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メディアグランプリ

絵を描くなら鉛筆を手作業で削るのが上達のコツ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:早藤 武(ライティング・ゼミNEO)
 
 
毎日使い慣れているはずの鉛筆で、僕は目の前のコップを描こうとしているはずが、全く思い通りに線が書けない困ったことになっていた。
 
小学校4年生の夏休みの宿題で、画用紙を3枚渡されて好きな絵を書いてくる課題を出されていた。
先生からは好きなものを描くように言われると何を書けば良いかと思ったけれども、とりあえず家にあるものを描いてみようと手を動かしてみた。
しかし普段から絵を描いていない私には目に見えている通りの線が書けなくてイライラしていた。
 
ちょうど仕事が休みの父親にどうしたら絵が上手く描けるのだろうと相談したところで遠回りをするようなことをやる羽目になってしまった。
 
「また折れちゃった! わざわざこんな少しずつ自分で削らなくても良いのに!」
 
僕は父親から教わりながらカッターナイフで鉛筆を削っていた。
どうしてわざわざ手で削るのかと聞いてみたけれども、やってみればわかるからと理由までは教えてはくれない。
 
今は便利な世の中になっているので、全自動で機械の穴の中に入れたら数十秒もかからないで綺麗な鉛筆が出来て文字を書いたり、絵を描くことができる。
しかし、私の父はあえて自分で鉛筆を削ってみるのが良いのだと、私はカッターナイフの力の加減をつかめないで何度も鉛筆の先の芯を折ってしまって、はじめからやり直しをしている。
 
1度や2度くらいの失敗ならすぐにできないものなのかなと思ってやり直しができていたのですが、芯を折る回数が10を超えたあたりで父親に向かって弱音を吐き始めてしまった。
 
「ああ! また芯が折れちゃった。父さんのお手本みたいにきれいに鉛筆を削るのがこんなに難しいなんて思わなかったよ。上手く速く鉛筆を削れるコツとかないのかな」
 
少しずつ上手くなっているから、口ではなく手を動かしていこうと僕に言葉をかけてくる。
 
僕は今のままでは、また鉛筆の先を大きく削り取ってしまうのをなんとかしたかったので、父が削るお手本を目を見開いてよく観察した。
 
何度もお手本を見ていると明らかに僕と違う動きをしていることを感じた。
自分とは何が違うのか、試しに自分の手元のカッターナイフを動かして鉛筆を少し削ってみる。
これまで失敗して芯を折ってしまったのと同じように、自分が思っているよりも大きく木の部分が削れてしまっている。
お手本の方は、まるでバナナの皮をむくように木の皮がはがれていくようにスッと鉛筆が削れていっているのに気がついた。
自分と父の動きに違いがあることに気がつけると他にも何かヒントがあるはずだと見ていると大きなヒントを見つけることができた。
 
僕は鉛筆を削るときにカッターナイフを持っている右手だけに力を入れて鉛筆の木から芯を削り取っていた。
しかし父の動きを見ていると右手に持っているカッターナイフの刃は、左手に剣を握るように持っている鉛筆の先っぽの部分に添えたところまでは僕と同じだった。
ここから違っていたのが、右手の力で削るのではなくて、鉛筆を握りながら自由になっている左手の親指をカッターナイフの刃の背の部分に置いて押し出していたのだ。
いきなり木の皮がむけるように鉛筆を削ることはできていないけれど、何度も刃を押し当てる角度を変えていくと力を入れなくても削れるようになってきた。
これは今までにない手応えだった。
 
「さっきよりも上手くできるようになってきたじゃないか。その調子で続けてみて」
 
やっと父親から褒められて嬉しくなって、先ほどうまくいった鉛筆の削り方の感覚を忘れないうちに何度も繰り返していく。
まだ慣れていないのもあって、速く鉛筆を削ろうとカッターナイフを動かしたときには芯を折ってしまうこともまだあった。
それでも今までになかった手応えを感じたのもあって、最初の気持ちの落ち込みはもうなかったのを感じた。
 
これなら父さんみたいに鉛筆を上手く削れそうだ。
 
ようやくきれいとは言えないけれども、見慣れた鉛筆の形に削り終わって達成感を味わえた。
 
3本ほど、練習に鉛筆を削ってから白紙の画用紙に鉛筆を走らせてみると機械で削った鉛筆よりも柔らかい線を描くことができた。
目の前の見たものを描こうと鉛筆を動かした時には、思ったような線が書けなくて何度も消しゴムで線を消して書き直しをしていた。
それに対して今度は何度か薄い線を描いてあたりをつけてから、これだと思った線を描く時には力強く線を描くと最初の頃よりもイメージした通りに線が描けるようになっていたのだ。
 
「すごい! 最初の時よりも絵が描きやすくなってる!」
 
僕が楽しそうに画用紙に鉛筆を走らせているのを横からニコニコしながら父親はじっと見ていた。
 
「ほら、遠回りに感じただろうけれど前よりも上手く描けるように近道できただろう? そしたら宿題頑張ろうか」
 
上手く絵を描こうと焦る気持ちがあると目の前のことには集中できなくなってしまう。そしてカッターナイフで鉛筆を削る経験が、鉛筆で自分の思った通りに線を描けるように助けてくれていた。
 
父の言う通り、何かを上手くなりたいと思った時には少し遠回りに見えることをコツコツ取り組むことが上達のコツのようだ。
それでもまだまだ父のようには上手く鉛筆を削れないので、また自分で練習してみよう。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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