メディアグランプリ

可愛い女子全員が持っている「アレ」をなんとしてでも手に入れたい


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記事:mizu(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
どうしても涙袋がほしい。あの目の下のぷくっとした膨らみ。今の時代、涙袋は流行を通り越してマストである。清楚系もギャルもアイドルも、みんな持ち合わせている。テレビやスマホで今どきの若者を見てみてほしい。絶対にある。笑うとより一層存在感が出て可愛らしさと優しい印象を与える。現代における「可愛い」の象徴と言えるだろう。
 
しかし涙袋は誰にでもあるものではない。私にはない。
 
生物学上、それに値するものは全員にあるのかもしれないが、ぷくっとしているか、していないかは人それぞれだ。とはいえ、涙袋がなくたって諦める必要はない。メイクで何とでもなるのだ。YouTubeやInstagramでテクニックを拾いながら自分の目元に施していく。
 
目の下にハイライト(明るい色のアイシャドウやコンシーラー)を塗って、その下に濃い色のアイシャドウでうっすら影を引いてみる。これで涙袋の完成である、はずだが、横や斜めから見たときにどうも立体感がなく「描いた感」がすごい。当たり前だ。そもそも凹凸さえないのだから目の下にボーダーを描いたところで本物の涙袋に敵うはずがない。
 
涙袋がある人とない人の違いは出目と奥目で線引きされることが多い。今は何でも名前がついていて嫌になる。イエベやブルベ、骨格タイプに顔タイプ……。さて、出目というのは眼球が前の方に出ていて目を閉じても丸く立体感がある。出目の方々には元から涙袋が備わっていることが多いらしい。一方で、奥目は眼球が奥まっていてまつ毛の生え際が瞼で隠れていたり光が入りにくいのでアンニュイな印象を与える。目を開けても閉じても立体感があまりなく、当然涙袋もないことが多い。アンニュイな印象、というと聞こえはいいが、私は「可愛く」なりたいので今のところ不要である。
 
例に漏れず私も奥目だ。実は奥目というのは、涙袋以外にも悩みが尽きない。ただでさえ目の存在感がないからまつ毛を根元からカールさせてパッチリ見せたいのだが、目の構造上カールもしづらければキープ力もないので、月に一度のまつげパーマが欠かせない。目に光が入りにくくカラコンの発色が分かりづらいので、ほとんどが黒っぽく見えてしまう。選び方によっては奥目のクールな印象と相反するクリっとした仕上がりになってしまう。
 
そんな奥目の私だからこそ涙袋形成の研究は終わらない。あるかないかで本当に印象が変わるからだ。世の中にはトリックアートのようなメイク技術を持った子達がたくさんいる。そして出し惜しみすることなくSNSで解説をしてくれる。自分とは全く縁がない地雷系メイクでさえも参考になることがあるのだ。さらには動画や投稿のコメント欄まで有益情報で溢れている。「可愛くなりたい」という目標のために皆が知識やスキルを共有しあう様子を見ていると、そこにあるアイコン全部が仲間に思えてくる。そこにいる人々にとって可愛くなることは食欲や睡眠よりも優先順位が高いのかもしれない。
 
可愛くなりたい/かっこよくなりたいという欲求は誰でもが持っているだろうが、執着度合いは人によってさまざまだ。私は比較的執着が強い方だと思う。それはコンプレックスが多いから。中学生くらいの頃から、自分の容姿には悩まされてきた。同級生からの嫌がらせ等、きっかけはあったものの自分が勝手に悩んだという方が近いかもしれない。今だって、誰かに何かを言われたわけでもないのに気に入らないことでいっぱいだ。
 
コンプレックスを乗り越えるために役立ったのがメイクだ。一番悩んでいた中学生の頃は、近くのコンビニに行くのでさえメイクをしなければならなかった。それはさすがに病的だったが、今もメイクは私の精神安定剤だ。毎日メイクは2か月に1回くらいは変わる。涙袋に関して言えば毎日ミリ単位で変化をつけて一番自然な方法を見つけるため試行錯誤を繰り返している。もちろん変化をつけたところで「○○さんメイクがいつもと違うね」とか「今日の涙袋は90点だね」とか言われることはない。
 
“盛れた”日は気分が上がるし仕事の調子も良くなる。笑顔も増えて同僚や友人と積極的に会話したくなる。メイクの出来は精神安定ならびに自信に繋がっている。きっとSNSで知見を持ち寄る女子たち(男子たち)も同じだと思う。誰かのためではなく自分のための「可愛い」を追求している。「可愛い」の数だけコンプレックスがあるのだと思うと、世の中のコンプレックスと闘うすべての人が私の仲間だ。私は今日も明日も自然で可愛い涙袋を形成する。
 
 
 
 
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2023-01-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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