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毛深いコンプレックスで悩む子どもたちにこそ伝えたい「医療脱毛」のススメ


*この記事は、「実践ライティング特別講座」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

「実践ライティング特別講座」文章を書く前にするべき7つのこと

記事:皮膚科医M(実践ライティング特別講座)
 
 
「この人ヒゲ生えてるから男だよ!」
 
小学校6年生の時だった。
まだ学校に慣れていない初々しい1年生達の教室に行って、出し物をし、楽しませてあげようではないか、という趣旨で、毎日クラスから4人ずつ出し物をしに行くこととなっていた。
私たちはMrマリックのモノマネをして、黒いサングラスをかけ、マジックを披露することにした。
ラジカセを持参し、Mrマリックの登場音楽をかけ、意気揚々と1年生の教室に入っていく。
謎の黒いグラサン集団の登場に、教室は一時騒然としたが、我々がこの日のために練習してきたマジックショーを披露すると、1年生達は歓声を上げながら夢中で見てくれた。
とその時、あるクソガキ(いるじゃない、そういうやんちゃな子)が、タネがわからなかった悔しさから言い放ったのだった。
「この人、Mrマリックじゃないよ! でもこの人、ヒゲ生えてるから男だよ!!」
黒いサングラスをかけた私はショックを隠しきれなかった。
一緒にいた同級生の女の子が慌てて
「男じゃないよ。Mrマリックだよ」(Mrマリックは男だな……)
とフォローしてくれた。
 
そう、私は女なのに毛深かった。
腕も足も、もじゃもじゃだった上に、鼻の下にはうっすらよりもやや濃い目のヒゲが生えていた。
物心ついた頃からコンプレックスだった。
 
小学校5年の時には、好きな男の子が急に
「毛深い女の子って優しいんだって、うちのお母さんが言ってた!」
と言い出したことがあった。
それを聞いて、私は
「きっとお母さんにクラスに毛深い女の子がいる、と私のことを話したに違いない。
それで彼のお母さんがフォローするために言ったんだ」
と思った(きっとそう。いや絶対にそう)。
 
中学生になって女子校に入った私は、男の子にからかわれる心配はなくなった。
しかし、気になるものは気になるので、ヒゲは安全カミソリで剃るようになった。
朝時間がなくて、剃れない時もあり、そんな日は一日気が重かった。
腕も足も毎日お風呂場で剃っていた。
高校生になると毛を剃った断面がごま塩みたいになるのが嫌で、毛抜きで抜くようになった。
受験勉強しないといけない大事な時期に、自室で30分以上も足と腕の毛を抜いていた思い出がある。
受験生にとって本当に時間の無駄だった。
ワキ毛も電車のつり革につかまると見えてしまうので、ワキ毛も抜いた。
左の脇はいい。
問題は右の脇だ。
右手で毛抜きを持って、右のワキ毛を抜こうとすると、手がつりそうになる。
いや、つったことがある。
そして、毛抜きはある程度いい毛抜きでないとだめだ。
100均で買ったような安い毛抜きだとだめなのだ。
安物だと産毛のような細い毛がうまくつかめない。
この毛抜きじゃないとだめ! というお気に入り毛抜きが行方不明になると
またまた気が重かった。
 
そんな私は皮膚科医になり、5年前に開業する事になったのだが、クリニックで医療脱毛を始めることにした。
脱毛というのは実は医療行為である。
医師免許がないとやってはいけないことになっている。
医療脱毛の器械も医師免許がないと売ってもらえない。
エステは、医療行為の脱毛ではなく、一時的な脱毛の効果しかなく、しばらくするとまた毛が生えてくるくらいの強さでしかあててはいけないことになっている。
私のクリニックに医療脱毛を希望して来られる患者さんの中には、すでにエステ脱毛の経験のある患者さんも多い。
エステ脱毛に2年通ったけれどまだ生えているので、医療脱毛に切り替えたい、という患者さんが多いのはそういう理由である。
 
脱毛の器械には様々な種類がある。
ダイオードレーザー、YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーなどの熱破壊式と呼ばれるレーザーや、ここ数年で注目されている、痛みの少ない蓄熱式という脱毛器械もある。
器械によって、ジェルを使うか、使わないか、痛みの強さや抜けてくる速さなど、一長一短はあるものの、回数を重ねればどの器械でも徐々に毛は少なくなってくる。
 
