メディアグランプリ

まだまだ知らない世界がありました

thumbnail


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Seiko(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
子供の幼稚園入園前、多くの母は裁縫マシンと化します。
わたしも例に漏れずやりました。作りました。作りまくりました。
手提げ、体操服入れ、上靴袋、運動靴袋、コップ袋、ランチョンマット、ティッシュケース。
あと目隠しも。
下の子の出産直後、新生児を抱え、ひと月半かけて作りました。
裁縫……と遠い目になりながら。
既製品ではなく、全て母の愛のこもった手作りの物を。
という、丁寧な幼稚園でした。
それぞれにデザインとサイズの指定があり、しかし縫いしろの計算を間違えたりして、
いざ出来上がってみたらやけに袋が小さい……
けれど、裏地までつけたその作品を、ほどいて最初から作り直す気力も時間もありません。
娘よ、すまん……
他の子たちよりも一回り小さい手提げを、三年間使い続けた娘でした。
まつり縫いくらいまではなんとかなるけれど、まさかこんなに手の込んだものを作ることになるとは、
どんな試練よ……
子供だけがホイッと入園するわけではないのだなと、初めて知った私でした。
 
新卒で入社し、「パソコンは操作できます。文書作成も多少は」と言ったら
「では早速仕事を。その資料、ワードとエクセルで作ってください。
エクセルの数字は計算式でお願い。あ、そっちのはパワポで。
ここに見本があるので、参考にしてくださいね」
といきなり詳細に仕事をふられるようなものではないか?
 
当時はまだYouTube動画などはなく、
幼稚園小物の作り方が載っている実用書を買いました。
入園後、どの子も個性豊かな手作りの物を使っていました。
母たちの裁縫スキルに本当に驚きました。
手提げは指定された紺の布があり、その紺に綺麗に刺繍がしてあったり、
レースがついていたり、手が込んでいる……どこからその発想が……
新入社員のパソコンの経験値や、文書作成のセンスがそれぞれ違うように、
母の裁縫スキルも様々。
 
家の近所にあったその幼稚園は、「モンテッソーリ教育」を取り入れていました。
初めて聞いた時は、モンテッソーリ? と思いましたが、
それについての本を読み、共感する部分が多かったため、入園を決めました。
ものすごく簡潔にいうと、
「子供自身がやりたいことを、好きなだけ気の済むまでやることが大切」
というのが基本の考え方でした。
モンテッソーリの教材を使い、その日その時にやりたい事を子供自身が選び、それに取り組みます。それを「お仕事」と呼んでいました。
「今日はどのお仕事やろうかなー」という感じです。
全ての教材は数に限りがあり、人気の「お仕事」は順番待ちです。
時には何日、何週間、何カ月と、前の子が完成させるまで待つ必要があるものも。
それでも子供たちは楽しみにしながら待つのです。
そしていざ自分の番が来た時は、期待と喜びがMAXに膨らんでいます。
娘の場合、例えばそれはかぎ針で編む三角ストールだったり、
園児にしてはかなり本格的なものでした。。
娘の話を聞いていると、満を持して始めたそのお仕事をしている時間は、
「幸福感に包まれた」もののようでした。
周りの声や音は一切聞こえないのだそうです。
「お仕事」に集中している園児たちは殆ど私語をせず、
幼稚園児ってこんなに落ち着いて生活するものなのかと、保育参観の時は驚きました。
親たちが見ているので尚更だったのでしょう。
 
縦割り保育だったので、クラスは年長、年中、年少児がそれぞれ10人前後で構成されていました。
年下の園児たちは、お仕事にも、幼稚園での生活にも慣れた年長さんを見て、
憧れ、真似をして、たくさんのことを身に着けていくようでした。
そして、入園直後の年少児には、それぞれ決まった「お世話係」の年長児がいて、
朝の登園後の着替えから、何から何まで教えてくれて、気にかけて助けてくれるのです。
このシステムはすごいなと感心しました。子供には子供を。
大人の先生より、年の近い年長さんの方が、子供たちは緊張が少ないのかもしれません。
年長児も、入園したばかりの小さな年少さんがかわいくてたまりません。
年長になった時に娘がそうでした。
そして、先生は、子供たちのそばで静かに様子を見守っていました。
園全体に秩序がありました。
 
子育てでは「上の子をしっかり育てておくと、下の子の時に楽」と聞くことがありますが、まさにそれ。
その幼稚園版だと思いました。
 
そして、全てが「丁寧」でした。
先生方の子供たちへの接し方や、言葉かけも、大人に対するものと変わらず、
「~してくださいね」などのように。
その丁寧さがあらゆるところで一貫していました。
 
私の知っている幼稚園とはだいぶ違う世界でしたが、
子供にとって心地の良い場所だったようです。
 
入園前の小物づくり。
あんなに細かく指定されていたことも、その中の一つなのだと、自然と納得したものです。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~21:00
TEL:029-897-3325



2022-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事