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なんで 「なんで?」 って言うの?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:中尾静恵(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
何を聞いても 「なんで?」 って言う、「なんでマン」 がいる。
 
 
そりゃあ、この世の中、いつも不思議や謎がいっぱいだ。何年生きていても、わからないことだらけ。不思議や謎は、次から次へと出てくる。だから、何に対しても、疑問に思うことは当たり前だと思う。疑問に思うことから、学ぶことはたくさんあるし、疑問に思ったことが解決されると、知識として蓄えることが出来る。
そう考えると、「なんで?」 と思うことは、人が成長していくうえで、必要なことだと思う。
 
でも、なんでもかんでも「なんで?」 って言われると、こちらも答えに困る。
だって、答えられる「なんで?」 と、答えられない「なんで?」 があるから。
例えば、小さい子供に、「空はなんで青いの?」 とか、「海はなんで広いの?」 みたいな、大人にとっては周知の事実であることに「なんで?」 と言われると、本当に困るし、すぐには答えられない。
 
学術的だったり、大人の言葉だったりで説明できる人はいるが、小さい子供を納得させられる説明をできる人は、なかなかいないのではないか。説明に困って、「それはねー、お空の神様が青色にしたからよー」 などと、ファンタジー的に答えてみたり、「昔からそういうもんだから」 と、ほぼ投げやりな回答をした経験が、誰しもあると思う。
私もその一人だ。
時には、ちょっと知っている知識をひけらかしたこともあるが、「じゃぁ、それはなんでなん?」 と、なんでなんアリ地獄に捕まってしまったりもして、ほんと子供の「なんで?」 対応には手を焼くのである。
もちろん、答えられないのは、そもそもこちらの知識不足と言う場合もある。たが、それは調べることによって、解決できることもあるし、調べることによって、こちらも知識を得ることが出来る。もしかしたら、そこから子供が興味を持って、自分で調べたり、勉強したりして、博学になる可能性もある。そうなれば、「なんで?」 がWin-Winの関係をもたらしてくれる。
 
 
そんな小さな可愛い「なんでマン」 なら、まだ全然いい。むしろ、大歓迎だ。
しかし、もっとやっかいな「なんで?」 が、身近に存在する。
その相手は、小さな子供ではなく、半世紀を生きた、いい大人だ。それが最も手を焼く 「なんでマン」 だ。
 
 
世にある不思議や謎、疑問に対しての 「なんで?」 には、こちらもなんとか対応しようと試みる。だが、そのやっかいな「なんで?」 は、答えようがなく、そもそも答えなんてない。
なぜなら、こちらが質問するという行為自体に、「なんで?」 と言われるからだ。
 
「今週はいつ休み?」 と聞けば、「なんで?」 と言う。
それならと、YesかNoで答えらるように聞き方を変えて、「明日は休み?」 と聞いてみるが、「休みやけど、なんで?」 と言う。
とにかく、こちらの質問には、徹底して「なんで?」 と言ってくる。質問に対する答えはなく、真意は「なんでそんなこと聞くの?」 なのだ。
挙句の果てには、こちらの行動にも「なんで?」攻撃が発動される。
 
「廊下に、なんで物置きっぱなしなん?」 →(荷物いっぱい持ってたから、後で片付けるつもりだった。)
「なんで寝てるん?」 →(しんどいから。)
「なんでお金ないん?」 →(そもそも収入が少ないから。とは、口が裂けても言えない。)
 
心の中で、「なんで、『なんで? なんで?』 ばっかり言うの!」 と叫びながら、絶対に解決しない「なんで?」 に対して、「ごめん」 と謝るようになっていた。それこそ、「なんで謝らなあかんの!?」 なのだが。
 
 
なぜ、なんでマンは、そんなに「なんで?」 を連発するのか。
 
子供が小さい頃、例えば、石を投げたり、人を叩いたりしたとき、「そんなことしたらダメでしょ!」 とか、「なんでそんなことするの!」 と言うふうに、叱ったことがあるだろうか。子供を叱るのは、本当に難しくて、感情的に怒鳴るのではなく、なぜしてはいけないのか、と言うことを、ちゃんと説明して納得させなければならない。
そこできちんと説明することのないままだと、自分のしたことに対して「なんで?」 と問われ続ける。でも、子供にはまだ説明できる理由がない。というか、理由がわからない。
また、子供が「○○したい」 などと、自分のやりたいことや意思を示したときに、しっかり話も聞かずに「なんでそんなこと言うの?」 などと言ってはないだろうか。
 
子は親の鏡という。本当に、子供は親の言動をよく見ている。そして、知らず知らずのうちに、同じ言動をするようになる。
なんでマンは、子供のころ、きっと「なんで?」 と言われ続けてきたに違いない。だから、何を聞いても、すぐ「なんで?」 と言うのだ。相手が答えられない「なんで?」 は、良好な人間関係を築けない。
 
 
そんななんでマンと、なんで結婚したのだろうか。この謎は、誰にも解けることのない、ミステリーだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-07-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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