「長」としての責任を取ると、自信を持って伝えるための本。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:松下広美(ライティング・ゼミNEO)
「これはこうしてください」
「それは無理です、できません」
「いや、もう決めたんで。何かあったら、私が責任取りますので……」
言い終わらないうちに、被せるように今までの1.5倍速くらいの速さでまくしたてられた。
「いつも責任責任って言いますけど、何の責任を、どうやって取るんですか?」
それまでも何度か反論されたこともあって、なだめてきた。
ときには、強い言葉で抑えることもあった。
係長としての責任を取れば、それでいいと思っていた。
係長、といっても、5人くらいの部署の「長」というだけで、部下と言えるほど偉いものではなかった。ただ、その部署にいるのが一番長いだけで、同じ係内の人たちは年上の人ばかりだった。周りには敬語を使ってるし、いちばん年下の「係長」だった。
「長」という立場をもらったけど、仕事が変わるわけではなかった。部署の代表として、ずっと会議にもでていたし、シフトをつくったり、課長への報告をしたり、トラブル対応したり……、中間管理職なんて、雑用が増えるだけだ。
そんなふうに思っていたけれど、立場が変わると数字がついてくる。
いろいろと部署内のメンバーに無理を言わないといけない場面も出てくる。課長から下りてくるものをそのまま、ではなく、これならできると自分でも納得してから受け渡すようにはしていた。
できなければ私が責任を取るから、といつも付け加えるようにしていた。
「長」である私が、ちゃんと責任を取ればいい、と思っていた。
でも、部下であるメンバーには、私は言葉だけで何も考えていないと思われてしまっていたのだ。
結局、その場では私も頭にきて、売り言葉に買い言葉で返し、責任を取る取らない、で言い合いになった。怒りすぎていて、何を言ったかまで細かいことは覚えていないのだけど、同じように早口で言い返し
「私が責任取るんで、やってください!」
そう言い放って、仕事に戻った……気がする。
なんで「責任取る」って言っちゃダメなんだろう。
かわいがってくれていた別の部署の上司が言っていた。
「俺が責任取るから、やりたいようにやればいいんだ」と。
その言葉がとてもかっこよくて、そうか、自分が責任を取ればいいんだ、と真似をしてそのまま使っていたのだ。
部署の「長」が責任を取る。
そう言っちゃ、ダメなんだろうか。
思えば、「長」がつく立場になる度に、うまくいかなくなることが多かった。
同じように接しているつもりでも、離れていく友達がいたりした。
この係長になったときだって、少し強く言っただけで「パワハラ」と言われることもあった。
ちゃんと責任を果たそうとしているだけなのに、やってほしいことを求めているだけなのに。
もう「責任を取る」という言葉を使うのはやめよう。
このトラブルから、使うことをやめた。
当たり障りがなく、周りのご機嫌をとる。
同調するように、みんなと過ごす。
厳しくするのではなく、優しくしようとした。
ただ、それもうまくいかない。
今度は、周りの部署から「ちゃんとしろ」と、責められてしまう。
いま思うと、適した「マネジメント」ができていなかったんだと思う。
「目的」をはっきりさせることができず、自分自身がやるべきことを見失う。
なんとか目的を定めることができて、いざ、実行しようとしても周りの態度に左右されすぎて、浮つく。
結局、何がしたかったのかが、わからなくなる。
「いま思うと」なんて書いてしまったけれど、「いま」だってどうすることが正解かなんてわからない。係長から店長という立場になった。「長」がつく立場というのは変わらない。
「責任」という言葉を自分で使わなくなった代わりに、周りから「責任を果たせ」と言われることが増えた。
やはり「長」としての「責任」は背負っていかなければならないのか。
そんなときだった。
【無能認定】
そんなタイトルでの投稿がされた。
圧倒的な自信を持っているように見えていても、内心ではいろいろ考え、そして傷ついていた。
私が傷ついているのはかすり傷くらいで、社長という立場はめった刺しにあっているくらい傷ついているんじゃないか、と思った。
社長も迷い傷ついているのか……。
私たち他のスタッフに悟られないようにしているだけなのか、と心が痛かった。
その投稿を読み進めていると、「迷えるリーダーのための天狼院BOX」が発売されるという。
リーダー、「長」がつく立場、というのは常に迷い続ける。
自分の行動が果たして正しいのか、間違っているのではないかと、考え続ける。
頭ではわかっているものの、ときには何かにすがりたくなる。
ときには上司、ときには同僚、そして本……。
あの頃は、年上の部下に言われてばかりだった。
今は、周りは年下の上司や同僚、随分年の離れたアルバイトばかりだ。
「私が責任を取ります」と覚悟を持っていうために、天狼院BOXを手にしようと思っている。
4代目天狼院BOXはこちらから詳細チェックできます?
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