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遠回り万歳!


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:J子(ライティング・ゼミ福岡会場)
 
 
「おかあちゃん、バイオリンやめる!」
娘は3歳半の時にバイオリン教室に通いだした。
私が音楽に何か触れさせたいと思ったからだ。私主導の習い事は全く上手くいかなかった。
レッスンは3分ともたず、床に寝そべる。泣きわめく。
 
1か月半でやめざるおえなかった。
幸いバイオリンはレンタルしていたので、
お金を無駄にしなかっただけがよかった点だった。
 
娘がバイオリンをやめて半年後、急に引っ越しすることになった。
私の心は踊った。
「引っ越しを機に森の幼稚園に転園しちゃおう」
幼稚園や保育園を20か所見学した中で、一番ワクワクしたのが森の幼稚園。
トムソーヤの冒険にでてくるような、ツリーハウスがあったり、
田んぼで泥んこ遊びができたりポニーがいたり。
自然の中で五感をたくさん刺激する幼稚園だ。
さすがに家から遠い場所にあり、断念し近くの幼稚園に通っていた。
 
引っ越し先からだと、森の幼稚園が近くなる!
私の希望は叶い、4歳から森の幼稚園に通うことになった。
 
森の幼稚園では瑞紀ちゃんというお母さんと仲良くなった。
「あすかちゃん、今度遊ぶときバイオリンの練習をしてもいいかな?」
瑞紀ちゃんは5歳の頃からバイオリンを始め、大学時代はオーケストラで活躍、
卒業後は結婚式やイベントなどで演奏するプロのバイオリニストだった。
 
一緒に遊ぶときはよく瑞紀ちゃんはバイオリンを弾いてくれ、
瑞紀ちゃんが子供の頃に使っていた小さいサイズのバイオリンを
みなこにも使わせてくれた。
音はでたらめだが、娘のみなこはとても楽しそうにバイオリンを弾いていた。
 
瑞紀ちゃんがコミュニティカフェの梺ベースでコンサートを
やってくれることになった。
 
みなこに話すと、
「おかあちゃん、いきたい!」 と即答。
 
コンサートでは瑞紀ちゃんはみなこの目の前で
バイオリンを華やかに奏でてくれた。
 
いつしかみなこの瑞紀ちゃんをみる眼差しは、
友達のお母さんを見る目ではなく、
憧れの人を見るような眼差しにかわっていた。
 
バイオリンに触れる日々が続く中、
幼稚園で娘がハマっていたのはのこぎりで竹を切ることだった。
 
保護者の1日保育体験で幼稚園の活動に参加したときは、
みなこはひたすら竹をのこぎりでギコギコ切っていた。
 
「おかあちゃん、家でも竹切りたい!」
ホームセンターで家用ののこぎりを購入。
毎週日曜日は、ひたすらのこぎりで竹を切る日々が続く。
みなこはのこぎりとバイオリンに触れる生活をしながら5歳になった。
 
みなこがふと言い出した。
「おかあちゃん、バイオリンまたやりたい」
 
え、本気?
3歳の時は1か月半でやめている。
一応バイオリンの金額を調べてみると、7万円。
た、高い。
とても簡単には買えない金額だ。
 
「みなこ、本当にバイオリンしたいの?」
「うん、やりたい」
「バイオリンは高いんだ。7万円するんだよ」
 
「お母さん、7万円って100円玉何枚?」
私は答えた。
「100円玉7000枚だよ」
 
「え!?」
最近お金を数えられるようになった娘は、
7000枚という数字が理解できたようでびっくりしていた。
 
主人と話し合い、1つアイディアをみなこに提案した。
「お父さんは3万円だす。お母さんは2万円だす。
みなこは2万円をお年玉からだすのはどうかな?」
 
みなこは1週間考えた末、1/3ずつお金を出し合うことを受け入れた。
 
私は3歳の頃に習っていた先生に意を決して連絡した。
 
「先生、3歳の頃1か月半だけ通っていた川鍋です。
あの、娘がまた通いたいと言っているのですがいいでしょうか?」
 
先生から返信があった。
「ああ、覚えていますよ。いいですよ!バイオリンを購入してからレッスンに来られてください。バイオリン購入できるお店を紹介しますね」
 
いよいよバイオリンを購入する日が来た。
 
娘は気合をいれてバイオリンを買いに行きたいと、
七五三の時に着た着物を着てお店へ向かった。
7万円もの大金が入った封筒を握りしめて。
 
店員さんは一瞬、着物姿の娘にびっくりしている様子だったが、
優しく対応してくださった。
 
ついに念願のバイオリンをゲットしたのだ。
 
初めてのレッスン。
レッスンが終わり、先生に娘が森の幼稚園に転園したこと、
幼稚園でよくのこぎりを使って竹を切っていることを話した。
他にも週に1回調理する日があり、幼稚園の畑で育った野菜を収穫して
みんなで包丁を使って調理をし、薪を割り、火をおこし、飯盒を作ることを話した。
 
先生は笑顔で話してくださった。
 
「みなこちゃんは、バイオリンの音がしっかりでますね。
お母さん、みなこちゃんが最初から上手く弓で弾けるのは、
のこぎりや包丁使っているからだと思いますよ。
大人にバイオリンを教える時に、包丁を押したり引いたりするイメージで
弓を弾いてくださいと伝えるんです。
みなこちゃんは普段からよくのこぎりや包丁を使っているので、
同じ力で均等に弓を弾けるんだと思います」
 
え!? 私は目が点になった。
 
まさか森の幼稚園でののこぎりや包丁を使った経験が
バイオリンを弾くのに役立つなんて!
 
3歳の時バイオリンをやらせたかったが1か月半でやめた娘。
 
偶然の引っ越し、転園、バイオリニストの友人との出会い、
竹でのこぎりを切ることにハマった娘。
 
全てが1本の線に繋がってしまった。
 
遠回り万歳!
 
みなこよ、これからも思う存分竹を切ってね。
 
 
 
 
***
 
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2022-03-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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