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10年間走って気づいた大切なこと

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:izumi(ライティング・ゼミ超通信コース)
 
 
「ランニングしているのですか、すごいな。しんどいのによくやるな〜」
「何を目指して走っているの?」
私が10年間走っていると話すと、よく言われるセリフだ。
走る習慣がない人に、よく驚かれる。
走る前は、こんなしんどいことをよくするな、信じられないわ。
生涯関わらない、スポーツだと思っていたのだ。
子供の頃、耐寒マラソンを走って以降、大人になるまで一度も走った記憶はない。
 
運動は好きだけど、脳内でイメージした動きと、実際の動きのギャップが大きいため、苦手意識があった。
スポーツジムに通った時は、スタジオでテンポが遅れて、音楽に体を合わせて動かせない。
恥ずかしくなり、動きがずれているのがばれないように、こっそり後ろの方で参加するようになった。
パーソナルトレーニングをした時もあったが、トレーナーにダメ出しをされた。
「体の使い方がうまくない。どうやったら教えた動きが出来るか、感覚が分かっていない」
 
団体競技に憧れた時もあった。
フットサルチームでは、ポジショニングをどうしたらいいか分からなかった。
パスされたボールを、すぐに味方に渡していた。
ボールの方に走っていくのも、息切れしてついていけない。
どんな運動もうまく出来なくて、長く続けられずにいた。
 
そんな私が10年間走れているのは、血のにじむような努力をしたからではない。
毎日走り続ける目標があったわけでもない。
走り続けて、気づいたら10年たっていたという感覚の方が近いのだ。
走るのは不思議だ。
健康のため、運動のためと思ってはじめたが、こんなにも心の健康によい影響を与えてくれるとは思ってもみなかった。
 
きっかけは、フットサルでボールについていけずにいた時だ。
なんとかうまくなりたいという一心だった。
ふと、走れば解決できるのではないかという考えがうかんだ。
同じ時期に、周りで走っている知り合いがいた。
「最近は、走っているんですよ。これが結構楽しくて」
ニコニコしながら話す姿は、輝いて見えた。
 
私も走ってみようと、試してみる。
はじめは、走ると息切れして、すぐに歩きたくなった。
体が慣れていないため、少しだけ走って、また歩くようにした。
徐々に慣らしていくようにしたのだ。
いままでは、運動の面白さが分かる前に、やめてしまっていたのではないか?
習慣になると、面白くなるのではないかと、考えるようになった。
 
大会を入れるとモチベーションが上がるのではないかと思い、まずは10kmのマラソン大会にエントリーした。
10kmはハードルが高い気がしたが、大会当日は参加者が一生懸命走っているので、私もその雰囲気にのり完走出来た。
10kmが走れるようになると、次はハーフマラソンと段々距離を伸ばすようにして、大会に向けて練習するようになった。
ちょっとがんばると出来そうな、ハードルが高くない目標を作る。
長期間ではなく、数カ月先の目標にすると、そこまでは頑張ろうという気持ちになり走れた。
 
先のことは考えず、まずは出来そうな目標から、チャレンジしたのだ。
運動がうまく出来なくて、すぐに挫折してしまう私には、よい方法だった。
年単位で考えると気が遠くなり、やる気がなくなる。
数ケ月単位で考えると、大会が終わった後に、走りたくなれば続けたらいい。
気持ちの面で、ハードルが低いと、継続がしやすくなる。
 
小さいハードルをクリアできると、欲が出てくる。
次はもう少し上のハードルを、クリアしてみたいという気持ちに変わる。
やる気が出た時を利用して、次の大会を入れるようにしていく。
関門に引っかかって、ゴール出来なくてもいい。
同じようなハードルの大会を入れたり、もう少し関門が緩く、距離が短めの大会を入れてゴールするようにしたらいいのだ。
小さな成功体験を積み重ねていくと、自信が生まれてくる。
 
日帰りで行ける大会から、泊まりが必要な大会に出るようにした。
友達と同じ大会にエントリーして、一緒に大会地まで行く。
前日は受付して、その後は観光する。
その土地の美味しい食べ物をリサーチして、食べる楽しみがある。
金沢の大会前日に食べたのどぐろは絶品で、次の日に走るのを忘れるくらい楽しんだ。
ただ走るだけではなく、旅と友達が相乗効果になって、学生時代の修学旅行に来ているような感覚になる。
ワクワクするのだ。
 
大会前には、会社から5km程先の駅まで走って帰るという方法を取っている。
家に帰ってから走るよりは、通勤経路にいれてしまった方が強制的に走れるので、時間の短縮になるからだ。
大会が終わると通勤ランをしなくなるため、大会までの一時的な習慣にしている。
 
ランニングウェアも走る習慣のため、重要な要素だ。
走るなら、かわいいウェアで気分をあげたい。
はじめは、有名メーカーのウェアを買っていた。
だが周りを見ると、おしゃれなウェアを着ている人が多い。
調べると、ガレージブランドと呼ばれる小規模ながら、質のよい商品を作っている。
オリジナリティがあふれる商品だ。
デザインしている人はランナーで、街で着ていてもおかしくない位におしゃれだ。
それらは少量生産のために、価格は高い。
Tシャツは、1枚6000円していたから驚いた。
普段練習の時に着ているTシャツの、倍だったからだ。
 
