メディアグランプリ

「働くことに疲れたら、しばらく休んで好きなことをしてみることのススメ」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:清野千聖(ライティング・ゼミ特講)
 
 
「もう働くことに疲れたから、しばらく好きなことをして生きていこうかな」
そう思い、昨年10月末で仕事を辞めた。
 
10月末まで働いた仕事は市立図書館の司書職である。
やりがいはあったが、当時52歳の私にはとても過酷な労働だった。
はたから見ると、カウンターで落ち着いて仕事をしているように見えるだろうが、実際働いてみると、貸出した本を元の位置に戻す作業を始め、仕事はかなり幅広く、大変な仕事だったのだ。
ずっと夢だった図書館司書の仕事はたった7か月で辞めてしまった。
 
今までどれだけの職場で働いただろう?
指折り数えてみたが、10本の指では足りないほど数えきれない……。
大学卒業後、出産・育児をした約3年を除いて、ずっと何らかの仕事に就いてきたから、一旦思い切って休んでみるのも良いかもしれない。
そう思い、今まで出来なかったことをやってみた。
 
まずは、47都道府県制覇である。
若い頃から旅が好きで、日本各地や外国を旅行してきたが、「佐賀県」「鳥取県」をまだ訪れたことがなかったのだ。
無職の身分だから贅沢は出来ないと思い、格安航空券チケットを購入し、宿泊は一泊2000円程度のゲストハウスにした。
ひとり旅は思っていたより自由で楽しく、旅先での多くの出会いもたくさんあった。
制覇し終わった後はどうしようか……。
炭酸水の酸が抜けたように、気が抜けてしまった。
 
好きな作家の小説を図書館で借り、今まで出来なかった読書にも励んだ。
小説家のように人の心を揺さぶるような文章を書いてみたい。
 
おやっ? 天狼院書店の「人生を変えるライティングゼミ」があるぞ!
4か月で16回の課題を提出し、フィードバックを受けられ、合格ならばWebにアップされるようだ。
 
「私って、学生の頃から文章書くの好きじゃん。だから大学は文学部を選んだじゃん」
心の声が聴こえ、受講してみた。
 
毎週課題を提出するために、日々、自宅のデスクトップパソコンに向かい、ネタを考える。
面白いネタがないかなあと喫茶店に入り、あえて二人組の訳ありの客の近くの席を選び、話を盗み聞きしたこともあった。
婚活アプリの婚活が流行していると聞き、訳あってシングルマザーの私はチャレンジしてみたが、無職であることをマッチングした男性に非難されたり、人格を否定されたりして、すぐやめてしまった。
更には、天狼院書店の「秘めフォト」に参加した。
「私の裸体はまだ自信を持って良い」
被写体を見て、ポジティブに物事が考えられたのか、4歳年上の男性と出会い、お付き合いすることができた。
 
でも、月日がどんどん流れていくうちに、働いていないことで、このまま社会復帰できない不安感に襲われた。
 
気付けば、もう2022年5月を過ぎてしまい、退職して半年以上が過ぎた。
 
「好きなことをするって決めたじゃない?」
そう自分に言い聞かせて、思いっきり好きなことをしてみたのに……。
心のどこかで「働いていないこと」で罪悪感に苛まれた。
貯金も尽きてきた……。
いざ、求職活動をしてみるものの、中高年層の私を採用してくれる会社はなかなか見つからない。
求人がある会社へ応募するために履歴書を書き続けでは、不採用通知を見て、時に一人で涙を流した。
仕事を探すことに億劫になっていたところ、救いの神が現れた。
何年か前に登録していた派遣会社からの仕事の紹介があったのだ。
「2022年7月から来年3月までの予定ですが、簡単な事務の仕事を引き受けていただけませんか?」
「行きます! 行きます!」
二つ返事で引き受けた。
8か月の休職期間を経て、私はまた仕事をフルタイムで始めることになった。
「働きたくなくなった」から「働きたくなった」のである。
 
さて、これからは仕事以外の私生活で何を目指そうか?
また心の声が聴こえた。
「日本各地の島めぐりはどうかな?」
今、鹿児島県の桜島からスタートし、北海道の礼文島まで目指している自分がいる。
 
これからの人生、どれだけ生きられるかは神のみぞ知る。
いつ何時病気になるかわからないし、事件事故に巻き込まれて、いつ死を迎えるかはわからない。未来なんて決められていないのだ。
だからこそ、今、自分にできることを自分で切り開いていくしかない。
 
7月から新しい職場で働いて辛くなったときは、働かなかったこの8か月を思い出して、今までのように嫌になって自ら退職することがないように頑張ってみようと思っている。
そして、休日はリフレッシュし、好きな旅行をできる限りしていきたい。
またいつか働くことに疲れて仕事を辞めたら、しばらく休んでみても良いかもしれない。
 
人間は失敗する生き物だから、何度失敗しても、また立ち上がればいい。
仕事を辞めて、好きなことを目いっぱいやったことは、人生の中で決して無駄な期間ではなかったのだ。
これからは、夢や希望や目標に向かって走り続けるのではなく、他人と自分を比較することがなく、頑張らないでみようと思っている。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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