メディアグランプリ

嫌いなものは感謝の元~ライティングでなにもかも「ありがとう」になった


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:青梅博子(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
生きていると、一日に何度も「むかつく」「腹が立つ」「消えてしまえ」と思うことがある。
しかし、最近気が付いた。
「嫌だと感じたこと」は「潜在意識からのプレゼント」「ネタの宝箱」だということに。
 
例えばテレビの報道、例えば電車の中でみた見知らぬ人のしぐさ、なんとはなしに見たスマホのSNS。同僚から悪気なく言われた一言。
 
以前は、こころの表をひっかいてくるそれらに、いちいち腹をたて、そのつど胸をかきむしりたくなるほど、憤り、長くもやもやした気持ちを引きずり続けていた。
知り合いに言われたことなら、すぐさま不快を訴え、自分はこう感じたと説明すれば、相手も改めてくれるが、画面の向こう、見知らぬ人、電波の向こうから届く記事に、いちいち反論することはできない。次に何か心浮かれる出来事で上書きされるまで、いつまでもそれは続いていた。
 
天狼院ライティングゼミを受講すると、4か月間、毎週2000文字を書くという課題がだされる。1週間はあっという間で、投稿したらすぐさま次を考えなければならない。
受講をはじめた8月の終わりから、私の「何を書こうかと終始考える日々」がはじまったのだ。
以来、電車の中でも、歩いていても、本を読んでいても、ふと目に留まった事象があると、そこから何か生まれてこないかと、その出来事をあらゆる角度から検討してしまうという、新しい思考の癖が生まれた。
今、何かしらが私の琴線に触れたために、意識にひっかかったこの事象は「なぜ」私の目に留まったのだろう。何が他の出来事と違ったのだろう、このことを私ではなく第三者がみたらどう感じるか、外人だったら違う見方になるか、江戸時代の人だったらどうか、電信柱の視点から見たらどうだろう、葉っぱの上の毛虫だったら?
えんえんと、視点をとっかえひっかえして、事象のありかたを追求することは、はじめてみると、なかなか面白いゲームだった。
心に余裕があるときには、たいそう優れた娯楽となり、気持ちに余裕のないときには、恰好の逃避になったが、逃避に没頭すると、仕事の締め切りをぶっちしてしまうという大問題につながる危険を大きくはらむので、そこは、ほどほどに自粛した。
 
そうしているとき、ふと、ときおり湧き上がる嫌悪感をこのゲームの盤上にのっけたらどうかと思いついたのだ。今までは嫌なことは「なぜそれが不快であるか」という理由を、あえて深堀してこなかった。
何故なら「嫌なこと」を何度も繰り返して見つめなおし、さらに嫌な気持ちになりたくないからだ。
実はけっこう繊細である私は「嫌なこと」は、楽しい感情で上塗りして、できるだけ速やかに忘却するという、めちゃめちゃ消極的な対応をして、細部を検討することから逃げまくってきた。
しかし、こいつはネタになるかもしれないのだ。
 
まず、何が嫌か。心の平穏を脅かすものが嫌だ。私は自分のペースがあり、そのペースを乱されることが何よりも嫌だった。なので、強制的にきめられた時間軸の上でさせられる仕事が嫌だったし、自転車の進路を邪魔する鳩を心の底から憎んだ。何度、丸焼きにしてやろうかと蹴散らしたかしれない。睡眠を邪魔する街頭演説、つまらないことを話しかけてくる知人、私の生きる幸せである読書と食事をしている最中に入ってくる雑音すべてを嫌悪した。
しかしだ。
これらの事象を、さきほど述べた「多方面から解析視点」であらためて精査してみると。あら不思議。嫌でなくなってしまったのだ。
私視点でみた嫌なことを「仕事を指示する上司視点でみる」「路上の鳩視点でみる」「街頭演説の選挙候補者の視点になる」「ご近所まオバサマの気持ちになる」と不思議と「おやおやおや、悪者は自己中を振りかざしていたワタクシかもしれないですわねーーーあらあらなんてこったい、ごめんあそばせーー」という気持ちになったのである。
上司からすると、集団行動に反する異分子をあたたかく雇用してくれているのであったよ、ありがとう。となるし、鳩も悪気があって走路妨害していたわけでなく、彼らなりに人生、いや鳩生を謳歌しているだけだし、演説の方は自分の人生の夢をかなえるため、精一杯活動しているし、近所のおばさまのお話は、真面目に耳を傾けると、なんとご町内の面白話の宝庫だったりするのである。これまでも真摯にきいとくべきだったああ、次からは真面目に拝聴いたします、すいませんでした。
 
見方を変えれば、ひとつひとつ「嫌」が消えていくのだ。感情ではなくロジックでとらえれば、それは「嫌なこと」でなく、ただの現象になり、さらにそれは、ただの日常の風景になり。さらに面白いネタになるのだ。
何故なら、好きの反対は「嫌い」でなく「無関心」であるからだ。
興味があることは、きっととらえ方次第で、反転して好きにできる。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ということわざがある。
「幽霊だと思って怖がっていたものをよく見ると、風にゆれる枯れすすきであった。薄気味悪く思うものも、その正体を確かめてみると、実は少しも怖いものではないというたとえ」である。
怖い怖いと思うと、なんでもないものまでとても恐ろしく感じられるものである。
先入観をとっぱらって、フラットな視点で物事をみる。その考え方を練習し始められたおかげで、最近は、とんと嫌な思いをしなくなった。
ライティングゼミのために覚えた、視点転換によって、最近は世界が鮮やかで楽しいし、もっと楽しくなるために、価値観の物差しをたくさん持ちたいと思うようになった。
人生が変わるライティングというのは、こういうことなのかな、と楽しい日々をわくわく過ごしている。この講座に申し込んだ私と先生方にこの場を通じて感謝したい。
進行形で、ありがとうございます!
 
 
 
 
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2022-11-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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