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うつ病患者の経済的不安解消術


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Hero(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私がうつ病を発症したのは、前職に勤めていた2019年8月のこと。転職をして、環境が変わった直後に、一ヶ月の半分以上が出張、外出という生活が続いた。出張、外出の間に溜まった仕事は誰かがやってくれるわけでもなく、毎日の仕事にプラスアルファでのっていく。早出や残業も増え、挙句の果てには家に仕事を持ち帰って、一日中仕事をしているような事も増えてきた。仕事のリズムが全く掴めないまま、生活のリズムがどんどん狂っていく。夜もなかなか寝付けなくなり、寝に入っても、早期覚醒を繰り返すようになった。平均の睡眠時間が4時間程度。睡眠不足は正常な心理状態を徐々に破壊していき、気分がひどく落ち込んだり、しばしば「消えてしまいたい気持ち」になっていった。そんな状態になり、心療内科を受診し、うつ病と診断されたのである。
診断を受けた後も騙し騙し通勤しようとしていたが、9月のある日の通勤中に電車で倒れ、救急車のお世話になった事をきっかけに、仕事に行くことができなくなった。退職をすることは既に決めていたが、退職まで体がもたなかったのだ。
退職後はとにかく体と心を休めた。抗うつ剤や睡眠薬で、心の浮き沈みや睡眠時間、質のコントロールをして、とにかく気分を持ち上げていくことを目標に日々を過ごした。病気で休み始めた9月には長男が誕生し、彼の世話をしたり、成長を見守ることも、生活の張りの一つになっていた。
退職前の休職時や退職後の経済的な面での不安については、健康保険の傷病手当金により、ある程度は解消された。傷病手当金とは、被保険者が業務外の病気や怪我で仕事を休み給料等がもらえないとき、被保険者と家族の生活を守るために支給される手当金のこと。およそ、健康だった頃の給料の約3分の2程度の額が支給されることになっている。この制度には大変助けられたと思う。
病院の医療費や薬代については、自立支援医療等受給証が非常に役に立った。うつ病などの精神傷害による通院治療を受ける者の通院医療費の自己負担を軽減するための公費負担医療制度である。私の住んでいる地域(広島市)では自己負担が一切なく、診察、投薬が全て無料で受けられる事となった。収入が減った中、医療費が全くかからず、この制度にも大変助けられた。
1年以上もの間、休養をして、だんだん意欲的なものも回復してきた。傷病手当金を受け取ることができる期間が1年半が限度ということもあり、経済的なものを考えたときに、再就職をする必要性にも迫られてきたのだ。再就職を考えるにあたって、今までと同じ雇用形態、働き方では同じことを繰り返す可能性が高いと思い、精神障害者手帳の取得を行い、障害者雇用の求人に応募をすることにした。
精神障害者手帳は障害者雇用の求人に応募できるだけでなく、いろいろなサービスが受けられることも、メリットである。例えば、公共交通機関(バス、市内電車)などの運賃が半額になったり、美術館や資料館などの文化的な施設や映画館の入場料の割引などが挙げられる。
障害者雇用での就職を目指すにあたって、就労移行支援事業所という、障害者が就労のための訓練を行う為の施設に通うことを決めた。この施設についても、障害福祉サービス受給者証の公布を受けることで、本人の負担は最低限で訓練などのサービスを受けることができる。
休養し始めて1年と4ヶ月が経った頃、傷病手当金の受け取りを止め、就職活動を行うことになった。就職活動中は失業給付金を受け取ることになるのだが、この失業給付金の制度も、障害者手帳を取得していたことで、通常90日間しか受け取れないのが、300日間に延長されることになった。いつ終わるか分からない就職活動を続けるにあたって、この期間延長も経済的な安心を得られる大きな要素になった。
縁あって、就職活動を始め二ヶ月弱で契約社員として再就職をすることができた。ハローワークからの手当金の制度で、再就職手当というものがあり、失業給付金の支給残日数に応じて、手当金を受け取ることができる。障害者手帳を取得していた為、残日数も多いままで就職することができ、最大限の支給額を手にすることができた。
再就職して一年と六ヶ月が過ぎ、仕事のプレッシャーなどがあり、再度休職、退職を余儀なくされている現在だが、いろいろな制度による手当金や支援が受けられることを知っている分、これからの不安は少しだけ和らいでいる状態だ。これらの制度をうまく活用しつつ、無理なく働くことの出来る環境づくりを、今度こそ、上手にできたらと思う。
 
 
 
 
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2022-12-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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