に腹は代えられない。
「わかった。じゃあ、それでお願いします」
「じゃ、作業に入りま〜す」
お兄さんたちが二人、どやどやと娘の部屋に入ってきた。
これで、この部屋の不用品がきれいさっぱり無くなる! うれしい!
 
三年前、娘が結婚して新居に移った。もう所帯を持ったのだから、実家の部屋はいらないだろうと、娘の部屋を私の着物部屋にすることにした。
娘の部屋には、小学生の頃から使っていたベッドや学習机やソファー、そして、ぬいぐるみやら何やらが詰め込まれたプラケースなどが、所狭しと置かれていた。もう彼女には必要のないものが置かれた部屋。彼女の抜け殻だ。
就職して一人暮らしを始める時と結婚準備の時に、ひとしきり感傷に浸っているので、もう思い出深いも何もない。さっさと持っていってもらって、自分の着物を運び入れたい。
 
市の廃品回収を活用すれば安く済むのだが、その為には家の外に出さなくてはならない。だが、二階の部屋からベッドやら机やらの大物を外に出すなんて私には不可能。その上、予約制である。私は、今すぐさっぱりしたいのだ。
 
ネットで見つけた、クチコミが良い廃品回収業者さんに電話をしたら、
「今、ご自宅方面で一件回収が入っていますので、それが終了次第ご連絡してお伺いします。そこで、お値段が合いましたら、すぐに回収させていただきます」と、爽やかな男性の声で、気持ちよく請け負ってくれた。30分くらいして電話をかけてきたのは、さっきの男性ではなく、いかにも現場仕事やってます風な口調のあんちゃんだった。
 
そうしてやってきた業者さんたちは、階段と廊下を養生して、ベッドを解体し、ソファーを下ろし、机も運び、それはそれは手際よく、部屋のモノを持っていってくれた。
 
「またなんかあったら、今度は直接ウチに連絡して」と渡された名刺は、電話をしたところと違う名前の会社だった。ああ、この業界も色々あるんだなぁ。
 
さて、不用品がなくなったガランとした部屋は、思った以上に広かった。
まずは、部屋の掃除からだ。なんにもなくなったから掃除しやすい。窓を全開にして、大きめのゴミを拾う。掃除機をかけて、洗剤で拭き掃除をする。年季の入ったシールの残りカスやら得体の知れないシミやら、手強い汚れをひたすら拭いてきれいにする。ここが自分の部屋になると思うと、力が入る。
 
満足いくまで掃除した部屋はガランと広くて、とてもきれいで、その中にいる私の心は、何だかとても軽くなった。まるで、今まで都会の雑踏の中にいたのに、爽やかな風が吹く草原にワープしたみたい。
 
そうか、ものが無いと視界にいろんな情報が入ってこないから気持ちも落ち着くんだ。今、流行りのミニマリストさんたちは、こんな世界に住んでるんだ。何だか、心地いいなぁ……。
 
そして、私の断捨離ごころに火がついた。
 
クローゼットの中から、もう何年も着てクタクタになっているTシャツや下着や靴下を捨てた。
いつか着るかも……と置いてあった、バブルの頃に買った、当時はお高かったスーツやコートを捨てた。
実母や義母に(無理矢理)持たされたバッグや洋服を捨てた。
 
すっきりした。
モノを捨てて空間ができると、なぜだか気持ちもラクになった。今まで手放せなかったものを手放せた開放感だろうか。
 
そんな調子で、何でもかんでも放り込んでいた納戸や押し入れの中のものを全部出し、いるものといらないものを分けた。子供が小さかった頃の麦わら帽子やら、家族でお出かけしていた頃のキャンプ用品など、二度と使わないものが乱雑に仕舞い込まれていた。もちろん、いらないものである。ぎゅうぎゅう詰めで、もう入らないと開けることすらなかった押し入れの中のものはほとんど不用品で、仕分け後の押し入れはスカスカになった。
 
キッチンも魔境だった。冷蔵庫の中には賞味期限が数年前に切れているジャムの瓶やら、子どもが小さかった頃に医者で処方された薬やら、果てはなんにも入ってないタッパーなんかも出てきた。床下収納には、今にも破裂しそうにぱんぱんに膨らんだトマトの缶詰が5つくらい入っていた。
冷蔵庫の瓶類や缶詰の中身を捨てて、洗って資源ごみに出したり、二度と使わないであろう弁当箱や、不必要な食器類を捨てた。
 
どんどん家の中の不用品が減っていって、その分心が軽くなり、掃除や片付けが楽しくなる。
そうすると今度は、モノを買うときに「本当に必要か?」「買ったとしてどこにしまう?」と考えるようになった。欲しいものが減り、モノを買う頻度が減った。
 
断捨離って、私にとっては今のところ良い効果しかない。でも、「時間がないからできない」とか、「ちゃんと完璧にしないといけない」とか、「モノが多すぎてできない」とか、いろんな事情があって、やりたくてもできない人もいるだろう。
そんな人におすすめの方法がある。
「寝る前に5つ、いらないものを捨てる」である。
 
寝る前に部屋を見渡すと、5つくらい捨ててもいいものが必ずある。
例えば、今日コンビニで買ったお弁当についてきたおしぼりが、使われないまま机の上に放置されてないだろうか?
例えば、いつか捨てようと思っていた少し欠けたお皿がないだろうか?
例えば、そろそろ買い替えたいなぁと思っているパンツを履こうとしていないだろうか?
そういうものを、捨てるのだ。きっとすっきりして気持ちよく眠れる。
私はこれにハマってしまって、いっとき捨てるものを目を皿のようにして探していた。もう中毒症状である。
 
ただし、絶対やってはいけないことがある。それは同居人の私物を勝手に捨てることだ。
私はモノを捨てたいばっかりに、夫が集めていたガチャガチャのフィギュアをコソッと間引きして、それが見つかってめっちゃ怒られた。いくら家族といえども人様のものに手をつけてはいけない。
 
このルールだけは死守して、これからもずっぽりと断捨離沼にハマっていたいと思っている。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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