メディアグランプリ

好きなことをやることが人生である。


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記事:原 知子(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
私の母は今月80歳を迎える。
その母が20年ほど、通い続けている習い事がある。
歌のレッスンである。
 
何年か前に母が所属している音楽教室が新聞記事になったことがある。
ちょうど生徒さんたちの発表会の日に取材がきていた。
内容は、高齢者が好きな趣味を持って元気に生きることについてのものだった。
 
好きなことをやることが人の生きる目的なのでは。
そう最近は母をみていて、感じる。
 
健康寿命という言葉がある。厚生労働省によると「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
平均寿命と健康寿命の差がないことが理想である。平均寿命と健康寿命の差は「不健康な期間の長さ」を意味するのだ。
社会負担や医療費の負担を軽くするということもあるが、健康である期間が長ければ長いほど、本人にとっても、幸せである期間も長くなると考える。
 
母の話に戻る。
5年前に外で転んで肩を骨折した。
当時、母は翌月に予定されていた歌のコンサート(発表会)への参加を楽しみにしていた。
そのため、病院の先生にそれまでに治したいと言っていた。
先生もそういう前向きな気持ちがとても大事だから、治療を頑張りましょうと言ってくれたそうだ。
好きなことをやっているとその目標に向かってエネルギーが出ると思う。
実際、体の機能を回復させるために、運動を好きではない母も治療とリハビリを頑張って取り組み、コンサートで歌うことができた。
 
好きなことは何でもいいと思う。
それはできれば複数あったほうがいい。
趣味を持つとか大げさに考えなくてもいい。試しにやってみて、面白くなければ、やめてもいいのだ。三日坊主万歳!むしろ三日もやってみたとはすごい。
 
近年コロナ感染症というもので社会活動が大きく変わった。
社会人の人達もリモートワークの普及で家で過ごすことが多くなった。
 
外出しなくても大好きな何かに囲まれていれば、生活は楽しい。
私は旅行が大好きだが、遠出は厳しい日々があった。
そんな期間でも毎日でも聞いても飽きない音楽があれば、それを家で楽しむことができる。
料理が好きであれば、今までよりもっとたくさんのレシピに挑戦することも可能である。
ガーデニングが好きであれば、より時間をかけることもできる。
大好きなものを収集して、それを毎日眺めるのもいい。私には収集しているものは特にないが、大好きな絵や写真を時々眺めるととても幸せな気持ちになる。時間も忘れて、見続けてしまうことがある。
 
母は音楽が好きなので、家でCDやラジオを楽しんでいる。
歌のレッスンではカンツォーネやシャンソンを主に習っている。その分野の有名な歌手の音楽は良く聞いている。クラシック音楽が好きでテレビのコンサート中継なども楽しむ。また、読書も好きなので本も読んでいる。
毎日の日課としては、町内の坂の上から見える富士山の写真を撮影すること。それを買い物のついでにスーパーで現像している。
 
コロナの緊急事態宣言中でも近くへの散歩などは推奨されていた。軽い運動にもなるし、外出は心も体もリフレッシュできる。
 
身近に楽しめるものがあると一石二鳥となる。
 
料理が好きであれば、スーパーに買い物にいけば気晴らしになるし、歩くので運動になる。次は何をつくろうと考えながら、スーパーにならんでいる食材をみると刺激される。そしてその食材を使って、こんなふうに味付けして、蒸したら美味しそうとか想像して、わくわくする。それを美味しく食べている自分や家族を思い浮かべて嬉しくなる。
 
高齢者は年を経るにつれて、外出の機会が減っていくそうである。
それにより人との交流も少なくなり、家にいることが多くなる。
その世代になったとしても、好きな物事があると自分から出かけていこうという気持ちが強くなる。
私の母のように肩を骨折しても、発表会で歌いたいから早く治したいという欲求が湧いてくる。
 
何かを始めようと考えるときに、自分の内側からやらない言い訳が聞こえてくることがある。私の場合は特に年齢を理由にしがちである。
まずは軽い一歩を踏み出す。それは、関係する本を買って読んでみるでもyoutubeを見るでもいいと思う。それだって、一歩である。一歩は人によって違うのだ。本を買うのだってどれにしようか考えるし、お金も必要である。これが後で大きな一歩になるかもしれないのだ。興味のある習い事があれば、インターネットを検索して毎日いろいろなサイトを見続けてみるのも一歩だ。
 
できる環境の中で、一歩かかわりを深めてみる。
そこから始まって、その人の人生の一部として肉付けされる。
私の母は最近、転んで頭を打って病院で検査したが、特に問題がなかった。
コロナもあって外出も少なくなっていると思うが、歌のレッスンに通い続けている。
外出して電車に乗るし、コンサートの参加も楽しみにしているので、それが生きがいとなっていると思う。
 
母にはこれからも元気で好きな歌を続けてほしいと願う。
そして、好きなことをやることは人生そのものである、とやっぱり思う。
まずは自分の心の声に素直になって、自分を楽しませていくと最終的には健康寿命も延びていくと考える。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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