メディアグランプリ

未婚シングルママ道を選んだ私は、全然関係ない外国人の一言に背中を押してもらい出産を決めたのでした!


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記事:mikkiharugon (ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
今年の春、私の娘が大学を卒業した。
この卒業は、私にとって大きな意味があった。
親としてというより、私が自分自身に決めていたことに対する区切りとして。
 
私は、23年前に未婚で子供を産み、一人で育ててきた。
 
今でこそ未婚シングルママは増えてきたらしいが、私がママになった当初、周りに未婚シングルママはいなかったし、離婚シングルママも少なかった。
 
今、当時を改めて振り返ることができることに心から感謝している。
こうして書ける場所を見つけたこと、そしてなんの偶然かそれが今年、つまり娘の大学卒業の年であったということ、にも。
 
娘を授かった時、私はお気楽なひとり者で、お付き合いしている人はいたが、
もともと結婚願望が薄く「将来の夢はコレだ」などと、ハッキリしたものもなかった。
ただ、根拠なき自信に満ち溢れていた勘違い女だったな、と思う。
ふんわりと、「いつか自分には素晴らしい未来が待っている!」というような。
 
そんななか、体調不良になってしまった。
 
ずっと気分がすぐれない。
なんとなくだるいし、実は軽い出血が続いていた。かれこれ2週間くらいは続いていたように記憶している。生理だと思っていたのだ。
その体調不良をかかえながら、なんと海外旅行まで行っていた。
友人の彼がドイツ人で、「一緒にドイツに行かない?」と誘われたのだ。
 
ドイツから帰っても体調がすぐれないままだったので、病院に行くことにした。
 
そこで妊娠発覚。そのうえ、ずっと続いていた出血は流産しかかっている! というのだ。
 
「えー! そうだったのー!」
人生で初と言ってもいい大衝撃を受けた。
 
さらに、お医者様が「産むのか、おろすのか、決断は数日内で決めてください。もう日にちがありません」と言われる。
 
「えー。そんな急に!」
ということで、もちろんすぐに相方に報告。
思ったとおり、彼は諸手を挙げて喜んではいなかった。
その時から二人の仲はちょっと雲いきが怪しかったのも事実。
 
さらに親は私たちの不仲の雰囲気を察知して、反対する始末。
周りはみんな、産むことに反対なのかな、と思っていた。
 
肝心の私自身は、というと
すごく不思議な気持ちだった。
 
子供が苦手で、どちらかというと嫌いだった。
自分が母になるイメージなんて将来像の中に全くなかった私。
 
でも……流産しかかっていながら、必死にお腹につかまりながら、無知な私のせいでドイツまで行ってしまい、それでもまだ私の中で生きている……と思ったとき、涙が出た。
 
だけど、当時私は試験勉強に専念するため無職だった。
周りは出産に反対する人たちばかり。さらに相方は結婚はしないという。
 
どうしよう、と悩んでいた。あと数日で決断しなければならない。
 
そんな時、友人のドイツ人の彼が日本に来ているというので、友人と3人で会うことになった。友人は私が妊娠していることを知っていた。
が、友人は私の相方のことも知っていて、出産には最初反対していた。
 
そのドイツ人の彼はカトリックだった、と後に聞いた。
私が妊娠していると言うと、
その彼は、即答で「素晴らしい!」と喜んでくれた。
言葉の通り、即、だ。
 
私は、びっくりした。
 
別にその人の親戚でもなければ、もちろん彼女でもない。
だけど、
「結婚する、しない、よりも、子供ができた、という事実が素晴らしい!」
と言ってくれた、その彼の一言が私を動かした。
 
「よし、産もう! この子と一緒に生きよう!」
 
こんな感じで、
周りは全面的に喜んでいるわけでなかったが、
全くのあかの他人、それも全然関係ない外国人が、感動して発した一言が私の背中を押してくれた。
 
あの時、産むと決断してよかった。
 
こんなにも人生を彩り豊かに過ごせたこと、娘との人生の1ページ1ページをしみじみと味わい、心から深く感動できる私になったのも、娘のおかげだ。
娘は、私の宝であり、人生を共に過ごしてきた同志でもある。
 
娘を産む時、私は決めた。
娘が社会でお役に立てる人となれるよう育てることが私のミッションだ、と。
そのために、私は、たとえ周りが反対する時も娘が進みたい道を歩めるよう全力で応援できる母になろう、と。
 
「東京の大学に行きたい」と娘が言った時、即答で「行きなさい」と言える自分になっていたことが嬉しかった。そして、この春、無事に卒業する姿を見ることができて、私は自分の卒業の時なんかより何倍も何倍も感動し、感無量という言葉の真の意味を身をもって知った。
 
私の23年前の決断は、今、このためにあったのだ、と思えた。
 
人生に起こることは、すべて意味がある。
道が分かれているように見えても、きちんと自分には行き先がわかっていて、そうなるように導かれているのだと思う。
 
だから、あの時、友人の彼が、あのタイミングでドイツから来ていて、私と会って、祝福の言葉をかけてくれたのだ。
 
だから、私は、この23年間、娘と共に泣きながら笑いながら、時々悩みながら、二人三脚で歩いたり走ったり、休んだり、そうやって過ごしてきたのだ。
 
ようやく一つの区切りなんだ、と思ったこの春。
23年前より図々しく、そして人にやさしくなった、と自覚している私。
さあ、次は、どんなことがやってくるかな、楽しみで仕方ない。
 
 
 
 
***
 
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2022-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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