私自身はワキ、腕、足、口周りを脱毛した。
2,3回目くらいでほとんど気にならなくなったので、たまに数本生えているところにレーザーを当てることがあるくらい。
もう5年くらい腕も足も剃っていない。
風呂場にカミソリも置いていない。
38歳頃には、毎日抜いたり、剃ったり、毛深いことを気に病んだりする生活から、ついに開放されたのだ!
もう私が毛深かかったなんて誰も信じないだろう。
この30年間の悩みはなんだったのだろうか。
あのムダ毛に振り回された時間を返してほしい。
もっと早く医療脱毛をすれば良かった。
 
脱毛は女子に限ったことではない。
最近はヒゲ脱毛希望の高校生の男の子も多く来院される。
男性のヒゲの手入れも同様で、シェービングフォームや電気シェーバーの購入費なんかを考えたら、長期的に見れば、脱毛してしまった方が安いし、
毎日のひげ剃り時間がなくなったら、膨大な時間が有効に使えるようになる。
 
さらに、ご存知だろうか。
将来介護される側になって、オムツの世話になるときために、陰部の脱毛をしておく、「衛生脱毛」という考え方も出てきている。
介護する側から言うと、毛がないほうが、拭いたりしやすく、「衛生的」なのだそうだ。
実際うちのクリニックには50代の患者さんも陰部のVIO脱毛をしにいらっしゃっている。
きちんと将来のことを考えて、素敵だな、と思う。
ただご高齢になってからの脱毛には一つ問題がある。
白髪は抜けないのだ。
脱毛はメラニンという黒い色素に熱を吸収させて反応させるため、黒くない白髪には熱が伝わらず、脱毛効果がでないのだ。
なので、あまりご高齢になって、白髪になってしまうと、いざ脱毛しようと思っても、効果がでない。
医療脱毛は毛が黒いうちの30、40代には行ってしまうのが望ましい。
 
 
毛深さは遺伝する。
 
そう、私の息子も娘も毛深い。
小学2年生になる娘はやはり私の子供の頃同様、うっすらヒゲが生えている
私は娘が自分と同じ思いをしないかと心配している。
ヒゲが目立ってきたら剃ってあげるし、腕も剃りたいと言ったら剃ってあげている。
そして言う。
「いつか脱毛すればなくなるから大丈夫だよ」と。
脱毛は、小学生の子供には痛いと思う。
娘にとってはまだ痛い思いをしてまで脱毛したいという気持ちはない。
剃るので今のところ不自由はないようだ。
お友達にもヒゲのことを言われたりしていないという。
毛深いのはいつか脱毛すればなくなるから、大丈夫。
安心していい。
 
医療脱毛はいつからできるのか。
これはクリニックによって設定は様々で、小学生から受け入れているクリニックもあれば、16歳からとしているところもある。
とくに年齢制限はないというのが実状で、低年齢で施術を行うデメリットとしては、また生えてくるリスクが高い、ということだ。
先日も、小学5年生の女の子で、診察を終わろうとすると、付添のお母さんから
「あの、もうひとつ相談があるのですが」
と言われた。
娘さんの腕の袖をめくって
「このように毛深くて、最近は半袖を着たくないというんです」と言われた。
子供が半袖を着たくないと言うなんて。
私はこのようなお子さんの悩みをなんとか解消してあげたいと思っている。
実際うちのクリニックでは一番若い脱毛施術中の患者さんは中学生で、小学生はまだ施術経験はないが、もし小学生で脱毛を行うのであれば、痛みの少ない蓄熱式脱毛がよいのでは、と思っている。
 
また、大学受験を控える高校生たちが、ムダ毛の手入れの時間から解放され、勉学に集中してもらえるといい。
親御さんからも、高校生になったらどんどん医療脱毛をすすめてあげていいと思う。
 
これを読んで
少しでも毛深いコンプレックスを持った子供たちやその親御さん達の
医療脱毛へのハードルが下がって安心感を持ってくれたら嬉しい。
 
 
 
 
***
 
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2021-11-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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