清水の舞台から、飛び降りる気持ちで買った。
かわいいウェアを買うと、着て走らないのが、もったいない気さえしてくる。
気分をあげ、外見から入るのも大切だ。
 
走ることを習慣に出来たのは、定期的に大会を入れて、目標を作る。
気分があがるウェアを、着て走る。
そしてランニング教室に、参加したという理由も大きい。
 
それまでは、自己流の練習を続けていた。
大阪マラソンの出走権利が当選したので、目標が出来たのだ。
「運動が苦手でも、プロに習うと少しは上達するのではないか?」
「走り方を習うと、もっと走るのが楽しくなるのではないか?」
プロに習う効果を期待して、ランニング教室に入った。
 
ランニング教室の練習会は、同じタイムの人とグループで走る。
コーチは出場大会の時期によって、いつ強度が高い練習するとよいか教えてくれた。
いつも自己流で練習していた私は、目標を達成しやすい練習方法を教わった。
結果、フルマラソンは1時間以上タイムを短縮できた。
 
練習会は週に2回あり、なるべく参加するように、心がけている。
1人では、なかなか走れないからだ。
仕事を終わって家に帰り、一度座ってしまうと、なかなか走り始められない。
ランニングウェアに着替えて、走る気がうせてしまう。
今日は疲れたから、走るのはやめようと、何かと理由をつけてやめてしまう。
 
練習会のメンバーとは、あいさつから世間話をするようになり、仲良くなっていった。
はじめは、走りにいくためだったが、仲間に会いにいく目的に変化する。
「今日は走りたくないが、みんなと話したいから練習いこうかな」
同じ大会に出る人と一緒に練習する時もあり、仲間と励まし合うことで頑張れるという相乗効果もあった。
 
私は誰とでも仲良くなれるタイプではなく、人見知りで他人になかなか心を開けない。
だが練習会に行き、自分から話をしていくようになった。
それは共通の趣味「走ること」の影響が大きい。
「今度大会にでる予定は、あるのですか?」
「暑い時期に走るとしんどくて、いやになっちゃいますよね」
自然に相手に話しかけるようになった。
 
練習会のメンバーは、さまざまな職業の人がいる。
普段に話すことのない職業の人と話すのは新鮮だ。
主婦、サラリーマン、医師、看護師、お坊さん、企業の社長がいる。
会社と家の往復では、出会えなかった人たちだ。
損得勘定がない人間関係である。
 
走るのを通して、自分の居場所を探していた。
会社、プライベートと居場所はある。
だが肩書のない、自分に戻れる場所は、走っている時だと分かった。
会社に勤めている私ではなく、ただ走っている私になれる。
走るのが好きなだけでいい。
大人になると、友達はできないと思っていたが、そうではない。
年齢も性別も関係はない。
仲間と一緒に走るのは楽しい。
 
気分が乗らなくても、練習会に行くスタイルが、役にたった時があった。
仕事のストレスで、朝おなかが痛くなり、出勤ができない日が続いていた時だ。
このまま会社に、行けなくなったら、どうしようという不安がよぎった。
原因は仕事のストレスで、休みの日になると元気になる。
会社を体調不良で遅刻した日でも、練習会に行くと気分が変わるかもしれない。
もし、走るのが無理ならば歩けばいい。
そんな気持ちで練習会に行き、帰る時には元気になっていた。
「あれ? 会社に行く時はあれだけおなかが痛くなり、しんどかったのに」
 
周りに仕事の悩みを打ち明けたわけではない。
ただいつも通りに、走っただけだ。
なぜだろうと考えると、走ると気分転換になり、悩みを考えなくなった。
なんとかなるだろうと、思えるようになる。
体を動かして汗をかくと、心地よい疲労感とともに気分がぱっと変わるのだ。
 
走ることで、自分の体と心をチューニングしている。
楽器が音を鳴るために、チューニングするのと同じように、私の心と体がうまく動くように調整しているのだ。
頭痛があり薬を常用していたが、いつのまにか飲まなくても大丈夫になった。
体を動かすと、血流がよくなったのだろう。
チューニングをしながら、その日の体の調子に耳を傾ける。
たとえば、思ったよりに疲れているから、ゆっくり走るのに専念しようと体と対話する。
走る前はモヤモヤしても、走り終わると物事にあまりこだわるのはやめようと思う。
 
走り続けた10年間で仲間と出会い、自分と対話する方法も見つかり、人生を救われた。
人の心は、まるで天気のようだと聞いたことがある。
晴れたり、曇ったり、土砂降りの雨が降ったりする。
他人と自分を比べて、私の方が劣るなとか、足りていないな、追いつけないと思い知らされたときに自己嫌悪に陥って、心が曇り空になったかと思うと、次の瞬間とたんに土砂降りの雨が降る。
お天気任せで、晴れてくるのを待っていると時間がかかる。
そんな私の心の空模様を、回復してくれるのが、走ることだ。
もしあなたが、何かにつらくなった時があれば、試してほしい。
心の天気が悪い日に、少しだけ走ってみる。
解決方法のヒントが浮かぶ時もあれば、悩みがばかばかしく思える日もある。
その先には雨雲がどこかに行き、光が差し込むのが分かるはずだ。
 
 
 
 
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2021-12-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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