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私らしさって何だろう?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:秋野ゆみこ(ライティングゼミ・10月コース)
 
 
「変わってるね」「個性的だね」
その昔、私はよくそう言われていました。それは変わっていて素晴らしいという褒め言葉ではなく、「あなたとは話が合わない」とか「あなたとは価値観が違う」というような、やや否定的な意味を含んでいました。私自身は何が個性的でどこが変わっているのかまったくわかりませんでした。どうすれば変わった人ではなくなるのだろうか。私もみんなと同じになりたい。そう思って試行錯誤を繰り返していたように思います。長い間の賜物で「変わってるね」とは言われなくなりました。
 
子供が成人式を迎え、私の子育ては終わりました。第二の人生の始まりです。
さて、何をしてどうやって生きようか。子育てという一仕事を終えた私は以前より自由で、それなりに余裕もあります。
最近は、「自分らしく生きよう」「個性を大事にしよう」という言葉をよく聞くようになりました。
残りの人生を後悔しないためにも自分らしく生きれば良いのだ。そう気づきました。ところで、「私らしく」ってなんだっけ?
長い間、世間の評価ばかりを気にして生きてきた私は私自身を見失っていました。
他の人に合わせる事に一生懸命で自分が無くなっていたのです。
いつの間にか社会の価値基準が変わり、個性重視の世の中になっても、失った個性を簡単に取り戻せるものではありません。
 
そこで、手始めに好きな服を着てみたらどうだろうと思いたちました。家事や子育てに忙しくてファッションを気にする暇などなかったからです。ところが、これが案外難しいのです。まず、好きな服と似合う服は違います。それに、やはり世間の目が気になります。若作りと思われないだろうか? 派手過ぎないだろうか? 時代遅れではないだろうか? そうやって色々考えると、やっぱりいつもの無難な線に落ち着いてしまうのです。
 
そんな中、先日は太陽の塔で有名な岡本太郎記念館に行って来ました。表参道にある彼の生前の邸宅を記念館に改装しています。
入るといきなり中庭に彼の作品達がならんでいます。形も色も個性的で強烈なエネルギーを発しています。
彼の住んでいた場所なのでリビングがあるのですが、そこもまさに岡本太郎そのものです。椅子からテーブルからティーカップにいたるまで、汎用品は見当たりません。それは本当に個性の塊です。そこには他人からの評価などは一切排除されているように思えます。そんなものは関係なく、岡本太郎が考えて表現したいものだけが作品として並んでいるのです。
評価されなけばそれまでという潔さも感じられました。
 
私は1つの作品の前で足を止めました。直径30cmくらいの丸いお面のような物なのですが、左右の表情が違います。左側は普通なのですが、右側は怒っているように見えます。
ですが、右側を怒っている顔だと認識して見ると左側は泣いているようにも見えます。彼の怒りや悲しみだけではない複雑な感情がこの1つの作品に込められていて、しばらくその場を動く事ができませんでした。
個性的であるという事は他人と相容れない事も多くあったのではないかと想像します。
その孤独感をこの作品は力強く表現しているように思えました。
彼の経歴からして「変わってるね」とか「個性的だね」などという事を敢えて言う人はいなかったと思いますが、多分汎用的な生き方をする方が彼にとっては憎むべきものだったに違いありません。
 
希代の芸術家と自分を比べるのもどうかと思いますが、やはり彼の作品やそれを通しての生き方、考え方は私に大きな刺激をもたらしてくれます。
今、私が自分を見失っていて、自分らしいって何だろう? と悩んでいるのは若い頃に「変わってるね」などと言われて、そこから逃げ出してしまった事が原因なのかなと思います。なんとか他の人と同じになろうとして自分らしさを捨ててしまいました。何故そんな事をしたのかと言うと、孤独が怖かったのだと思います。私が私らしくしていると、他の人とうまく繋がれないような気持ちになってしまっていたのでした。私はそうやって人生を歩んできました。
 
今回、この文章を作っていてある事に気が付きました。
確かに私は岡本太郎のような激しさや強さは持っていません。けれど、長い年月の間に手にした物もたくさんあるという事です。例えば、私の大切な二人の子供や、同じ目標を持つコーチングの仲間、元同僚達との友人関係。性格も以前に比べたらずっと活動的になり、色々な事にチャレンジしています。そういった目に見えないものが少しずつ私を作っていって私らしさを形成するのだと思います。洋服などは表面的な事にしか過ぎないのです。
「私らしさ」とはすぐに答えの出せるものではなく、内面を鍛えながら自然に滲み出て来るような物なのかもしれません。
私はこれから自分も周りの人も大切にしながら、自分のペースで私らしい私の道を歩んで行きたいと思います。
 
 
 
 
***
 
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2022-02-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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