メディアグランプリ

浪費家の夫にお金持ちの行動を真似してもらったら、思いがけない結果になった話


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記事;Yajima(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
うちの夫は浪費家である。いや、正確には、貯めておくことができない、という言葉の方が合っているかもしれない。
私と結婚した時も、2年早く社会に出ていたはずだが、貯金はほぼなかった。(夫の名誉のために補足だが、私たちは夫が社会に出て3年目で結婚している、と言い訳しておく)
 
とりあえず、お金があれば、使いたくなってしまう夫。欲しいものを買うことはもちろんだが、掃除や料理を作るとき、材料や道具を一から買ってくるところから始める。
 
おかげでうちには、使いかけの調味料や、洗剤がたくさんあり、いつも使いきれず困っている。100円ショップも大好きで、何か必要なものがあったときは、100円ショップにいって探すこともしばしば。
 
それで必要なものとぴったりのものがあればいいが、妥協して買ってくるので、結局使われず棚に積まれていることもある。
 
そんな感じで、何か大きなものを毎回たくさん買うわけではないのだが、細かいものをちょこちょこ買うので、気づいた時にはお金がなくなっていて、次のお給料日が待ち遠しい、なんてことになるのである。
 
余った分を貯金にまわそうとするから、結局毎月お金が貯まらずに終わってしまう。
 
勝新太郎のように、宵越しの金は持たないタイプの、豪快な浪費家ではない、節約浪費家である。
 
と、夫のことをいろいろ言ったが、妻である私も本や雑貨になると同じようなものを何度も買ってきてしまうタイプの浪費家であるから、あまり夫のことばかりを言えるわけではない。
 
しかし、貯蓄はできていたことと、お金のリテラシーについて興味がある点は、特筆しておきたい。(そのせいで夫からは金の亡者という何とも失礼な呼ばれ方をする)
 
そんな、お金に興味はあるが、まだまだ学習中の私。ある日、お金持ちの行動なる本を読んだ。その中に書かれていた一つが、「お金持ちの財布には、必ず10万円以上の現金が必ず入っている」というものだった。
読んだ時は、10万円の調達は難しいと思っていたし、それだけあれば、貯金したいと思っていた私は、何も行動しなかった。
 
しばらくして、コロナウイルスが流行り、国民全員に10万円の給付がされたとき、どのように使うことがいいのか考えていた私は、ふとお金持ちの財布のことを思い出した。
そして、実験してみたくなったのである。10万円を財布に入れた夫は、どれくらいで使ってしまうのか……。きっと数ヶ月で使ってしまうに違いない。
 
何とも失礼な妻だが、国の経済を回すため、夫が全て使ってしまうなら、それでもいいとも思っていた。
 
しかし、結果は、2年近く経った今でも、全額財布に残っている。
そして、10万円を財布に入れてから、夫の消費行動は明らかに変わった。
 
まず、すぐに100円ショップに行くことがなくなり、調味料も一から全部揃えることをしなくなった。ものを買って解決するのではなく、家にあるもので応用できないか考えるようになったのだ。
また、嗜好品、お菓子なども購入頻度が前よりも下がり、本当に必要かどうかを考えるようになった。
 
そこまで変化した理由を尋ねると、「せっかくのお金がもったいなく感じるから、大事に使いたくなった」とのこと。お札もピン札で揃え、むきまで揃えるこだわりよう。
あれ、何だかこれ、お金持ちの行動の本に載っていたことと似ているな……。
そういえば、その本にはこんなことも書いてあった。「お金を可愛く思うこと、お金を払うときは、本当に必要と感じることに大切な子を送り出す気持ちで使う」
あれ、夫の発言と似ているような……。夫がいつの間にか、お金持ちのような思考をしている。
 
正直、夫がここまで変わるとは思っていなかった。私は夫を甘く見ていた。今では、私の方が夫よりも浪費かかもしれない。お金は、本当に人を変えるほどの力を持っている。よくも悪くも。
 
浪費家の夫にお金持ちの真似をしてもらってわかったことは、同じ行動をとる事で、思考が変わり、その結果として、お金の使い方も変わるということだ。
「お金がない」と思っていると、満たされない心を埋めるために浪費し、「お金はある」と思っていると、自分で本当に必要なものを「選択」することができる。心に余裕が生まれるから、募金をしたり、誰かにプレゼントを買ったり、周りへ優しさを届けることができる。
あれ、これはよく聞く良いサイクルというやつでは……。確か、感謝が集まり、よりお金が集まってくると聞いたような……‼︎
 
お金持ちが少しだけ身近に感じられた体験となった。
 
 
 
 
***
 
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2022-01-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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