メディアグランプリ

コロナ感染はテレビの中のできごとでない! 当事者になってわかったこと


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記事:ゆみエール(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
ここ数週間、不要不急の外出を控えています。オミクロンが怖いのです。
私が、オミクロンを怖がっているのは、受験生の息子がいることもありますが、これだけ流行っていると、どこで誰がかかっても仕方がない状況だと知っているからです。
 
実は私、昨年の8月にコロナに感染しました。そのころに流行っていたのは、デルタ株でした。ちょうど第5波といわれて感染が拡大していたころです。ピークを迎えるお盆前に私は感染しました。
感染予防を怠っていたわけではないのですよ。もちろんマスクはしていたし、手洗いうがいもしていました。飲み会も食事会もしていません。
ただ、ストレスが溜まっていました。免疫力が低下していたのでしょう。母が6月の下旬に亡くなって、実家の片づけ、諸々の手続きで、7月の1ケ月間奔走していました。8月に入って、その忙しさから解放されて、ほっとしたタイミングでコロナに感染したのでした。
 
最初の症状は、倦怠感と発熱、少し喉の違和感です。『あぁ、疲れが溜まっていたのが、お盆休みに入ってどっと出たのだわ』なんて思っていたのですが、お盆で単身赴任先から帰宅していた夫がヤイヤイと言います。
「それ、絶対やばいって。コロナやで!」「早く病院に行ったほうがいいって!」
とは言っても、日曜日の夕方なので、病院はやっていません。翌日の月曜日は運悪く祝日です。仕方なく、月曜日に民間のPCRセンターに行って検査をしました。検査結果を24時間以内にメールでお知らせしますとのことで、検査翌日の夜に結果が出ました。
結果は「陽性」
「ほら、やっぱり」と夫。
 
さぁ、大変です。
改めて医療機関に行って医師に検査をしてもらい、コロナの陽性が出たのを保健所に届け出て、「正式なコロナ感染者」になりました。保健所への届け出は、自分でするのではなく、検査をした医師がするのです。
病院もホテル療養も満床で、自宅療養、家庭内隔離の生活が始まりました。同居している夫と息子は幸い陰性でしたが、濃厚接触者です。お盆の期間ということもあり、学校も会社も休みで、欠席や欠勤にならなくてよかった。
 
3LDKの狭いマンションで、大人3人が2週間、外出しないで過ごします。どうやって、家庭内感染を防ぐのか? それが大きな課題です。
私はベッドのある寝室に隔離されました。1日中ベッドでゴロゴロして、パソコンで動画を観て過ごしました。気分が沈むので、明るく楽しい映画や動画「ワイルドスピード」シリーズと、千鳥の「相席食堂」、二宮和也さんのYouTube「ジャにのちゃんねる」をAmazonプライムで見続けました。買っただけで読んでいない本を読もうかと思いましたが、読書する気力がありません。
 
私の症状は軽症です。発熱はあるものの、呼吸も正常でした。それでも、保健所から貸出されたパルスオキシメーターで、こまめに血中の酸素濃度を測ります。
ちょうど、タレントの野々村真さんが重篤化して入院していた時期です。野々村さんと同世代の私は、他人ごとではありません。
重篤化するかどうかのターニングポイントは発症してから1週間だそうです。
1週間で回復に向かうのか、悪化するのか。薬のない病気ですから、経過を見守るしかできません。私の症状は、悪化することはなかったものの、1週間経ってもなかなか回復には向かいませんでした。
頭の端に「死」がちらつきました。
 
家族にうつさないために、私はトイレ以外には部屋を出ませんでした。食事は、紙皿に入れて、割りばしを使う。飲み物は、ペットボトル。使い終わったら、隔離されている部屋のゴミ袋に入れます。
トイレに行ったときには、触った箇所を除菌シートで拭きます。ドアノブ、トイレットペーパーホルダー、水を流すレバー。その作業が面倒で、トイレに行くのが億劫でしたが、脱水症状を起こさないためにも、水分はしっかりととっていましたので、トイレに行く頻度が高い。
 
そんな2週間を過ごして、奇跡的に、家庭内感染は防ぐことができました。幸いにも職場や行動を共にすることが多かった妹にうつすこともなく、私の周りに感染者は出ませんでした。
 
さて、私はどこで感染したのだろうか? 発症する直前に立ち寄った飲食店は、行きつけの店でした。回復後に連絡しましたが、感染者が出たという情報はありませんでした。
私の感染経路は全く不明です。考えられることは、接触感染です。スーパーやデパ地下のかご、カート。入り口では消毒液でシュッシュッするけど、出口ではしません。両手に荷物をいっぱい持っているので、シュッシュッしにくのです。
もちろん帰宅後に手洗いうがいをしますが、帰るまでに顔を触ったりスマホを触ったりしますので、それが原因ではないかと思っています。
だから、自宅療養中も、私が触れたところを徹底して拭いたのでした。
 
おかげさまで、後遺症もなく私は元気になりました。家族を含めて、誰にもうつすことがなかったので、このように、ライティングのネタにもできます。
しかし、回復するまでの2週間は本当に辛かった。潜伏期間が長い感染症だったので、「誰にもうつしていない」とわかるまで、時間がかかります。『私が原因でクラスターを起こしていたらどうしよう』と不安でした。
また、生まれて初めて「死ぬかも知れない」と思いました。口座のことを書いたWordを、パソコンのデスクトップにわかるように保存しました。今どきはネットバンキングやネット証券なので、本人しか知らない口座があります。もちろんパスワードも私しか知りません。数か月前に母を亡くして、相続の手続きの煩雑さにはうんざりしていましたから。
 
現在は、オミクロンが大流行しています。いつ誰がかかっても、おかしくない状況です。
感染経路不明だと、反省のしようもありません。
症状が軽いなら、今かかっておくほうがいいのかも、なんて考える人もいるかも知れませんね。確かにね、症状が軽いと死を覚悟する必要もないでしょう。でも、仕事を休むこと、家族が濃厚接触者になって自宅待機すること、誰かにうつしてその向こうにいる人が重篤化するかもしれないこと、そういうことを考えると、やっぱり感染しないに越したことはありません。
感染してわかったことは、「誰にもでもかかるリスクがある」「他人ごとではない」ということでした。結局、当事者にならないと、当事者意識なんて生まれないのです。
 
 
 
 
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2022-02-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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