メディアグランプリ

燃えよ! 名古屋! 大阪より愛をこめて


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:栗(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
私は名古屋が好きだ。大阪人なのに名古屋愛にあふれている。それは夫の転勤で10年ほど住んだ経験があるからなのだが、反面、地元名古屋の人は名古屋愛をあまり表に出さない。がめつい大阪人からするともっと自信を持って! と言いたくなる。なので、ここで名古屋愛を燃やしてその魅力を訴えてみたい。
 
まず、「なごやメシ」がうまいこと。
なごやメシの人気は以前はそうでもなかったが、最近人気が定着している。私もかつて大阪に住んでいたときはほとんどその存在を知らなかった。せいぜいきしめん、ういろうなど、実家が名古屋のママ友からお土産にもらう程度だった。
 
しかし、引越前夜に泊まったホテルで食べてまずびっくりしたのがトンテキ。
「これ、めちゃくちゃおいしくない?」
トンテキとは、ウスターソースをからめた豚肉のソテーのこと。厳密には三重県が発祥らしいが、名古屋で食べたのでなごやメシとしたい。こってりしたソースと分厚い豚肉が甘くて驚いた。
 
なごやメシはバラエティーに富んでいる。味噌カツ、ひつまぶし、味噌煮込みうどん、天むす、あんかけスパ、手羽先などなど。どれも後を引くおいしさなのに、大阪ではその頃、ほとんど見たことがなかった。
 
ところが名古屋の人は、すまなそうに言うのだ。
「名古屋はおいしいものがないでしょう~?」
なんと控えめな人たち。大阪では考えられない。粉を溶いただけのたこ焼きでもドヤ顔でおすすめするというのに……。もっと宣伝して負けじとドヤ顔をしてほしい。
 
次に、日本の中心にあること。
東京でもなく大阪でもなく、ちょうどいい位置にあるのは強みだ。がんばれば日帰りで信州にも行けるし京都にも行けるという身軽な場所である。しかしその分、悲しい思いをしてきたことも忘れてはいけない。「なごや飛ばし」をご存じだろうか。海外や日本のアーティストがライブ等をするとき、名古屋を飛ばされてしまうことをいう。東京や大阪までいちいち遠征しないといけないのだ。私も、名古屋に引っ越してから好きなアーティストのライブが飛ばされて悲しい思いをした。人数のかげんで仕方ないのはわかっているが……。
 
しかし、よい知らせがある。2022年秋にジブリパークができるのだ。日本全国から今度は名古屋を目指して人が集まってくる。ディズニーランドでもない、ユニバーサルスタジオでもない、日本が誇るエンターテインメント、ジブリがやってくるのだ。自然豊かな名古屋にぴったりではないだろうか。苦境を乗り越えた名古屋民は、胸を張って皆さんをお迎えすることだろう。
 
最後に、車社会がすごいこと。
言わずと知れたトヨタのおひざ元、名古屋。街なかを走るプリウス率の高さには驚かされるし、とにかくどこへ行くにも車が優先。道路が広くて走りやすく、道路沿いの店には必ず大きい駐車場がついている。買い物も楽だし荷物も運びやすい。行動範囲が広くなって遠出もしやすい。
 
あまりに車優先で、名古屋中心部の100メートル道路はびっくりするほどだ。歩行者が横断歩道を渡ろうとすると、途中で信号が赤になってしまう。お年寄りは小走りでないと渡り切ることのできない魔の道路だ。
 
ただし、車に慣れすぎて困ることもある。友達の名古屋マダムはみんな、筋力が弱ってひざが痛い……とこぼしてジムに通っていた。アメリカに住んでいるようなものなのかもしれない。
 
 
と、ここまでは名古屋愛を発揮してきたが、大阪人として一言いわせてほしい。大阪ごときが何を言うかと、振り上げた手をおろして聞いてほしい。これも愛あればこそなのだ。
 
名古屋の人は大阪人に冷たい。というか、そもそも大阪など意識していない。ライバルだとか負けたくないとか一切思っていなくて、東京のほうを向いている。かつてタモリさんが名古屋のことをおちょくったように、東京の人から何か言われても、名古屋の人は苦笑い。
 
一方で、大阪は勝手に東京をライバル視して、東京に勝ちたいと思っている。名古屋さん、一緒に闘おうよ(?)と思ってさえいるが、そこは相手にされていない。逆に大阪人がタモリさんと同じことを言ったら、名古屋では確実に嫌われてしまうだろう。
 
一度名古屋の人が
「大阪人はどこへ行っても大阪弁を話すもんね!」
と怒っているのを聞いたことがある。大阪人からしたら、逆になんでだめなの? と不思議だ。名古屋の人もあの愛らしい名古屋言葉をもっと話せばいいのにと思ってしまう。
 
押しつけがましい大阪人をどうか許してほしい。しかし、名古屋のポテンシャルはすごいと言いたかったのだ。気性が控えめなのは、その生活が満ち足りているからなのだ。多分、大阪は何かが異常なのだから、その大阪弁も聞き流してもらえるとありがたい。
 
「どうせ名古屋ですし……」
という、そこの名古屋の方。どうかもっとその魅力をアピールしてさらに私たちをびっくりさせてほしい。燃えよ! 名古屋! 大阪より愛をこめて。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~21:00
TEL:029-897-3325



2022-03-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事