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タンポンはいい薬です


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記事:淵江沙帆(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
みなさんはタンポンをご存じだろうか。
女性の方にとってはお馴染みかもしれない。男性はご存じないかもしれない。
タンポンは最近わたしに降り立った希代の発明品だった。
 
ご存じない方に説明申し上げたい。
タンポンとは生理中に女性が使用する、紐がついた吸水性の高い綿のかたまりのようなものだ。それを直接膣内に挿入して剥離した子宮内膜、またの名を経血を吸収させる。
 
同じようなものでナプキンという生理用品があるが、これは下着に装着するもので、体外で経血を吸収する。
 
以前の私はナプキンを使用していた。
だが、これが不快。不快中の不快だ。
 
3、4時間に1度、ナプキンを取り替えるとはいえ、真っ赤な血がずっとお尻に触れている状態になる。生理期間の1週間このような状態が続くために、お尻がかぶれてかゆくなる。
 
お尻がかゆい状態で学校の授業を受けなければならない。
お尻がかゆい状態で真剣な顔で会議に出席しなければならない。
お尻がかゆい状態で意中の男性とデートをしなければならない。
「好きだよ」とロマンチックに囁かれている間にもお尻がかゆい時がある。
 
お尻がかゆい時に限ってこまめにトイレに行けないものだ。
 
私は小学校4年生で生理が始まってからというものの18年間この不快なナプキンに耐え続けてきた。これが女性の宿命。女性に生まれてきて嫌なことの1つだ。その反面良いこともある。デートでは奢ってもらえることも多いし、ドアを開けてもらえたり、席を譲ってもらえたりもする。子供産めるのも女性だけだ。女性として享受できることを思う存分享受するのだから、悪いことは粛々と受け止めよう。そういうものだ。そんな感じで耐えてきた。
 
そんなある日だ。
マレーシアで生活する主婦友達がぼやいていた。
「マレーシアってタンポン売ってないんだよね。いや、売ってるんだけど紐が短くてさ。使いにくい。日本に一時帰国する時には必ず買って帰らなきゃ」
 
なるほど。この友達はナプキンでなく、タンポンを使っているらしい。
 
「ねえ。タンポンってどう?」思わず聞いた。
 
タンポンという存在を知ってはいた。不気味に紐が垂れ下がった綿のかたまりを体内に挿入しなければならないのだ。怖い。雑菌が体内で繁殖したらどうするのだろうか。子宮や子宮頸に重大な悪影響があるのではないか。
 
そう思い、ナプキンを不快ながらもタンポンに手を伸ばしてはいなかった。
 
 
「え? すごい快適だよ。最初はタンポンを挿入するのに手間取るけど、慣れたら簡単に挿れられるし。4時間に1度交換するかな?経血が多い日はもっと高頻度に取り替えるかもしれないけど」
 
「私も使ってるよ」
 
なんと、その場にいた主婦友は皆使用していた。
 
「全然大丈夫だよ。ずっと使ってるけど病気になってないよ。使い方を間違えなければ、ナプキン特有の痒みもないし、快適よ」
 
 
タンポンの使用者が身近にこんなにもいた。
これほど心強いことはないだろう。今まで怖くて手を出していなかったが、自分で一度も試していないのに「危険だ」「良くない」と遠ざけるのは間違っている。自分はこんなに臆病であったか。使ってみて、自分に合わないと思ったらやめれば良いではないか。一度試してみよう。
 
その後、一時帰国をした。
「タンポンを使ってみたい!」一時帰国の楽しみはたくさんあったが、その中でもかなりの高順位で楽しみにしていたことであった。
 
早速薬局へ行った。
タンポン。どこにあるのか。おお、40個入りで800円。良心的だ。購入。
 
生理中だったため、早速タンポンを挿入。痛い。確かに、初めてタンポンを挿入するのは戸惑う。痛みがある。何か間違った方向に挿入している気がする。こっちの方に挿れればいいのかか? あっちか? ここだ! とタンポンを体内に収める。違和感がある。
 
そして1週間。私はタンポンと生理中を共にした。
 
 
結論を言おう。最初の方にも言ったけど。
タンポンはわたしに降り立った希代の発明品だった。
 
最初こそ、タンポンを挿入するたびに手間取ったが、2、3日すればお手のもの。体内に異物のある感じも徐々に薄れていき、もはや私の体の一部のようだった。経血でお尻が汚れることもほとんどなくなり、かぶれない。かゆくない。心なしか、お尻が綺麗になった気がするくらいだ。お尻も喜んでいるようだ。
 
これで痒がりながら会議に出席することはなくなり、男の子の愛の告白もお尻に意識が行くことなくロマンスに集中できる。もう結婚してるけど。
 
最高だ。タンポン。
これはもはやお尻の痒みを予防する一種の治療。
君は私の救世主。ありがとう。いい薬です。

 
 
 
 
***
 
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2022-08-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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