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高いカメラで撮りたい写真がない問題


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F(ライティング・ゼミNEO)
 
 
「今日、絶対に撮りたい1枚を思い描いてください」
……と、言われましてもねぇ。
 
天狼院書店の写真イベントに行くと必ず聞かれるが「そんなもんわからない」と正直思っている。
それは名古屋から京都にまで行って参加した『パーフェクト・ポートレート講座』でも同じだ。
宝ヶ池公園を舞台にプロカメラマンの中尾先生に指導いただく回だったが、やはり撮りたい絵は思いつかなかった。
だから、その場の雰囲気に合わせて適当に撮るいつも通りのスタンスで取り組んでいた。
 
しかし、それではダメなのだろう。
見返しても恵まれたモデルとロケーションから首を傾げたくなる写真しかなかった。
一緒に参加していた高級車レベルの機材を持ち込んだ方は芸術作品を撮っていたというのに。
ここまで差を見せつけられると、やる気に中々のダメージを受けてしまう。
 
ああ、そういうことか。
思い切って高いカメラを買っても結局ほったらかしにしてしまい、最終的に興味を持った友人に受け渡すハメになる現象。
このキッカケは、ここにあったのか。
 
そう、私はカメラを買って満足していたのである。
衝動買いだったから「撮りたい」という強い意志はなかった。
だからなんとなくの撮影しかできないのである。
そして当然、写真もそういうクオリティになるため段々とモチベーションも落ちていく。
こうして押し入れの中にカメラが移動していくわけだ。
 
これが初心者の多くが脱落する最大の原因「撮りたい写真がない」問題か……。
購入してから半年、ついに私も直面することになってしまったようだ。
まあ、まだカメラに費やした金は10万くらいである。
だから今のうちに辞めた方が被害は最小限で済むだろう。
しかしそれはそれで悔しい。
でも撮りたい写真もないしなあ……。
イベント終わりに京都の街を歩きながら、ずっとウジウジ悩んでいた。
 
しかし、さすが京都である。
情緒あふれる景色は思考力も普段の数倍向上させるようだ。
おかげで30分ほど歩いた頃には答えを導くことができた。
 
そうか。
これは初心者がぶち当たる問題ではない。
むしろスタートラインに立ったことを証明する現象なのだ。
 
その理由は撮りたい写真が思いつかない理由を考えればすぐわかることだった。
要は、見ていなかったのである。
思い返してみれば京都の観光名所も、毎日歩いている通勤路も、ずっと音楽を聴きながら雑に歩いていた。
つまり周りに興味を持っていなかったのだ。
その状態でカメラを持っても意味がないのは当然である。
撮りたい気持ちが湧くわけないのだから。
 
だから、気づいた時が始まりなのである。
10万円という安い物でも家計に大打撃を与える道具を買うことで、今まで何も見ていなかったことを自覚し反省する。
この意識改善こそ、カメラを買う最大のメリットなのだ。
 
実際、講座の中でも中尾先生や高級車級の機材を買った人が「とにかく毎日写真を撮れ」とアドバイスしてくれた。
これも周りを見る目をまず変えろということなのだろう。
確かに死んだ魚のような目で歩いていたら、景色も腐って見える。
だからカメラを通して直視することから始める必要があるのだ。
 
改めて京都の街を見てみる。
気が狂いそうだ。
ここまで情報量が多いとは思っていなかった。
どの部分を切り取るか。
何を主役にすべきか。
街を歩いている人がどこに配置されるとエモいか。
考えることが多すぎて吐きそうになる。
5分しか歩いていないのにもうヘトヘトだ。
 
しかし、これは今までどれだけ雑に周りを見ていたかの証明でもある。
今まで使っていなかった脳を酷使したら、こうなるのも無理はない。
だが、これは楽しい疲れだ。
なんてったって、原因が世界の綺麗さにあるのだから。
空も広告も人々も皆、被写体として見れば作品になるのである。
こんな美しい風景を無視していたなんて!
 
だから、後は撮るだけなのである。
そうすれば段々と欲求が膨れ上がっていく。
カメラも100万円超えの性能が欲しくなるだろう。
モデルさんも撮りたくなるだろう。
そうやって、みんな上手くなっていったのだ。
 
そして京都まで遠征することで、ようやく私もスタート位置に立てた。
これからはアドバイスに従い、毎日カメラを使う習慣をつけていこう。
被写体は通勤路をちょっと変えればいくらでも見つかる。
さらにウォーキング量も増えて健康によい。
なんと素晴らしい趣味だろう。
この日々を過ごした先に撮りたい写真を断言できる自分もいるのだから。
 
初心者がぶつかる問題に私も出くわした。
ならば、後は解決すればいい。
その先にある素晴らしい作品を信じて、精進していきたい。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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