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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:たかむろシゲユキ(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
先週、名古屋の栄に行ったとき、ショーウインドーに映る自分にびっくりした。
「あれ、これ、なんか変だなぁ……」
ガラスに映っている私はかなりダサい。要は昭和風なのだ。なぜそう見えるのか。それが、わからなくて私のモヤモヤがはじまった。
 
私は自分では意外とオシャレをしたいほうなのだ、と50代になって知った。4年前まで住んでいた新宿御苑の飲み屋Aの店員キーちゃんから「今日もおしゃれ!」と言われることが続いたから。大したことはない。ジャケットにチーフを入れたり、胸元にラベルピンをワンポイントでつける程度なのに。そう言われて悪い気はしない自分がいた。
 
そんな私もここ3年でめっきりオシャレをすることは減った。コロナのせいだ。不要不急の用事もオンラインで済ませるので、リアルで会うことは減った。するとオシャレはしないし、なにより服を買わなくなった。それにオンラインワークではカメラに映るのは上半身だけ。下半身はほとんどジャージかパジャマといういで立ち。上半身はかつてのアウターを着回ししているだけ。正直、このまま立ち上がることなどできない。、超不釣り合いのコーディネートで仕事をしている有り様だ。
何が言いたいか。いつの間にか、ファッションセンスがダダ下がりになっていることへの危機感なのだ。
 
とはいえ、外出はたまにする。先週のこと。名古屋・栄のauショップに立ち寄ったとき、何気にショーウインドウでセルフチェックした。愕然とした。「なんとダサい……」。どうしたんだ、俺。なんか、わかんないがダサい。その理由がわからないのに頭を抱えた、というのが冒頭のシーンなのだ。
そこで60代のオヤジたちの身なりはどうなっているか、10分ほど立ち止まって眺めてみた。とはいえ余りの暑さに地上にはほとんど人影はない。地下街の階段を下りていくと、目に入ってくるオッサンたちの姿。
オシャレさんもいるが、総じて残念なオッサンのほうが多い。「ダサいオッサン」を観察しているとそのダサさの特徴が少しずつわかってきた。
 
目についた「あるある」はこうだ。まず上着がほとんどチェック柄だ。色みは赤・緑・黄に黒の格子柄が入っている。ズボンはGパン(今風ならデニム)かチノパン。シャツをズボンにインしているから、中年太りの人が多く、お腹がかなり出ているとかなりパッツンパッツン。お尻のあたりの生地はだぶついている。ベルトも幅広の本革で大きめのバックル付きだ。でもお腹がのっかっているからあまり目視できない。みなさん、リュックを担いでいて、なぜかペイズリー柄のバンダナを頭に巻いているのも多かった。
それに丸首Tシャツをわざとチラ見せしているのが気になる。
ここまで書いているだけで、ある意味、パーフェクトな「ダサいオッサン」ファッションを描けていると自画自賛。
では50代ばかりか……というとそうではない。若い人にもいる。それに気がついたのはコミックマーケットの会場に押し寄せる「オタクたち」風の身なりの30代~40代が、まさにこれに近いのだ。
 
20年前、企業がノーネクタイデーを導入したところ、その日に限ってにわかゴルファー姿であふれ返ったという新聞記事があった。それほど何を着ればいいかが、実は「わからないオトコども」は多い。
そもそもファッションは「TPO」で選ぶのは常識。しかしそれがなかなかできない・わからない。私は20代でサラリーマンを始めた時、自分の好みで選ぶととんでもない恰好になりそうなので、量販店の店頭にコーディネートされているスーツ一式を「そのまま購入」することを何度かした。
30代になり、店員さんに「シーン、目的、与えたい印象、予算」を軽くプレゼンして、一緒にコーディネートすることに方針を変えた。そのまんま購入ではファッション感覚が磨かれないことに気づいたからだ。
それと店員の接客対応も参考にしたかったことも、もちろんある。
「その色は合いません」「ネクタイにはストライプをいれましょう」などコト細かい指導に気分を害しながらもとても新鮮だった。なぜなら私の好みとするイメージがほとんど壊されるからだ。
 
さて60代になってどうか。
コロナだからリアルで会う機会も少ない。せめて自分になじんでいる・ちょっとワクワクするものを選びたい。もちろん、少し若く見えたいというよこしまな気持ちが芽生えるのも仕方ない。とどうなるか。気がつくとチェック柄、ボーダー柄を選んでいる自分がいる。それで襟を立てようものなら完全なオッサンなのに、そうでないと落ち着かない自分がいる。
 
「これって20代の頃の俺サマじゃないか……」
40年が経過して、2022年にタイムスリップしたオイラがいた。
どこかなつかしい。そして、いとおしい……中島みゆきの「時代」が耳奥で流れはじめた。
 
 
 
 
***
 
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2022-08-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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