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メディアグランプリ

「お酒とGと私」 


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:幸奏(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
「意外とお酒飲めないんだね」
――そう言われて、男性に振られたことがある。
 
私は、パッと見た目、ものすごく酒豪に見えるらしい。豪快に色んなお酒をガバガバ飲んで、けろっと笑っていそうなタイプ。でも、実際は、顔を真っ赤にしながら、ビールをジョッキ1杯飲み切るのがやっとで、2杯目を飲み切る頃には、記憶が無くなってしまうぐらい弱い。
ただ、お酒の味は好きで、美味しいお酒には目がない。ビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウイスキー、テキーラ、マッコリ、紹興酒……世界中のお酒、何でもイケる口である。
でも、弱い。本当にアルコールに弱い。新入社員時代は、営業としてお客様を接待していたはずが、いつの間にか家まで送られていた。上司と日本酒を飲んで、笑顔でサヨナラした後の記憶がなく、家で「〇〇駅構内にICカードが落ちていました」という電話に起こされたこともある。駅構内にICカードが落ちているのに、どうやって改札口を通り抜けたのか。考えるのも恐ろしい。
そんな私でも、場数を踏むことで、自分の飲酒量の上限を少しは理解した。ありがたいことに、少量のお酒で顔が真っ赤になるため、ものすごく飲んだように見える。真っ赤になりすぎて、これ以上飲ませたらヤバそう、と周りも思うらしく、お酒を止めてくれる人もいる。大人数で飲んでいるときは、実はほとんど飲んでいないと言うことにも気づかれにくい。
でも、これが二人で飲むとなると別なのだ。さすがに飲めないのがバレる。いや、バレても何ら問題は無いのだが、相手が酒豪だと、時に気を使わせてしまう。冒頭のセリフは、良いなぁと思っている人と、初めて二人で飲みに行ったときの言葉だ。もっと色々飲みたいのに、もっと付き合ってくれると思ったのに! とがっかりしているのが、ありありと伝わってきた。もちろん、二回目のデートにはつながらなかった。
正直なところ、私は、相手がガンガン飲んでいても全く気にしない。というか、むしろ好きなだけ飲んでくれと思う。割り勘でも良い。だって、それでお互いに場を楽しめるなら、それはこの飲み会の必要経費なのだ。
しかし、それは世間一般的ではないらしく、過去に期待外れだと言われたことが何度もある。期待値を下げるために、「私、お酒弱いんです」と何度言っても、理解してもらえない。ただの謙遜だと理解されるのだ。それにしても、見た目で勝手に期待して、勝手に失望するとは、本当に失礼な話である。少量で酔える、とてもコストパフォーマンスの良い身体なのに。そもそも、お酒飲みそうな見た目ってどんなのだろうか。同じように言われる人の写真を集めて、分析してみたいものである。
 
もう一つ、納得いかない振られ方をしたことがある。私は黒くて光るG(正式名称は苦手な方のために書かないが、推察して欲しい)が出ても、キャーと悲鳴はあげず、淡々と処理をする。この処理の仕方が、あまりにも冷静沈着すぎて、可愛げがないと振られた。いやいや! あなたの家なのに、あなたが嫌がって処理しないからでしょ! と、口から出そうになったが、グッと喉の奥に押しとどめた。ここで争ってもしょうがない。冷めてしまったら恋愛は続かない。むしろ、こんな生活力のない人は、願い下げだと思い込むようにした。
私がGに対して冷静なのは、理由がある。もともと、大学で生物学を専攻しており、実習でGの脳みそをスライスして、観察するという実習もあった。そこの研究室では、黒光りするGを大量に飼育していた。教授曰く、飼育しているGは、生まれてからずっと飼育ケースで育てているため、外に出たことがない。病原菌を持ったりもしていない、キレイなものだという。よく観察すると、Gも、カブトムシやクワガタ、コガネムシと大差はない。普通の昆虫である。昆虫全般が苦手であれば、理解するが、Gだけが苦手なのは「Gは嫌な存在である」という、単なる思い込みによるものが大きいのではなかろうか。
とはいえ、外界に住むGは病原菌を持っており、家の中に巣くわれるのは、あまり歓迎出来ないので、容赦なく駆除するのだが。ただ、私はGのことを人よりちょっと詳しく知っているから怖くはない。人は知らないものを怖がる生き物だ。例えば、お化けやUFOを怖がるのは、知らないからである(他方で、知らないから好奇心を持つ人も多い)それと同様に、知らないものは怖い。知ったら平気になるものも多い。
 
ここまで考えて気がついた。私を振った2人は、きっとどちらも「知らなかったから怖くて振った」のかもしれないということに。
一人目は、「下戸の私を知らなかった」 二人目は「Gを冷静に倒す女を知らなかった」のだ。良く知っている人が、きっと、その瞬間に未知の人になってしまった。未知の人=怖い存在=距離を置きたい、ということなのだ。納得のいかない振られ方だと思っていたが、ストンと腹落ち出来た。まぁ、いずれにせよ、知らないものを知ろうともせず、拒絶するようなタイプは、好奇心の強い私とは合わない。振られて正解だったのだけは確かである。
 
 
 
 
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2022-12-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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