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タイピングが速くなるちょっとした裏技


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記事:nonchan(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
遅い、遅すぎる。タイピングが遅すぎる。
私は仕事でteamsやslackというコミュニケーション用のアプリを使っている。パソコンの画面上に連絡事項や意見を書き込んでいくアプリだ。私が1つの文章を書いている間に、他の人はどんどん書いていく。自分のタイピングの遅さに絶望した。
 
このままじゃ仕事にならん。
そう思ってタイピングの練習を始めたけれど、一向に上手くならない。打ち間違え、タイピングミスを頻発する。タイピングミスのことを俗にタイポと言うけれど、どんなに練習してもタイポばかり。タイポが多いから何度も打ち直し。結果、文章を書くのが遅くなる。
 
途方に暮れた私はネットで「タイピングの上達」とか検索しまくった。
 
そもそもタイピングする機会を減らしたらどうか?
どうやったらそもそもタイピングせずに済むのか?
 
その答えを見つけた。
パソコンにある辞書登録の機能だ。
 
辞書登録はあらかじめ登録した単語をすぐ変換できるようにする機能だ。この機能を使うと、たとえば「ひょうだい」と入力して変換キーを押すと「表題の件につきましては」と変換されるように登録できる。わざわざ長い文章をタイピングしなくても、辞書登録を使うとあっという間に文章が書けるのだ。
 
しかし、これだけだとまだ足りない。
いくら辞書登録してもタイポしてしまったら文字を消してまた打ち直しだ。
 
どうしよう?
 
タイピングが遅い原因は、タイポして何度も打ち直しているからだ。
打ち直す時間を無くせばいい。
 
どうやって?
 
「間違えてもそのまま弾き続けた方が弾きやすいの」
 
ふと、この言葉が頭に浮かんだ。
 
小さなピアノ教室にモーツァルトの曲が流れてくる。
子供の私が懸命にピアノを弾いている。
 
ふと、音楽が止まる。
どうやら弾き間違えてしまったらしい。もう一度間違えたところを引き直す。また同じように間違う。
 
「間違えたところを何度も繰り返し練習するのはいいこと。でも演奏会の本番でやってはダメ」
 
なんで? と私は首を傾げる。
 
「その方がいい演奏に聴こえるから。途中で弾き直すよりもそのまま弾き続けた方が、聴いている人がいい印象を持つの」
 
へー、でも間違えたところはちゃんと弾きたい。
 
「その気持ちはとても大事だけれど、本番では間違えてもそのまま弾き続けた方が弾きやすいの」
 
そんなものなのか、と思いながらまたピアノを弾き始めた。
 
発表会当日。
ちょっと弾き間違えてしまったけれど、先生のアドバイスのおかげで最後まで弾き続けることができた。弾き終わった後、会場から割れんばかりの拍手が鳴り響いた。小さなミスを気にせず、観客のために最後まで曲を弾き続けた結果だった。
 
私は小学校に入る前からピアノを習っていた。けれども一向に上手くならなかった。
 
ああ、手先が不器用だからピアノに向いていないんだ。
 
小学校を卒業すると同時に私はピアノも卒業した。
けれどもこの思い出だけは残っていた。
 
そうだ、タイポしてもそのままタイピングできればいいんだ。
 
早速、私はパソコンの辞書に今までタイポした文字を打ち込んでいった。タイポした文字を打ち込んで変換キーを押すと、本来タイピングしたかった文字に変換される様にしたのだ。
例えば、私は「右」と早くタイピングしようとすると「mき」と打ってしまう。それならば、辞書登録に「mき」と打つと「右」と変換されるように登録してしまえ、というわけだ。
 
これならタイポを気にせず文章を書ける。タイポしても変換キーを押せば、正しい文字に変わるのだから。
 
「文字を打つの、だいぶ速くなったな」
 
会社の上司がボソリ。
いや、相変わらずタイポばかりなんですけどね。
 
でもこの裏技のおかげでタイピングがだいぶ速くなった様に思う。私は会議でよく議事録を書くけれど、タイポした文章をいちいち消して打ち直していたら仕事にならない。この裏技のおかげでタイポを気にしないで議事録に集中できる。仕事のスピードがぐんと上がった。
 
裏技の効果は仕事のスピードが上がるだけではない。気分が良くなる。
なぜならタイポを気にせずに書き続けるのは非常に気持ちがいいからだ。スムーズにタイピングできると、頭の中にある考えが、感情がどんどん外に出ていく感じがする。それはまるで流れるピアノを弾いている感じに似ている。もしかして作家の皆さんは「文章を書く」というより、ピアニストの様に「文章を奏でている」のかもしれない。
 
現実ではドゥララララ! と激しい音を立てたタイピング。悩み考え抜いて辿り着いた文章。側から見るとピアニストの優雅な演奏とほど遠い。けれども、想いや考えが詰まった文章を勢いよくタイピングする姿は、ピアニストの演奏に近いものを感じてしまう。
 
私もいつかそんな風に文章が書けるだろうか。一生に一度でいいから書いてみたい。まずはスムーズにタイピングできるように練習しよう。タイポした文章をどんどん辞書登録していこう。千里の道も一歩から。それはタイピングもピアノも変わらない。
 
「間違えてもそのまま弾き続けた方が弾きやすいの」
 
たとえ途中で失敗しても、諦めないで最後までやり遂げる。その姿勢が自分にとっても相手にとっても、いい文章、いい演奏を作り出すことができる。
 
ピアノの先生、アドバイスをありがとう。
 
 
 
 
***
 
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2021-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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