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メディアグランプリ

消えゆく「平成」に思いを馳せていたらライティング・ゼミで喝を入れられた話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:きしかなこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
失われた30年を生きてきた。
 
バブル崩壊から始まり、オウム真理教の地下鉄サリン事件、9.11、リーマンショック、3.11など時代に残る大きな事件もありながら、経済が停滞し、閉塞感のあった時代だった、と「平成」は語られる。
 
いつの間にか「令和」という元号に代わり、TVなどのメディアでは昭和vs令和という構図でコンテンツがつくられていることが多いと感じる。
”令和芸人”、”令和の起業家”、”令和のニュースター”、一方で、”昭和かよっ!”、”昭和のおじさんだなあ”というツッコミなど新しい時代と古い時代の比較が描かれる。
 
平成をまるまる生きてきた私にとって、いつの間にか自分の周りから「平成」というワードが消え去ってしまい、なんとも言えないさみしさを感じている。
 
ふだん接する会社の上司や先輩など、圧倒的に昭和生まれの人たちが多く、学生時代の課外活動や、就職したての頃は、「平成生まれです」と言うと、「若いね〜〜〜!」と、会話の入り口としてちやほやされたものだった。
 
その一方で、ニュースや時代を振り返る番組でよく語られる「平成」は、失われた時代、景気低迷の時代、日本と世界ともにショックな事件が多く、どこか暗い雰囲気をまとっていた。
昔は良かったなあと語る上の世代の言葉と、私の生きている時代って失われているんだという時代の定義に、地味に傷付けられてきたように思う。
 
ゆとり世代と小馬鹿にされ、なぜ大人たちが決めた制度を受けさせられた私たちが「これだからゆとりは〜」と言われなければいけないのか憤ったり、『ALWAYS 三丁目の夕日』のような世界観が懐かしがられ、あの頃はおもしろかったと聞かされる武勇伝に飽き飽きしたりした。
 
そんな私が先日はっとした出来事があった。
「大人の方も今の漫画、本当におもしろいんで読んでみるとすごい勉強になりますよ」
という、このライティング・ゼミの講師である三浦店主からの言葉だった。
 
ライティング・ゼミでは、講座前に事前課題が出る。前回の課題は、
「一番好きな漫画を教えてください。また、なぜ、その漫画が好きなのか、理由を簡潔に述べてください」というものだった。
 
受講生の回答の中には、最近の『呪術廻戦』や『東京リベンジャーズ』のようなアニメ化もしている人気漫画を挙げている人は一人もいなかった。どちらかというと、一昔前の漫画や、それこそ名作とも言われている超有名どころを挙げている人が多かったと思う。
そういう私も思い浮かべていたのは『ガラスの仮面』。未だ完結していない美内すずえ先生の超名作だが、今の流行りの漫画を選ばなかったのは、こいつミーハーだな、と思われるのが少し恥ずかしいと思っていたからだった。
 
そんな中、三浦店主が言っていたのが、今世間や若者の間で流行っているものを知ることは大事で、「自分も同じように感動ができているか?」を実験したほうが良いということだった。自分の感覚が時代とズレていないか? その確認作業を怠っていると、自然と自分が排他的になっていることがわかる。
 
あ、やべ、私鬼滅の刃の映画をまだ見ていない。
どこかあの空前のブームに乗っかるのが恥ずかしい、ミーハーになりたくないと思っている自分がいる。同じように、TVに頻繁に出ている今どきのタレントは全くわからないし、今の若い子はこんな番組が面白いのか? と無意識に小馬鹿にしている自分に気づく。
 
あ〜〜危ない、危ない! とはっとさせられた。
私自身が「平成は良かったな〜」と懐かしんで、「私達の頃は……」と武勇伝を語りだす人になりかけていた!
 
令和になった今、平成を懐かしがることは決して悪いわけではないと思うが、気づかないうちに今のコンテンツを食わず嫌いをしていたと気づかせてもらった。
 
誰でも自分が生きてきた時代や思い出を美化して、自分自身を肯定したいのかもしれない。
他人を下げることで自分たちが少しでも良かったように思いたいのかもしれない。
平成が何もできなかった時代と言われ、令和は何か変わっていくと期待されている気配に嫉妬しているのかもしれない。
 
でも、それをどうこう言っても仕方がない、私の青春時代は「平成」なのだ。
浜崎あゆみやモー娘。をCDで聞き、BUMP OF CHICKINやORANGE RANGEをMDに録音してなんども聞いた。毎週『学校へ行こう!』を楽しみに過ごし、ワンピースやNARUTOのストーリーに一喜一憂していた。
 
そんな平成はもう消えてしまったけれど、これから実際に令和の手はじめをつくっていくのも、平成生まれの私たちだ。
食わず嫌いをせず、ちゃんと世の中に興味を持とう。ちゃんと世の中と接点を持とう。
ライティング・ゼミで喝を入れてもらって、ミーハーを恥ずかしいと思う自分や、通(つう)ぶりたい自分を受け止めつつも、もっと素直になりたいなと思うことができた。
 
令和に生まれる自分の子どもがハッピーな青春を時代を過ごせるよう、まず私自身ができることは、食わず嫌いをせずに TikTokを覗いてみることだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2021-10-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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