メディアグランプリ

「感動」を奪うMOTTAINAIおばけ。

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:横山玖未子(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
皆さんの中にもきっといるMOTTAINAIおばけ。
今回、動画の倍速視聴と友人からもらったプレゼントから、わたしの気づきをご紹介します。
 
皆さんは、動画を視聴するときに、倍速再生をしますか?
最近「倍速視聴をする層が増えてきている」というニュースをよく目にします。
 
若者のテレビ離れ。
スキップするテレビCM。
待てない若者たち。
 
……など様々な見解が飛び交う中、20代後半のわたしも、やはり動画を見る際は1.5倍速~2倍速を選択してしまいます。
 
なぜ、人は倍速再生してしまうのか?
 
きっと、時間がもったいない(MOTTAINAI)という思考や、手っ取り早く結果を知りたい、無駄は嫌だ。という思考からきているのではないでしょうか。ちなみにわたしが倍速視聴をするのも、上記理由のMOTTAINAIおばけが原因です。
 
そして、「視聴」だけにとどまらず、ビジネス本や漫画も「速読」をよくしていました。
 
わたしは大の漫画好きですが、なかなかすべてのコミックスを購入するわけにもいかず、たまに漫画喫茶に行って、好きな作品をまとめて読みます。
 
漫画喫茶は、基本10分何百円~や、3時間●●円の料金体系。
関西人根性丸出しのわたしは、「行くからには、少しでも多くの漫画を読みたい!」
と意気込んで、漫画喫茶へと向かいます。
 
なので、少しでも多くの話を読むためにも、速読は不可欠。
アニメを見てハマった呪術回線も、東京リベンジャーズも、アニメの続きが気になります。原作の最新話まで追い付くために、必死ページをめくり、ときには粗く読み飛ばす箇所も。
 
そんなこんなで、数時間で十何冊を読破し、読み終えたあとは達成感と満足感に包まれ帰路に帰るのです。
 
しかしあるとき、ふと気づきました。「あれ、わたし漫画のストーリー、理解してる?」
 
「読み切ること」を目的にして、肝心のストーリーや、登場人物の心情への理解、なにより感動が薄れてしまっていたのです。
 
これはショックでした。大好きな漫画の醍醐味を、100%どころか、60%程度にしか楽しめていなかった。作家の皆さんに土下座して謝りたい……。
 
そして同時に、倍速視聴していた動画についても、「見た」だけでなんの「知識や肥やし」にもなっていないことに気付きました。監督や脚本家、演者の皆さん、関係者の皆さんが、心を込めて、命をけずって世に送り出した作品を、わたしはなんにも理解していなかった。倍速視聴という便利な機能の裏には、MOTTAINAIおばけが潜んでいたのです。
 
もちろん、ゆっくりな話し方や雑談、戦闘シーンや小難しい説明文など、「すこし長いなあ」と思う部分もたくさんあります。
 
でも、きっと雑談には、埋もれた知識が眠っているし、戦闘シーンのキャラクターの立ち位置に、物語の伏線が隠れていたりします。
 
一見、これは必要なのか? と焦りを感じるときこそ、いちど時間をおいて噛みしめてみると、思わぬ味を見つけることができるかもしれません。
 
無駄を嫌がり、シンプルが好まれる風潮ですが、
 
もうひとつわたしの中のMOTTAINAIおばけが出現していたのは、プレゼントのラッピング包装。撃退してくれたのは、学生の頃、友人にもらった手作りのマフィンです。
 
高校生の頃、クラスの女子の中で流行ったお菓子交換ブーム。
お菓子を渡すには、もちろん手渡し用にラッピングが必要です。お菓子を作るには材料費もけっこうかかるので、合理的なわたしは、いつも100円ショップでシンプルで無難なラッピング包装紙を使用していました。
 
今思えば、「コスパも良いし、これでいいや」くらいの気持ちだったのです。
MOTTAINAIおばけの登場です。最初はやりたくてはじめたお菓子交換も、いつの日かわたしにとって義務になり、とにかく「配る」ことだけが目的となっていました。
 
ある日もらった友人にもらったマフィンには、とても可愛い装飾がしてあり、なんと手書きのメッセージカードまで同封されていました。わたしは、そのプレゼントに対する力の入れ具合に、度肝を抜かれました。
 
「こんなにするの!?」
と、思ったと同時に、嬉しかったのです。
可愛らしい柄の袋も、リボンの装飾も、食べ終わったら捨ててしまうものですが、もらった瞬間が、とても嬉しかった。
 
そんな手の込んだことをしてくれた友人に、ありがとうという気持ちを持ったし、今までの自分のプレゼントに対する心意気が恥ずかしくなりました。
 
シンプルでお得なラッピングを使うことはあっても、ひと手間なにか加えると、一気に特別感が増す。そのひと手間は、わたしにとって手書きのメッセージでした。
 
無意識のうちに現れるMOTTAINAIおばけ。
あなたの周りにも潜んでいませんか? 忙しい毎日の中で、焦って「無駄」とジャッジする前に、「どうやったら自分や相手にプラスになるか?」を意識して行動することが、一番の撃退法かもしれません。
 
 
 
 
***
 
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2022-05-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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