メディアグランプリ

そうだ、ゲレンデに行こう!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小田恵理香 (ライティングゼミ4月コース)
 
 
私はスノーボードが大好きだ。
子供ができてから少し回数は減ったものの、冬になれば週末は毎週のようにゲレンデに通っていた。
ウィンタースポーツをしない人達からはよく言われる。
 
「毎週行くって、そんなに楽しいの?」
「寒いのに外に行くなんて……」
 
はい、でもめちゃくちゃ楽しいんです。
かという私も最初はこんなもの2度とやるものかと思っていた。
 
スノーボードに出会ったのは今から12年前。
当時交際していた相手から
 
「スノーボードに行こう」
 
と誘われたのがきっかけだった。
最初は全然気乗りしなかった。
あの板の上に足を固定されて坂を下るなど鬼畜の所業としか思えなかったからだ。
だが相手に説得され、しぶしぶと行くことになった。
いざゲレンデに着き、レンタルしたものの何をすればいいのかわからない。
ブーツの履き方、板のつけ方なんかもわからない。
その上にいきなりリフトを見て、どう乗ればいいのか軽くパニックを起こした。
相手もスノーボード初心者だがスキーには何回か来たことがあり、ゲレンデの勝手はわかる。この時点でもう私のやる気の木は枯れ木になりかけていた。
お互いに初心者ということで、無料のスクールに申し込んでいた。
スクールが始まるまで時間があり、軽く滑ってみようかとなったものの。
まずはリフトに乗り斜面の上に向かうのだが、このリフトもうまく降りることができなかった。挙句の果てに周りの見よう見まねで板を履いてみたものの、立つことができない。
派手に転倒する。身体が痛い。
滑ることができないのでただ人間ボードになって雪の斜面を滑り落ちていくだけだった。
 
「これの何が楽しいんだか理解できない」
 
だがもうすぐスクールの始まる時間。教えてもらえばなんとかなるだろうと思っていた私に事件は起こった。
私が休憩所で休んでいるうちにレンタルしていた板がなくなっていた。
板がないとスクールには参加できないと言われてしまったのだ。
今いる休憩所は山の中腹。
板は一番下までリフトで降りて借りるとしても、降りた時点でもうスクールには参加できない。
 
「終わった……」
 
そう思った。
 
「俺が代わりに行って習ってきて教えたるからな」
 
と彼は意気揚々とスクールに行った。
私は
 
「もうおうちに帰りたい……」
 
と半泣きで改めてレンタルしに行きスクールが終わるのをひたすら待っていた。
その後、スクールで板に立つことができるようになり、多少滑れるようになった彼氏が指導してくれはするものの初心者に産毛が生えた程度なので私は立つことができなかった。
時間が経つと自分も滑りたくなった彼は私を放置するようになり、吹き付ける雪とともに私も愛が冷め、冷めた愛は戻らずその後お別れすることとなった。
同時にもう2度とスノーボードはしないと決めていた。
そんな私がいかにして毎週通うほどにスノーボードにはまったのか。
 
きっかけは専門学校を卒業してから友人にスノーボード旅行に誘われたことだった。
スノーボードには良いイメージはなかったが、久しぶりに会うし、なんせ温泉地に近いゲレンデに泊りがけで行くというのだから温泉を楽しむつもりで参加することになった。
バスツアーの参加特典の一部にスクールの割引券がついていた。
この割引券が私の運命をがらりと変えることになるとは思いもよらなかった。
同じく初心者の友人もいたこともあり思い切ってスクールに参加することにした。
スクールでは靴の履き方から始まり、道具の使い方、鍵の使い方、ゲレンデでのルールや怪我をしない転び方などを教えてくれた。さらにリフトは慣れるまでスピードを落として初心者仕様にしてくれた。
インストラクターの的確な指導もあり、私は晴れて板を履いて雪上に立つことができた。
アルプスの少女ハイジでクララが立った瞬間。
それと同じぐらいの感動があった。
同時に見えた景色。
真っ白な雪の斜面、拡がる銀世界。
そして山から見下ろす景色は何とも言えない感動があった。
立つことができた私は滑り方を教わる。
曲がり方、スピードのコントロールの仕方、ブレーキのかけ方を的確に指導してくれる。
白銀の斜面を自分の思うままに疾走するという、非日常的な感覚に虜になるのは時間がかからなかった。
 
スクールもレベルによって違いがある。
全く初心者向けのコースもあれば、ある程度滑れるようになりもっとスピードを出して滑りたい人向けのクラスや、どんな斜面も滑れるようになるクラス、検定や上級者向けのクラスなど幅広い。
そして不思議なことに滑走する経験を重ねていくと新たな発見や技術が向上していくことを体感し、回数を重ねていくごとにどんどん楽しさが増してくる。
 
そしてスノーボードのもう一つの醍醐味。
ゲレンデは標高の高い場所にあることが多く、温泉やご当地グルメも多い。
たくさん動かし、冷えた体を温めてくれる温泉に浸かると何とも言えない心地よさがある。
米所の場所も多く、お米がとにかく美味しい。
付随して美味しい日本酒に巡り合えることも多く、日本酒に目覚めたのもスノーボードがきっかけだ。
このようにちょっとした旅行気分を味わえるのもスノーボード含めウィンタースポーツの醍醐味だ。
白銀のゲレンデに朝日が昇る瞬間もとても美しいし、雪が舞うナイター営業は一転して幻想的な雰囲気になり景色も楽しめる。
天候が悪い時もあるがそれも自然。
大自然の中で体を思いっきり動かして、ご馳走と温泉を堪能する。
だからこそ冬が来るたびに
 
「また行きたい」
 
と思えるのだろう。
最近は主要な駅まで行けば送迎してくれるゲレンデも増えた。
子連れの家族層を呼び込むために、キッズエリアや託児施設を充実させているところも多い。
スキーやスノーボード、ウィンタースポーツを始めたいなと思ったら、私はまずスクールに入ることを断然お勧めする。
インストラクターの教えはやはり的確。
安全に、楽しく滑るために、恥ずかしいなんて思わず受けてみてほしい。
その先には楽しいスノーライフがあなたを待っているのだから。
 
 
 
 
***

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2022-07-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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