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ド文系の私がロケット教室を成功させた理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:J子(ライティング・ゼミ福岡会場)
 
 
私自身、高校時代大嫌いだった科目は数学と物理。大学は商学部という筋金入りの文系だ。
そんな私だが今回ひょんなきっかけでロケット教室をすることになった。
 
ロケット教室を開催する梺ベースのカフェで、
監修してくださる福岡大学化学システム工学科の松隈教授と打ち合わせをした。
 
松隈先生は、
「ロケットを作るのが幼稚園児の場合は、幼稚園児に4人に対して指導役の大人が1人必要です」
と話された。
 
今回の参加者はほぼ幼稚園児。 16人いるので、大人が4人必要という計算だった。
幼稚園のお母さんに声をかけ、指導役のお母さん4人見つけることができた。
 
第一関門クリアだ。
 
予行練習をすることになった。
幼稚園のお母さん4人、見学に来ていた小学2年生のみのりちゃんと4年生のけんじ君と一緒にロケットを3機作った。
 
私も指導役としてロケットの機体を作り出したが、説明書の冒頭でつまずく。
「部品Aを定規でしごきながら円柱状にし、のりしろ部分に接着剤をつけ、交互にかむようにしながら素早くくっつける」
 
「1ミリのずれも許されない」
 
3cmはずれている。 やり直しだ。
その後もミスを連発しつづけてしまった。
1時間が経過した。
私以外は8割できているが、私は3割程度しかできていなかった。
すでにロケットを作り終えた小学4年生のけんじ君が、
「あすかちゃん、ここにのりをつけて手でしっかり押さえると固定できるよ」
とアドバイスしてくれた。
その後も隣に座ってわかりやすく教えてくれた。
 
た、助かった。
なんとか私のロケットも完成した。
 
いつの間にかロケット作りの中心は小学2年生のみのりちゃんと
4年生のけんじ君になっていた。
 
予行練習で作ったロケット3機は無事に空に飛んでパラシュートが落ちてきた。
 
家に帰り、主人にロケット教室のこと、予行練習をしたことを話した。
「へぇ、ロケット教室面白そうだね。俺も作ってみたいな」
主人は大学工学部建築学科を卒業している。
助っ人1人目ゲットだ。
 
ロケット教室があることを長崎にいる父に電話で話した。
「ほう、面白そうだね。行ってみようかね」
と父が来てくれることになった。
 
父は長崎でオリジナルの農業機械を製作している会社を営んでいる。
そう言えば、父は小さい頃お金がなかったので竹を自分で切って飛行機のプラモデルを
作っていたという話を聞いたことがあった。
 
よし、助っ人2人ゲットだ。
 
いよいよ本番当日。
梺ベースカフェに着くと、オーナーのななちゃんは机を準備してくれていた。
 
「あすかちゃん、桂さん紹介するね!」
 
ななちゃんはそう言うと桂さんという70歳のおじさんを紹介してくれた。
 
桂さんはわいわいクラブという地域の子供たちに日本の伝統的な遊びを教える
クラブに所属しているそうだ。
「紙飛行機作ったりしていましてね。20m飛ぶんですよ。
今回ロケットを作るということで興味があり見学させてもらいにきました」
 
桂さんの紙飛行機の話を聞いて、桂さんも大きな助っ人になると胸が高鳴った。
 
ロケットを打ち上げる回数は全部で21回。
全てが打ちあがること。パラシュートが開くことを心から願った。
 
 
ロケットの機体づくりがはじまった。
 
製作時間の約1時間。
正直言うと私はほぼ何もしなかった。
 
予行練習の時に見学に来てくれた小学2年生のみのりちゃん、4年生けんじ君、お母さん達、そして、主人、父、桂さんがいつの間にか指導役になって幼稚園児にロケットの作り方を教えていたからだ。
 
ロケット教室で初めて会った桂さんは6歳の娘と
いつの間にか一緒にロケットの機体を作っていた。
 
「ロケットを打ち上げる」
その目的のために自然とみんなが協力し合っていたのだ。
 
想定より30分早くロケットの機体が完成した。
 
いよいよ打ち上げだ。
動物広場に移動した。
 
ロケットの機体に火薬を入れ、発射台に装着。
いよいよ1台目の発射だ。
みんなでカウントダウンした。
「3・2・1 ゴー!」
 
ロケットは空に向かって真っすぐ飛んだ!
約2秒間の間に時速200kmの速度に加速。
ロケットからパラシュートがでて、ひらひら落ちてきた。
子供たちがわ~とパラシュートめがけて走り出した。
21回のロケットの打ち上げは全て成功した。
全ての打ち上げが成功し、大人も子供もみんなで喜んだ。
 
大人も子供もごちゃまぜで、ただひたすらロケットを作った。
 
あまり高く飛ばないもの、まっすぐ飛ぶもの、いろんな表情があって面白かった。
 
ロケットは火薬に火をつけただけではなかった。
父の心に火をつけたのだ。
 
「あすか、今度は長崎でロケット打ち上げよう。 俺が発射台を作っていいか松隈先生に聞いてもらえるかな」
 
ロケット教室はまだまだ続きそうだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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