メディアグランプリ

「決める」ことが幸せの連鎖を引き寄せる 


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:今村真緒(ライティング・ゼミNEO)
 
 
人生を楽しくするためには、何かに夢中になってみたり、様々なことに興味を持ってみたりすると良いよというのは、よく言われていることではないだろうか?
確かに生き生きと輝いている人達というのは、自分の好きなこと、得意なことに情熱を注ぎ、お会いすれば体全体から発せられるオーラにこちらが飲み込まれそうになる。引き込まれて圧倒されるだけでなく、ちょっとうらやましくなる。
 
そう感じるのは、自分とは違うとどこかで僻んでいるからだ。もし私が充実しているのならば、そんな風には思わないだろう。感心することはあっても、プラスのエネルギーが共鳴して気後れすることなどないはずだ。しかし、なぜかその人との間に境界線を引いてしまうのは、きっと自分には無理だと決めつけて、星を眺めるようにその人を仰ぎ見ているだけだからなのだろう。
 
私は3年前、20年以上勤務した職場を辞めた。きっと定年になるまで働き続けるのだろうと思っていたから、自分で決めたとはいえ予定外の進路変更に戸惑うことが多かった。平日に家に一人でいることが増え、以前とは時間の使い方が全く違うようになると、自分はこんな生活をしていても良いのだろうかと不安になった。初めは久しぶりにまとまったお休みをもらったような感覚だったが、次第に世間から隔離されたような、何の役にも立っていないような気がしてきて、自分の時間が止まったように感じ始めたのだ。まるで、退職後に家のソファでたそがれているお父さんのようだった。仕事を辞めたのは病気がきっかけだったので、今度は体調を考慮して短時間で週3日ほどの仕事をすることにしたが、それでも以前の生活との落差にお尻がゾワゾワするような居心地の悪さを感じていた。
 
そんな時に出会ったのが、天狼院書店のライティングゼミだった。正確に言うと、その前の年の入院生活中にすでに出会っていた。痛みが治まれば、あとはリハビリのほかにやることのない私にとって、ネットサーフィンは日課となっていた。たまたまその時に目にしたのが、ライティングゼミの広告だったのである。ライティングなんて今まで縁がなかったけれど、広告の「人生が変わる」という言葉がずっと頭の片隅に残っていて、再びネットに上がってきた広告に見ない振りをすることができなかったのだ。
 
「できるかどうか分からないけど、やってみよう」
そう決めて、ビクビクしながら申し込みをしたのが2年前の5月だ。はたして場違いではないのか、内容についていけるのか、全く未知の世界だった。4か月間のゼミでは、毎週2000字の課題提出とそれに対して講師の先生からフィードバックを返してもらえる。先生に合格を頂けると、天狼院書店のメディアグランプリというページに記事が掲載されるというので、早速掲載記事を読んでみると、皆さんとても上手い。すっかり委縮したけれど、何とか初めての課題を締め切りまでに提出し終わると頭が痺れたようにどっと疲れが押し寄せた。けれど、それは嫌な疲れではなかった。頭をカスカスになるまで絞って、決められた時間に向かって書き上げるという経験は、アドレナリンが出ているのか不思議な高揚感で満たされたのだった。このとき私は、下手くそでもいいから4か月間の全課題を提出しようと心に決めた。
 
「こうなったらいいな」と漠然と思うより、「こうする」と決める方が、最初の一歩が出やすくなる。私の中で「決める」ことは一本の矢が的の中央にビシッと当たる感じがするし、「思う」ことは何本もの矢があちこちに刺さっているようなイメージだ。
決めたら、できるかどうかは気にしない。そうすると、不思議と自分の中の雑音が気にならなくなる。シンプルにやればいいだけだから、心が軽くなって二の足を踏まなくなる。
 
そうして、私は今も毎週2000字から5000字の記事を書き続けている。締め切りまでに、毎回産みの苦しみがやって来る。ネタが思いつかない、オチの着地が決まらない。結局、何を書きたかったのかあやふやになる。そんなループに突入しては、何度も書き直し期限までに絞り出す。
けれど慣れとは恐ろしいもので、繰り返していくと書くことへのハードルが低くなった。悩みながら続けていると、課題が合格したり反応が貰えたりすると嬉しくなった。そしてまた何を書こうかと悩み、思うように書けなくて苦しむことの繰り返しだ。わざわざ自分の首を絞めて、何が楽しいのかと思われるかもしれない。けれどあのとき課題を全て提出できたことが、私の糧になったのは確かだ。最後まで全うしようと決めたことが、それからも私の背中を押してくれたのだ。
 
「決める」ことの効用を、近頃ひしひしと感じている。今月から、私は自宅でストレッチを始めた。運動を習慣にしたいと思っているのに、今まで満足に続いたためしがない。『自宅でできる○○』という本やDVDが、御多分に漏れず我が家にいくつもある。買っただけで、もう運動したような気持ちになって満足してしまうのだから始末が悪い。今回もいつまで続くかと自分を疑っていたが、ここで私は考え方をリセットした。やるかやらないか「決める」だけだ。現在3週間以上続いていて、そうモチベーションを上げなくても自然にやろうという気持ちになるので、きっと続くだろうと楽観している。
 
日常のささいなことでも然りだ。例えば、今日の晩御飯は土鍋でご飯を炊こうと決める。今度の休みの日に衣替えをすると決める。いつかしたいなとか、しなきゃなと思っているだけでは、なかなか実行できないことが誰にでもあると思う。決めるとそちらに向かってなぜか動いていく感じが面白く、楽しみながら自分で実験している。ついダラダラしてしまいがちな私にはこの方法が思いのほか効くことに気づき、達成するとまたやってみたくなるのだ。
 
決めることで私の幸せの連鎖は広がっていく。迷ってばかりいたら、あっとういう間に時は過ぎ去っていくだろう。私は先日50歳になったけれども、人生100年時代と言われるようになったこの世の中だ。50歳なんて、まだ折り返し地点に過ぎない。もし人生50年時代であれば、半分の25歳相当なのだ。ちょっとサンドウイッチマンのカロリーゼロ理論っぽいけれど、まあそうとも言えなくはない。
実質25歳とまで厚かましいことは言わないけれど、もっと人生を楽しむために幸せのループを回していけば、仰ぎ見るだけの人生は変化していくのかもしれない。
 
 
 
 
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2022-05-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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