メディアグランプリ

谷があるからこそ山がある


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小田恵理香(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
人生山あり谷あり。
谷があるから上っていく山がある。
その先に見えるのは絶景。
突然ですが
 
“人生曲線”
 
というワードを耳にしたことはありますか?
人生曲線とは主に自己分析に使われることが多く、一部の企業なんかでは研修で使われたりすることもあるらしい。
簡単に言うと、自分の人生の波を書き表したグラフだ。
縦軸を満足度、横軸を年齢として振り返ってみるというもの。
つい最近、私もこのワークに取り組むことになった。
私はまだこの世に生を受けて30数年。
困難があり落ち込んだりしていても私より人生経験を積まれた先輩方たちには、
 
「まだまだ若いから」
「人生山あり谷ありなんだから、これからもっと色々あるからね」
 
なんて言われることがあった。
けれど悩み落ち込んでいる時にそんな事を言われたところで
 
「いや、だったらどうすりゃいいんだよ」
 
とモヤモヤとしている自分がいたことを思い出す。
人生山あり谷ありって、人生には良いこともあれば悪いこともあるよと言われているようで私は良い印象は持っていなかった。
若い頃の苦労は買ってでもせよという言葉もそれに近い印象を抱いていた。
ネガティブに捉えていたのもあるかもしれない。
 
人生曲線の話に戻ろう。
私は言われた通りに方眼紙タイプのメモを用意し縦と横に線を入れた。
そこで過去の出来事を思い出しながらプロットしていった。
プロットしていくと気づいたことは本当に人生山あり谷ありなんだということ。
色々あったなと俯瞰して見ていた。
ただグラフにプロットしていくだけではせっかく作った人生曲線もただのグラフと化してしまう。
 
次に指示されたのが
 
「グラフの上下している部分に注目してみましょう」
 
だった。
特に大きく下がっている時や上がっている時にはどんなことが起こったのか、書き出してみるように指示された。
その上で谷から上がって行く時に何が起こったのかを書き出してみるように指示された。
ここで私はある事に気づいた。
あくまでも私の場合だが、受験や就職、転職などライフステージが大きく変わる時に私はずどんと谷を下っていた。
だがちゃんと山を登っていたのだ。
この山に登ったきっかけを思い出す。
私の場合は家族や友人、恩師たちの助けによって浮上していることが多いことに気づいた。
第一の波となる専門学校を受験直前に私は大好きな祖父を失った。
医療業界を目指しているにもかかわらず直面した“死”という現象を受け入れられず、同時にこの業界でやっていけるのだろうかという不安から成績が振るわなくなった。
引き上げてくれたのは付きっきりで補講に付き合ってくれた恩師の存在、励ましてくれた友人の存在、そして進学することになった専門学校の先生たちが助けてくれていた。
それをきっかけに奮起して合格することができた。
 
第2の波は国家試験。
国家試験に受からなければ、就職も3年間の専門学校生活も水の泡となる。
今思えば気持ちで負けていたのかもしれない。
ここでも私は成績が伸び悩み、国家試験を受けさせてもらえないという絶体絶命状態に陥る。だがここでも仲間に助けられて最後のチャンスを与えてもらい、無事最後の切符を掴み、国家試験に合格することができた。
 
第3の波となった転職時にも相談に乗ってくれた家族や友人がいた。
それをきっかけに自分が何をやりたいのか、どうしたいのか心の声と向き合い決断した。
 
俯瞰して見ると、引き上げてくれるきっかけを与えてくれる人や出来事があったこと、乗り越えていくとどんどん自分の満足度が上の位置にあることに気が付いた。
人間しんどいことはしたくない。
私だってずっと楽しくしていたい。
だが高速道路の運転でずっと平坦な道だと眠気が襲ってくるのと同じで、ただつまらないまま終わってしまうのではないかと思う。
 
毎週提出しているこのライティングゼミ。
講師の先生たちは
 
「ネタが切れてからが勝負です」
 
とよく言っていた。
もうネタが切れてしまい書き出すものがない。
ある意味谷を下っている状態。
だがきっかけを与えてくれたことにより、書くのが好きだという新たな気づきもあり私は再び山を登ろうとしている。
その先には大きい頂点が待っているのだろう。
 
そう考えると人生は山あり谷あり。
谷があるからこそ山に登ることができる。
谷から見える景色と山から見える景色も違う。
大きな谷山に焦点を当てたが、私自身小さな谷山もある。
1度きりしかない人生で失敗なく生きていくなんて不可能だ。
失敗から学んだこともたくさんある。
そしてその失敗や苦労があったからこそ山に立ち違う景色を見ることが出来ているのだ。
若い頃の苦労は買ってでもしろというのはこういうことなのか。
また山にいる時こそ気持ちを謙虚にしておけば、次の谷を迎えた時に最小限に留めることが出来る。
昨今は自暴自棄になってしまった人が目を覆いたくなるような出来事を起こすことが多い。
谷があるからこそ山がある。そこには絶景が待っている。
そんな気づきがあれば、自暴自棄になってしまう前に踏みとどまることができたのではないだろうか。
完成した人生曲線を眺めながらしみじみと感じたのだった。

 
 
 
 
***
 
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2022-07-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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