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数学って将来何の役に立つの?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:那須信寬(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「数学って将来何の役に立つの?」
この質問を先生になってから何度も聞かれました。
 
皆さんも学生の頃、考えたことがありませんか?
 
また、お子さんがいらっしゃる方は聞かれたことがあるのではないでしょうか?
 
そのときどう答えていますか?
 
「買い物のとき、お金の計算をするのに役に立つよ」
「30%オフとか割引が計算できるでしょ」
「料理のレシピで2人分を3人分に直したりできるよ」
「たくさんの人を数えるときに、面積の計算のように縦✕横で計算できるよ」
 
このように考えた人達に僕は言わせていただきます。
 
「それ全部、算数だから〜!」
 
そうなんです。全部小学校の算数で習うんです。
 
他には
「数学を学ぶとギャンブルで儲かるんでしょ?」
 
こう考えた方はいらっしゃいますか?
 
この考えは半分合っています。確率を学べば学ぶほどギャンブルをすると長期的には必ず負けるということが分かり、ギャンブルをしなくなります。でも儲かることはありません。
 
考えれば考えるほど、数学という学問が将来何の役に立つのか、わからなくなってきました。
 
そこで僕は、理系の大学を出て大企業のシステムエンジニアとして数学をバリバリ使って働いている友達に電話で聞いてみました。
 
僕「今の仕事って数学は役に立ってる?」
友「あぁ、役には立ってるし実際使ってるけど、学校で習った知識が必ず必要ってわけでもないかな」
僕「そうなの? システムエンジニアって数学が必須ってイメージだった」
友「そうなんだけど、学校で習った数学と実際に使う数学って違うからね。システムエンジニアって言っても半分くらいは文系だし」
僕「え? ホントに? 知らなかった~ じゃあ、あんまり数学は関係ないんだ~」
友「いや、よくよく考えてみると、好成績を出して、出世する人たちは、理系出身の人が多いね、なんでだろう。理系出身の人の方が新しい技術を積極的に取り入れてる人が多いからかな」
 
システムエンジニアの仕事でも直接数学をバリバリ使っているわけではないことが分かり、驚きました。でも理系出身の人の方が新しいことに取り組んでいる。そこが数学が将来役に立つポイントなのでしょうか。
 
たしかに先生の中でも、新しいことに積極的に取り組む先生は数学の先生に多い傾向があります。コンピューター関係の仕事はほとんど数学の先生に任されます。
 
それとは反対に、数学以外の先生の中には新しいことをなるべく避ける方もいらっしゃいます。やる前から「できません」と明言する方もいます。
 
「数学」と「新しいこと」
この2つには何か共通点がありそうです。
 
その共通点を教えてくれた生徒がいました。僕が担任をしていた中学3年生の男の子でした。その子の苦手教科は数学でしたが、受験が近づくにつれて成績がぐんぐん伸びていきました。
 
僕「最近、調子いいじゃん! 特に数学がめっちゃ伸びてるよね!」
生徒「数学って最初、わけ分からなかったんでヤル気が出なかったんです。でも受験が近くなって仕方なくやってみたら少しずつわかるようになってきて、最近、楽しくなってきたんです!」
 
生徒のこの発言で僕のこれまでのモヤモヤが晴れていきました。
 
「数学」と「新しいこと」の共通点は「わけが分からない」ということです。
 
2次関数とか、空間図形とか、三角関数とか、微分積分とか。学ぶ前は本当にわけが分かりませんでした。それでも、あきらめずに学び続けると少しずつ問題が解けるようになり、たくさん問題を解いていくと「あぁ、なるほど」と分かる日が来るのです。数学を学んでいた日々はその繰り返しでした。
 
新しい仕事や技術も同じではないでしょうか?
最初はわけが分からなくて、何から手を付ければいいのか分かりませんが、調べたり、聞いたり、できたと思って上司に見せたらダメ出しをされて、投げ出したくなっても踏ん張って改善して。そうやって新しいことを身に付けて成長していく。新しい仕事もこの繰り返しではないでしょうか?
 
あのとき数学が伸びた生徒は、見事、第一志望の高校に入学しました。卒業後1年ほど経った頃、僕にある報告をしに来てくれました。
 
「先生、僕、〇〇大学に入りたいんです。そのために毎日勉強しています!」
 
たくましく成長したその生徒の笑顔は本当に輝いて見えました。
わけが分からない学問にきちんと取り組んで結果を出したこの子なら、きっと、いろんな困難を乗り越えて目標を達成してくれる、そう確信しています。
 
数学って将来何の役に立つの?
 
今なら自信満々にこう答えることができます。
「わけの分からないことに立ち向かう力を与えてくれるよ!」
 
 
 
 
***
 
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2021-11-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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