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「自分の子供が不登校になったら親がやることベスト5」

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴木かずこ(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
「親御さんのことは考えていません。お子さんが無事に受験することだけ考慮しています」
 
追い詰められた教頭先生が、思わず私に発した言葉です。
本気でおっしゃっているのですか?と訪ねたら、先方はハッとした表情をして口をつぐんでしまいました。
 
娘が不登校になってから1年半の戦い。
この戦いを通じてわかったことは、学校は想定外のことが起こると機能しないということです。
子どもの不登校は、すべて大人が巻いたタネです。
学校は積極的に刈り取ることができません。
1人の素人おばさんが、弁護士を立てずに、単独で学校を本気にさせ、子どもに不利益なことにならないよう、どう対処してきたのかを、お話しします。
 
実は、若い男性である担任の先生から罵声を浴びせられたことが発端になっています。そこから、中学校卒業まで、学校に通うことができなくなったのです。
 
中学2年生の秋。学校行事で合唱コンクールが行われます。
私の娘は、声が小さく、とても控えめな性格です。そんな娘が1年生のときに優秀賞をクラスにもたらした指揮者として、先生方からも評価を頂いたことから自信を持ち、自ら指揮者に立候補しました。クラス替えをしたこともあり、担任の先生も変わって新たな環境で頑張ろうとしていました。
しかし、クラスが上手くまとまらず本人が苦労していたところ、担任の先生から「指揮者の声が小せえんだよ」と罵声を浴びせられたのです。
それだけではありません。悔し涙を流す娘に、「ほれ、これで鼻をかめ」と教卓に置かれたトイレットペーパーを渡したのです。その場に立ち会っていたクラスメイトの証言もあります。
慣れない環境で、必死に「良い合唱を作りたい」という娘の願いは、見事に砕け散った上、自尊心まで傷つけられました。
無事に本番を迎え、苦しい環境の中で、また優秀賞を頂くことができました。そして、学校側も安堵した中、娘はフェードアウト的に学校に通わなくなりました。
 
問題は、長期欠席の生徒をフォローする「不登校早期対応マニュアル」というものが文部科学省から提示されているのに、それが行われなかった点です。
基本的に、休みだして1日から3日の間に、学校は状況把握して、支援が必要なときは校内会議で情報を共有することになっています。
子どものケアはもちろん、親との連絡も密にするのですが、当の担任の先生は、自分の指導が上手くいかなかったことを認めたくなかったのか、学校内で口をつぐみ、娘の学校に行けない状況をなかったことにしようとしたのです。
 
そして、3年生に進級する際、また同じ担任の先生になってしまいました。
娘も、頑張って学校に復帰しようとして登校したのに、担任の先生から舌打ちされてしまい、とうとう本格的に登校できなくなってしまったのです。
 
私は、根気強く学校に交渉しました。そして、登校できなくても定期試験などの評価をするなど、とにかく高校進学に向けて不利益にならないよう、協力していただく約束をしていただいたのです。
娘の専属に担任の先生とは別のベテランの先生が対応してくださること。
Googleチャットを利用してコミュニケーションを図ること。保護者と先生の連絡も、日々メールで行うこと。
授業の板書やプリントはGoogleクラスルームにアップしてくださること。
評価に関わる提出物は、テキスト文書においてはネットを介してやり取りできるようにすること。
出席数が少ないことで、内申点に不利益が被らないこと。
など、多くの譲歩をいただいたのです。
そのおかげか、無事に高校生になり、今では元気に学校に通っています。
以下、この経緯で得た教訓を、「5つのやること」として、まとめてみました。
 
その1 家庭が主体となって動くこと。
学校は、対処しないと腹をくくることです。対処して解決できるなら、最初から問題になることはありません。理由は簡単です。乱暴な言葉で言ってしまえば「隠蔽」でしょうか。
 
その2 積極的に保護者会に顔を出す。
わが子が学校に通えていないことを表明します。声をかけてくる人、スルーする人、よく観察しておくのです。学校に交渉する際協力してくれそうな人を見つけておきます。また、スルーしても、心の中で共感してくれる人は必ずいます。学校内で仲間がいれば色々と情報をまわしてくれます。学校も、単独で交渉するより、集団になれば無視できないようです。
 
その3 基本、子供はほっておく。
構ってもこじれるだけです。逆に家にいても社会参加できるチャンスを用意しておきましょう。決して子供に親の不安をぶつけないことです。
 
その4 学校とのつながりを保ち続けること。
授業の内容(板書とプリント)を逐一得られるようにします。子供が復帰できない大きな要因は勉強についていけないことです。とにかく学ぶ機会をキープしておきましょう。学校が気を利かしていろいろ提案してくることはまずないと思っておくのがちょうどよいです。
 
その5 暖かい飯を作ること。
腹が減っては戦ができません。子どもも必死に戦っています。食べて寝るのが一番の回復薬です。
 
我が家の場合、レアケースかもしれません。しかし、学校は、悪意がなくても組織上動きづらいことがあるのを知っておくだけでも、気持ちが軽くなるかもしれません。
お子さんの不登校で悩まれている方の参考になれば、幸いです。
 
 
 
 
***
 
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2022-09-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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