私とライティングとの歴史 〜蜜月と倦怠期を繰り返し深まる愛
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:矢野圭夏(ライティング・ゼミ2月コース)
私にとってライティングは、何度も別れては付き合い直すカップルのようだ。確かに惹かれあっているし、縁があることは間違いないのだが、割と多めに倦怠期が訪れる。
ライティングの歴史を振り返ると、今日に至るまで過去3度のハイライトがある。
1度目は14年前。27歳の時だ。東京OLをやりながら、ライタースクールに通っていた。女性専門で主婦や年配者も多かった。生徒数は20名ほど。かなりのスパルタで、毎週「今週のイベント」と題したコラムを提出させられる。字数制限はないが「イベント」なので実体験が前提だ。
平日は会社員をしながら仕事帰りや週末に何かしらの行事を見つけて出かける。何もない時は初めて訪れる飲食店をネタにしたりもした。
提出したコラムは校長の審査を経て優秀なものが掲載され配布される。その中からさらに投票で優秀賞が決められる。
1年間スクールに通い毎週提出をして、私が選ばれたのは5回だ。これが良いのか悪いのか分からないが、数をこなすことで力になるという実感と、たまには面白い記事が書けるようだというささやかな自信は得られた。
卒業間近には、仕事としてライティングする機会が訪れた。生まれて初めてお金を頂いて文章を書いた。嬉しい気持ちよりはプレッシャーの方が大きかったのを覚えている。
2度目は7年前。東京から鹿児島に転居し、自分で仕事を始めた頃だ。セルフブランディングのためのブログ講座で、毎日1本、100日続けて書くことに挑戦した。
独立して間もない時期で、これといった専門性もない中、必死にネタを絞り出したのを覚えている。
当時のブログがまだ残っているのだが、はっきり言って、恥ずかしくて読めたものではない。歴史の中でも「黒」歴史だ。
それでも唯一の自慢は、この時期に書いた某記事が今でも検索で上位に上がり、よく読まれていること。仕事にまったく関係のない「500円カット」の体験談だ。これがいくら読まれても、仕事につながらないのが残念でならない。
少し残念な2度目の挑戦だったが、100日続けて書くことの効果は大きかった。発信の恐れがなくなったからだ。公の場で発言するとなると「こんなこと書いたらどう思われるかな」と誰もが不安になるものだが、数をこなすことでその感覚が麻痺してくる。しかも周囲の目を気にしないでいいとなると、自由に書くことができるので、結果として面白いブログが書けたりするのだ。
その後、200本まで続けて、筆が止まる。活動休止状態。いったん書かなくなると、次の1本を書くのに苦労する。車と同じ。エンジンが温まるまで時間がかかるものだ。
3度目は、活動休止から1年後の2015年。意外と復帰は早かった。復帰第1弾はメールマガジンへの挑戦だ。当時、個人で仕事をする人、特にコーチ講師、コンサルティング業の人はメールマガジンを登録してもらい、信頼関係を構築してから商品・サービスを購入してもらうというビジネスの流れが主流だった。
メルマガを登録していただいてから7日間連続でメールが届く仕組みを「ステップメール」と呼ぶのだが、ブログとは違いセールスライティングの要素があるので難しかった。
なんとか書き上げたメールのタイトルは「介護現場のため息がエネルギーに変わる7つのメッセージ」。当時、介護施設のコミュニケーション研修がメインの仕事だったからだ。読者数は70名。未だにぼちぼちアクセスがあるから、何でも挑戦してみるものだなあと思う。
ステップメールは、見込み客との関係構築のためにとても有効だと思うが、とにかく書くのが大変である。1通ずつ狙いや落とし所を考え、ストーリーを描いてから文章を書くのだ。1通目、2通目と続き7通目には信頼関係をしっかり築き上げ、この頃にはお客様の期待が最高潮に達し、「買いたい」気持ちにお連れしないといけない。
本当なら商品・サービスができるたびにステップメールを書ければいいのだが、後にも先にもこの1回となっている。
というわけで、私とライティングとの歴史は、蜜月と倦怠期を繰り返してきたわけだが、2022年2月に「ライティング・ゼミ」という新たな歴史が追加されることとなった。
文章をある程度書くことはできても、人の心をつかむ文章を書くことができるかどうかはまた別の話。「ライティングとのお付き合い」はこれからも続くということだ。
「どうか今度こそは長く続きますように」と願う私の気持ち。果たして愛は深まるのか。
***
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