メディアグランプリ

運動嫌い50代の私が、自分史上一番かっこいい〇〇を手に入れた方法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:濱本 祐子(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
誰でも、苦手で避けてきたことが一つ二つあるだろうと思う。
私のそれは、運動だ。
 
「はい、ダウンドッグ! 腕と背中と腰をぐっと伸ばしましょう! ワーン、ツー、スリー、フォー、ファイブ……」
そんな私がヨガのレッスンに通い始めて、ほぼ5年になる。
 
きっかけは「ヨガはね、運動にもなるけどね、ただただ何も考えずに、頭の中が空っぽになるのがいいのよ」という、私より半年前にヨガを始めた友人の誘いだった。
 
ヨガ? 自分にできるだろうか。私は身体が硬い。運動も嫌いだ。
だがそれ以上に「頭の中が空っぽになる」というフレーズに心を惹かれた。
 
その頃の私は常に何かが頭の中に在って、ぐるぐると渦巻いていて、気の休まることのない、そんな毎日を送っていた。頭が空っぽになるなどありえない。それが体験できる、だと?
 
もう一つ、行ってみようと思った理由がある。
年齢を重ねるうち、体重はあまり変わらないものの、体型が明らかに変化していた。このままではやばい、何か運動しなければ! と思いつつ、きっかけがつかめないでいた。
 
それでヨガを始めた。
半年ほどは、動きを覚えて真似をするのが精一杯だった(私がやっているのはアシュタンガヨガといって、ヨガの中でも動きの激しい部類に入る)。右手はここで良い? 左足は? と周りをチラ見しながら動く。動きながら膝がブルブル震えたり、バランスが取れなくて片足立ちでフラフラしたり。翌日は心地よい疲労感とともに筋肉痛が残ったりしていた。
 
しかし一年近く経つとだいぶ慣れてきて、何も見なくても身体が動くようになった。レッスン開始時は「今日の〇〇さんへの私の応対は良くなかったな」とか、「明日は朝からお出かけかあ、楽しみだけどちょっとめんどくさいなあ」とかモヤモヤ考えていても、先生の声に合わせて動くだけで、そんなことはどこかへ行ってしまうのだ。頭が空っぽになっていくのがわかる。そして終わったときにはスッキリ爽やかな私に変身している。
 
これか、友人が言っていたのは。
 
頭を空っぽにするために、私はレッスンに通った。
 
同時に「ヨガのポーズってかっこいい。でも運動神経鈍い自分には無理だ」と思っていた。
 
ありがたいことに先生は「ヨガのきれいなポーズをマスターしよう! とか思わなくていいです。皆さんがご自分のペースでヨガを楽しんでくだされば」と言ってくださる。
それをいいことに、私はポーズのことなどあまり気にしていなかった。
 
それでも先生が、例えばダウンドッグのポーズ中に、背中や腰の部分を足の方向へぐっと押し込んでくれると、上腕部や背中、腰がぐっと伸び、膝の裏も伸びているのを感じる。この状態が理想の形(三角形)で、きれいなポーズなのだろう(今は接触を避けるため先生が押し込んでくれないのでちょっと悲しい)。
 
私のダウンドッグは、横から見てもおそらく三角形にはなってなくて、台形なのかなあ、うまく行かないなあとずっと思っていた。
 
そのうち、家でステッパーを購入して、毎日足踏みをするようになった。ある日、転ばないためには太腿の筋肉が大事! とテレビで見たのだ。とりあえず長く歩けるよう、まずは足!
 
一ヶ月ほど経つと、まず足の形が変わった。
50年近く生きてきて、自分史上一番かっこいい足になった。太腿は引き締まったし、ふくらはぎもシシャモのような良い形になった。嬉しい!
 
そしてなんと、ヨガのポーズを取るのが楽になっていた。
同時に、もしかして今まで私が片足立ちでふらついたり、膝がブルブルしていたのは、運動神経が鈍いせいではなく筋肉が不足していたせいなのかも! と気づいた。
 
私は運動が嫌いだった。
だから、筋肉が増えるまで続けることができなくて、次のステージがあることすら気づかなかったのか。
 
もしかすると、もっと練習したら、きれいに決められないと思っていたダウンドッグも出来るようになるかな? 先生の言う「腕と背中と腰を伸ばす」のがわかるかな? 理想の三角形に近づけるかな?
 
そう思いながらも、ヨガをやるのはレッスンのときだけで、家ではほぼやっていなかった。マットを出すのが面倒だし、時間も取れそうになかった。
 
しかし一昨年から緊急事態宣言等もあり、先生が残念そうにLINEで「今月のレッスンはお休みにします」と伝えてくれることが増えた。
 
私は何度目かの「お休みにします」LINEを見て思った。
ここでやめたら、元の木阿弥。家でもやろう。
 
そして昨年6月、朝ごはんの前に、太陽礼拝と呼ばれる一連の動きをやることにした。これにはダウンドッグのポーズが入っていて、長くても5分弱で終わるし、やろうと思えばどこでも出来る。とりあえず最初は3セットから。
 
一ヶ月ほど続けて気づいた。
肩こりからくる頭痛の回数が明らかに少なくなった。
 
慣れてきて5セットに増やした(レッスンでは6セットやる)。
回数が多いほうが、終わった後のすっきり感が違うのだ。
もちろん、明らかに体調が良くない日は休みにしたり、1セットで止めたりしながら、半年ほど続けていた。その間に、腕も自分史上一番にかっこよくなった。
 
そしてとうとうその瞬間がやってきた。年末のことだ。
 
「あれ? なんか今までと違う」
腕が、肩が、背中が、腰が伸びるその感覚が、分かった。
 
これか! これだったのか!
 
続けてよかった、と心から思った瞬間だった。
同時に、この感覚を逃したくないと強く思った。
 
これからも私は毎朝人の居ないリビングで、「今日も伸びて気持ちいいわあ~」と思いながら太陽礼拝を続けるだろう。
 
そして苦手だからって避けずに、諦めずに、またはのんびりと続けていたら、なにかが変わることを知って心強く思う。
 
もしあなたに今まで苦手で避けていたことがあるなら、一度それにチャレンジしてみませんか? 何かがきっと、変わると思う。
 
次はお腹周りをなんとかしようぜ、私。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-01-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事