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幸運の女神は先送りがお好き? 


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記事:citron(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「あぁ、めんどくさいなぁ。ま、いいか。明日考えよう!」そう言ってヒロシはベッドに入った。果報は寝て待てと言うじゃないか。寝たらいい案が浮かぶかもしれない。人生ケセラセラ、なるようになるさ。
 
ヒロシ、我が夫だが、彼は先送りが大好きである。何でも先送り、できる限り先送りするらしい。やらなくてよければそれでラッキー。そんな考え方もあるのか、と妻の私は感心するばかりだ。
 
ヒロシは何気に運がいい男だ。めんどくさい出来事を極力避け、会社の中でもスイスイ泳いで渡り歩いている。家庭でも面倒な親の介護は、妻の私にさっさと任せ、自分はどこ吹く風で涼しそうに仕事をしている。「そんなヒロシに騙されて」なんていう歌がサザンオールスターズにあったけど、そんなヒロシに騙されて私は結婚してしまったのか?
 
しかしヒロシによると、先送りするには理由があるらしい。彼の中では、先送りは立派な戦略らしいのだ。
 
先送りする、というとどういうイメージを持たれるだろうか? やるべきことをやるべき時にやらないだらしない人、というのが、世間一般のイメージではないだろうか? ヒロシによると、まずこの考え方が違うらしいのだ。先送り、それは人類が生き延びるための英知であり、先送りをするからこそ人類は生き延びることができるのだそうだ。
 
では先送りとはどのような戦略なのだろうか? つまり彼に言わせると、何かしなければいけない時、誰かがやってくれないかな、とまず周りをじっと見渡すらしい。そして誰かが動いてくれそうだ、とわかるとその人にお願いするのだそうだ。ヒロシは会社員である。会社の組織で仕事をしているから、誰かがやってくれるのを待っていることができる。これがもし個人で仕事をしていたら、誰かがやってくれるのを待つことはできない。その違いはあるとはいえ、ヒロシは他力をうまく使える人ではある。ヒロシが運がいい男だ、と言っているのは、要は他力をうまく使えているから、とも言える。
 
他力を使う、これは周りを見渡し、物事を見通す目がまず必要だ。そして多少うまくいかなくてもじっとしている、イライラしない、という忍耐強さが案外必要かもしれない。ヒロシにはその能力があり、おかげで物事を先送りし、誰かやってくれる人を常に見つけ、その人にやってもらう、ということをやってのけているのだ。つまり彼は自分のエネルギーをそれほど使わなくてもいい。省エネができる。だから人類は生き延びることができるのであって、彼が言っている英知とは、このことなのだろう。とはいえ、彼のおかげで家のことは妻の私がほとんどやる羽目になっている、という笑える状況になっているのだが……。私は他力を使うのが苦手で自分で何でもやろうとしてしまう。これでは、ヒロシの思うつぼだ。やっぱりそんなヒロシに騙されて結婚してしまったのか?
 
しかしヒロシと一緒にいることでホテルの部屋がアップグレードされたり、行き当たりばったりだったのに、絶妙なタイミングで間に合い、美味しいものにありつけたり、とラッキーなことも多い。幸運の女神は、先送りをする人が好きなのか? なぜヒロシは運がいいのか?
 
ヒロシは間がいい男でもある。とにかく絶妙なタイミングで話しかけてくるし、家に帰ってくるし、雨には降られないし、まぁ間がいい。どうしてそんなに間がいいのか、聞いてみた。「特に何もしてないんだけどなぁ。しいて言えば、物事がうまくいくようにいつもイメージをしているかな?」幸運の女神は、先送りをしている人で、物事がうまくいくようにイメージしている人に微笑むのか?
 
ここまで考えてみてわかるのは、ヒロシは基本的に他力本願で、いつもうまくいってほしいなぁ、と願っており、うまくいく瞬間をじっと待っていて、ここだ、という瞬間に動くということをしているようなのだ。その瞬間を見極めるために日々頭を使っているらしい。
 
他力本願でうまくいく人もいれば、自力の方がうまくいく人もいるだろう。私はもっと他力を使った方がいいと言われるが、どうしても自分から先に動いてしまいがちだ。しかし、他力を使うには、それをやってくれる人が必要だ。他力本願の二人だったら、永遠に物事は進まないだろう。つまりヒロシの他力本願は、家庭においていえば妻である私がいるからこそ成り立っているのであり、会社で言えば組織に属しているからこそできることなのである。
 
つまりヒロシの運の良さは、周りの人々に支えられているということ。周りの人があってのヒロシなのである。ヒロシは常に人に恵まれているからこそ、常に先送りをしても幸運の女神にも好かれているようだ。
 
朝起きてきたヒロシに私は聞いた。「昨日の問題、解決策見つかったの?」「ううん、見つかってないよ。そのうち見つかるだろうさ。人生ケセラセラ。なるようになるさ」だって。そしてヒロシはいつもの通り問題を先送りしていた。
 
 
 
 
***
 
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2021-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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