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敵は倒すもの?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鶴聡太郎(ライティング・ゼミ特講)
 
 
この記事にはUNDERTALEのネタバレを含みます。苦手な方は注意してください。
 
これを読んでいるあなたはRPGと呼ばれるゲームをすることはあるだろうか。
RPGとは、プレイヤーがゲームの世界の一人の住人としてその世界を冒険する、というようなゲームジャンルである。
RPGの魅力の一つに、敵とのバトルがある。
仲間に指示を出すタイプだったり、敵の攻撃をかわしたりするアクションの要素が強いものだったり、さまざまなバトルの形式がゲームの個性となっている。
とはいえ、どちらも敵を倒すことが目的であることは変わりない。
ほとんどのゲームでそうなっていると思う。
だが、目の前にいる敵が
「おねがい、ころさないで……」
と泣きながら懇願してきたらあなたはどうするだろうか。
あるいは、別にアイテムをくれたりするわけでもないゲームの世界の住人に、
「モンスターをころさないでほしい」
とお願いされたとき、そのお願いを聞いてあげるだろうか。
 
 
私は、あまり多くのゲームに触れてきた方ではないが、ポケモンだったり、妖怪ウォッチのようなRPGには長い時間を費やしたと思う。
最近ではスマートフォンでも配信されている原神というアクションRPGも結構やっている。
これらのゲームに共通しているのは、敵を倒すのが楽しいということと、それによって経験値やアイテムが手に入るので、なんでもないときでもついバトルがしたくなるということだ。
強敵との死闘も楽しいのだが、そのあたりにいるいわゆるザコ敵も強力な一撃で倒すと気持ちが良い。
 
 
だが、このことはもうRPGでは常識なのではないか。
私は、バトルで敵を倒すことそのものが楽しいというのは良いゲームの条件の一つのように思う。また、バトルでもらえる経験値やアイテムが溜まっていくのを見るのは楽しい。
だからRPGに慣れている人は、初めてやるゲームでも敵と出会ったらどうやって倒そうかと考えると思うし、そうでなくとも最初のチュートリアルで敵の倒し方を教わると思う。
というより私が実際そうなのである。
 
 
しかし、敵と出会ったら倒す、そんな常識を打ち砕くゲームがあった。
それが「UNDERTALE」というゲームである。
「誰も死ななくてもいい優しいRPG」という一風変わったキャッチコピーと、個人制作とは思えないクオリティの高さから世界中で大人気のゲームである。
先日のテレビゲーム総選挙では13位に入賞したそうだ。
おめでとうございます!
 
 
UNDERTALEはモンスターたちの住む地底の世界に落ちたニンゲンが、脱出を目指して冒険をするという物語だ。
しかし、道中ではさまざまなモンスターが主人公の行く手を阻む。
ここにこのゲームの最大の特徴の一つが現れる。
プレイヤーはモンスターを見逃す、つまり生かしておくという選択肢と、倒す、いや、殺すという選択肢のふたつから選ぶことができる。
「誰も死ななくていい」という通り、モンスター全員を生かしておくことも可能だ。
そして、その選択次第で物語の進行や結末に大きく影響する。
 
 
2015年に発売されたゲームではあるが、今でもなお非常に高い人気を誇るゲームを、私はつい先日初めてプレイした。
レビューには、なるべく事前情報なしで遊んだ方が良いとあったので初めは攻略情報などを調べずにプレイし、そして、自分がいかに常識に囚われ、残忍であるかを思い知らされた。
 
 
このゲームは非常に恐ろしい。
優しいRPGと謳っておきながら、初めから人を欺き、疑心暗鬼にさせるギミックを用意している。
そのキャラクターがいわゆる悪役であったからそんな感情を抱いたのだが、おかげで終始モンスターに対して、裏切るのではないかという疑念を持ち続けることになった。
その結果として、私はモンスターを見逃すという選択をほとんど取らなかった。
モンスターを殺していくうちに、HPや攻撃力が上昇しているのに気がついた。
EXPを手に入れてLVを上げるというのはある意味RPGでは常識であるが、それでステータスが上がっているのを見ると実際嬉しい。
それに、ボス戦の前にはできるだけステータスを上げて準備したい。そう思うと後半はよりたくさんのモンスターを殺すようになった。
最後の方はもう何も感じていなかったかもしれない。
 
それで、最終的には私のLVは12になった。
誰もころさない、つまりLV1でもクリアできるこのゲームではかなり高いレベルである。
 
 
ところで、このゲームではモンスターたちが地底の世界で平和に過ごしているという描写がたくさん出てくる。モンスターたちがまるで漫才のような会話を繰り広げることもあるし、モンスターの家族や友達が出てきたり、バトル中なのに愛の告白をしたり。
モンスターが、自由に、平和に、そしてタマシイを持って生きていることを示す描写が数多く描かれるこのゲームは、RPGの敵を倒すという常識に従って殺戮する「普通の」プレイヤーに、その行為の恐ろしさを突きつけてくる。
 
 
ゲームのプレイ中、私はモンスターたちの生活を気にも留めていなかっただろう。
冷静になって考えれば、レベルが上がるからなんて理由で他者を殺すというのは、これがゲームでなければあってはならないことだ。いや、むしろこれがただのゲームだからそういった行いをしてしまったのかもしれない。
どちらにせよ、私はこう言った場面ではなかなかに残酷な性格をしているということが示されたのだ。つくづく恐ろしいゲームである。
 
 
最後に、あるボスモンスターの兄からこんな質問がされた。
 
「なぜ、おとうとをころした」
 
と。私は答えることができなかった。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2021-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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