メディアグランプリ

出来立てチーズが一番ならば旅をするには十分な理由だ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
私は天狼院書店の常連になっていた。
一番人気のライティング・ゼミをなんとなく受けたのが始まりだったが、今はニヤニヤしながら課題の2000字文章を書いているし、更にカメラを購入してそちらの講座も受けている。
おかげで年間の出費は目を覆いたくなるほど悲惨な額を計上してしまった。
休日も8割は天狼院書店に入り浸っているだろう。
自分で言うのもなんだが、結構な上客だと思う。
 
しかし今回通信で受けた『上手に酔うためのワイン・ゼミ』は、これまでで一番モヤモヤした講座だった。
文字通りワインの話だが、今回は渋谷の大人気チーズ店「CHEESE STAND」とコラボしている。
それゆえチーズとのマリアージュについて解説があり、内容は面白かった。
 
問題は、現地で実際に紹介されたワインとチーズを試食しているということである。
つまり本講座では皆が美味しそうに食べている様子をずっと見せつけられているのだ!
しかもである!
「CHEESE STAND」の藤川さんが「チーズは出来立てが一番美味しい!」と言いながら目の前でチーズを作っていやがるのである。
こんなもん、行かなきゃ無理ではないか!
なんという拷問だろう!
名古屋に住んでいることがそんなに悪いのか!!
そう呪いながら渋谷で開催されたその講座を妬ましい目で睨みつけていた。
 
しかし、この感情はすっかり忘れていたことを思い出させた。
出来立てが美味しいという事実である。
最近は名物がネットで買える時代だ。
沖縄の黒砂糖から北海道のアイスクリームまで、日本どころか世界の美味しいものが簡単に手に入る。
だから大抵のグルメが家にいながら楽しめると錯覚していた。
 
そしてチーズはその代表だろう。
高級スーパーに行けば様々な国の品々が並んでいる。
そのため最も手軽に良いものを味わえる食材に見える。
 
しかしそれゆえに、出来立てという言葉が結びつきにくい食べ物であることも事実だ。
大体が外国産だからモッツァレラのようなフレッシュチーズと呼ばれる代物でも、牛乳だったらアウトな時間の輸送期間を経なければ口に入れることは出来ない。
そのため何ヶ月か寝かした物を食べるイメージがこびりついていた。
 
だが考えてみたらチーズも、新鮮さが命の牛乳から出来ている。
ならば出来立てチーズが一番美味しいのは自然の摂理である。
なぜこれほど簡単なことに今まで気づかなかったのか。
講座で一番有意義だった発見である。
 
そしてこれは同時に、ある欲求を思い出させた。
旅をしたい。これである。
あの憎き奴のせいで引きこもりを強いられていたが、今回の講座を聞いてもう我慢ならなくなった。
終わってからすぐお盆の帰省ルートに渋谷を追加したほどだ。
さらに鈍行電車しか乗れない青春18きっぷだけで名古屋から実家の秋田まで3日間かけて行く地獄ロードも同時に確定させた。
 
もちろん普通は飛行機を使う。
片道1時間だからだ。
しかし長い期間の休みでは、なぜか青春18きっぷを利用してしまう。
その理由が自分でも謎だったが、今回の講座ではっきりした。
 
私は、出来立てを求めていたのだ。
だから途中で東京と仙台に泊まり、もはや飛行機を使ったほうが安いレベルで食べ歩きをしていた。
それもこれも、現地でしか味わえない新鮮なものを堪能するためだったのである。
 
そう考えると、出来立てが食べたい。
これで十分立派な旅の目的に見えてきた。
 
実際、「CHEESE STAND」の出来立てはすごいらしい。
なんせあの大都会渋谷の店舗に牛乳のタンクローリーを呼んでいるのだ。
そいつを使って朝の3時から仕込んで新鮮なチーズを作っているという。
このクラスの品を食べられるのは日本では指で数えられる程度しかないだろう。
だから帰省時に渋谷に寄ることは誇るべき旅の目的といえよう。
 
そして落ち着いた今、多くの人々がこの欲求を解放していくだろう。
宅配で届くグルメも最高だが、やはり現地で食べる一品には勝てないのだ。
これらを求めて、多くの名物店がごった返すはずである。
 
私もその1人として、今年の夏ははっちゃけたい。
もう3年以上は行けていない仙台の馴染みの店には絶対寄ろう。
だが東京で行きつけのワインバーも捨てがたい。
なんなら本で読んだあの店もこの店も行きたい。
出来れば東京に1ヶ月出張したい。
 
長い冬が明け、ようやく自由に動き回れる時が来た。
だから私も全国の出来立てを求め、旅をしていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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