タイムリミット９ヶ月！ 〜やりたいことリストに線を引くのをやめてみた〜
＊この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：岡部 みほ（ライティング・ゼミ４月コース）
私に残された時間。
残すところあと９ヶ月。
９ヶ月のうちにやっておきたいこと……
・沖縄に行ってみたい
・キャンプやってみたい
・グランピングしてみたい
・河原でBBQしたい
・釣りしてみたい
・軽井沢に泊まりたい
……次々に浮かぶ人生で一度も経験したことがないことたち。
７月も後半に差し掛かる今、夏という季節を全身で感じるためのやりたいことリストがずんずん積もっていく。
焦れば焦るほど、何から手を出していいか分からなくなる。
それなのに、雑誌を開けばキラキラと輝く目に新しいアクティビティたち……
やりたいことリストは、一つも消化されることなく、新しい項目を増やしていっている。
あと９ヶ月……。
最後の夏……。
９ヶ月後、私は、約５年におよぶ育児休業を終え、仕事に復帰する。
５年間仕事を休む。
それだけ聞いたら、人生の夏休みだ！ と思える。
スキルアップ、長期旅行、資格取得……なんでもできるような気がしてくる。
しかしそこはやはり、産後休暇であり、育児休業。
産後、身体もメンタルもボロボロな状態で初めての育児がスタート。
二人目は楽かと言われれば単純にそういうわけでもない。
上の子と下の子の生活リズムややりたいことの違いの中での育児。
まぁ楽なことだけではなかった。
それでも、上の子が４歳、下の子も２歳近くになってくると、この生活にも慣れ、楽しむ余裕も少しは出てきた。
一日中子どもとぐだぐだしていようが、
繁忙期をずらして旅行にいこうが、
平日の夕方からのゼミに参加しようが、
ある程度は自由だったこの生活。
終わってしまうのにはまだ早い……
まだまだやり残したことがたくさんある。
育休が終わったら、そう自由には動けなくなるぞ。
よし！
やりたいことをリスト化して、どんどん消化していこう！
やり残しがないよう、目一杯楽しもう！
少しの時間も無駄にせず、スケジューリングして詰め込もう！
やる気満々で作っているのに、なぜだか消化していかないリスト。
リストを見て焦り始める。あぁ、夏が終わっちゃうじゃないか。
夏が終わったら秋がきて、あっという間に冬がきて春になる。
時間がない……！！！！！！
そんな焦りを感じ、一日がすぎてゆく。
あぁ、今日も何もできなかった。
リストを一つも消化できなかった。
いや、でも今日一日、リストは減らなかったけど、
なんかいっぱい笑ったし、楽しかったよな？
これは無駄な一日だったのだろうか？
ふと立ち止まって考える。
あと９ヶ月。
９ヶ月で終わる。
一体何が？
人生が終わるわけでもない。
家族が離れ離れになるわけでもない。
２４時間３６５日仕事をするわけでもない。
確かに今までみたいに、自分と子どものペースだけで動けるわけではない。
”今日は一日家から出たくないわぁ”と思っても、仕事があれば靴を履いて外に出なければいけないだろう。
高くて混むけど、繁忙期にしか旅行にいけなくなるかもしれない。
平日のゼミは、仕事後には到底行くことは難しいだろう。
でも。
それが全てじゃない。
自分の人生なんだから、自由に調整できるはず。
やりたいこと、諦めなくていいはず。
人生を歩いていて、何か違うな？ 笑えてないな？ って思うなら、別の道を探したっていいんだから。
一つの場所に、すがりつく必要はない。
心の向くままに、正しいと思う方向に。
感じるままに、楽しいと思える方向に。
育休が終わったって、私の人生は続くから。
焦る必要はない。
時間に心を支配されて、ワクワクするはずのやりたいことリストが、タスク化してしまったら、「やりたいことリスト」ではなくて『やるべきことリスト』に変わってしまう。
それこそ時間がもったいない！
一日一日を、大切に。
今、やるべきことより、今、やりたいこと。
行く、見る、経験する、はもちろん素晴らしいけれど、何もしないこと、休むことだって、立派な「やりたいこと」になる。
やりたいことリストに書いたことが１００パーセント達成されなくたって、本当はきっと充実した人生が送れている。
毎日を笑顔で過ごせていること。
ふとリストに書いたことを思い出した時に、何か一歩でも行動に移していけること。
そうしていくうちに自ずと、書き出したやりたいことリストの優先順位が決まり、消化されていくはず。
目的は、やりたいことリストの全てに線を引くってことじゃないはずだから。
完璧を追い求めると、１００パーセントにすることだけに目がいって、足元を救われそうになる。
だから、心の余白を塗りつぶしてしまわないために、７割走行を。
９ヶ月後にやってくる、不安だけどワクワクする新生活を送る上でも、自分を見失わないために、言い聞かせたい。
７割走行中のある朝、アイスコーヒーを片手に、ランダム再生で音楽を流していたら、ある曲が流れてきた。
あ〜この曲、歌った歌った。懐かしい。
１５年前以上、合唱部だった高校生の頃。
あ〜歌いたい。合唱したい！
次の瞬間スマホを手に取り、近くの合唱団を検索している自分がいた。
早速見学の申し込みだ！
残り９ヶ月、いや、残りの人生、
私は、”今”やりたいことをやってみることにした。
たくさんのやりたいことリストと、余白から生まれるまだ見ぬリストをぶら下げて、子どもたちと手を繋いで、
さぁ明日は、何しよう！
＊＊＊
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