メディアグランプリ

物・サービスを売る時代で生き残る考え方は……。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:藤村 和(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
赤の他人には心なんて開けない。
 
そう思いながら毎日お客様と話をするのは苦痛だ。
朝起きて、「また今日も仕事か」と思いながら、少しシワの入ったシャツとだらしないネクタイの締め方をして急いで地下鉄に駆け込んでいく。
 
「今日もお客さんは多いのかな」
電車にゆらゆらと揺られながらいつもこう考えていた。
周りを見渡すとスーツを着たサラリーマンやOLの人たちが、今にも手がストンっと落ちそうなくらいの力でつり革を握っており、暗い顔をして俯いていたのである。
この人たちも同じこと思っているのかな? 変な安心感が生まれた。
 
そして職場につき、朝礼が始まった。
朝礼では上司からとにかく「数字だ!」「商品を売れ!」の一点張りで、とにかく気分が悪くなる。
どうせ、お客様は私がすすめる商品なんて興味ないし買わないのだから……。
案内しても買ってくれないだろうと考えがよぎっていた。
しかし、そんな訳にはいかない。商品を売らないとまた上司に詰められてしまう。そう思って私はお客様に商品を売ろうと努力したのである。結果は全く商品が売れず、上司からも詰められる。お客様にいくら商品を勧めても買ってくれない。そう思いながら毎日憂鬱な日々を送っていた。
 
そんなある日、私の会社に課長が来て、お客様と楽しそうに会話をしている姿を目にした。
私はそれを見て感じた。「なぜ、この人はこんなに楽しそうにお客様と会話ができるのか」そんな疑問を抱き始め、それと同時になんだか羨ましい気分にもなった。
 
私はその課長に質問してみた。「課長、ふと疑問に思ったのですが商品を売るのにお客様と楽しい会話をする必要があるのでしょうか」と。
本当はどうすればお客様と楽しい会話ができるのか。それが聞きたいはずだったが、私のプライドが高いせいか? 課長への嫉妬心なのか? なぜかはわからないがそんな質問をしてしまったのである。
 
その瞬間! 課長の顔が険しくなった。「やばい、怒られる!」私は冷や汗をかき、唾を飲み込んだ。そうすると課長が言った。「機械のような接客でその人から商品を買いたいと思うのかな?」と。それを聞いて、私は一気に我に返ったのである。
 
たしかに課長の言う通りだ。今までの私の接客を振り返ってみた。ただ接客のマニュアルをこなすだけ。お客様なんて別に知らない人だし、言われたことをやってりゃいいんでしょ? そんな気持ちでやっていたんだと思い、私の心を見透かされたかのような気持ちだった。そして次にようやく聞きたい質問ができた。「どうすれば楽しくお客様と会話ができますか?」と。そうすると課長は笑いながら教えてくれた。「お客様を恋人として見ればいいんだよ」と。正直訳がわからなかった。そもそもお客様を恋人として見るってどういうこと? 質問をしたくてもしづらいような状況になってしまい、その日はとりあえず家に持ち帰った。そして、お風呂場でこれについて考えた。普段は30分で済ませるはずのお風呂が1時間近くにものぼった。それでも答えはなかなか出ずに、私は一旦そのことを頭から話して商品を売るためにはどうすれば良いかを調べた。
 
そうするとネットである記事を見つけた。そこには商品を売るコツはお客様に合った提案をすると書かれていた。これを見てまず私はお客様に合った提案のために商品のあらゆる知識を吸収していった。
 
そしてある日、私はお客様との接客で、お客様に合った提案を意識して商品を勧めてみた。すると! 嘘のように商品が売れたのである。お客様からも「ちょうどそのことについて困ってました。教えてくれてありがとう」と言われ、こんな簡単にうまくいくものなのか? と疑ってしまうくらいに。だが肝心な課長が教えてくれた、お客様を恋人として見ることについては未だモヤモヤしている状態だった。
 
そんなある日、カフェで一息つきたいと思い、ふと立ち寄ったTUTAYAのCDコーナーで乃木坂46の新曲がリリースされているPOPを目にした。CDには握手券が1枚入っており、これを買うと乃木坂46のメンバーと握手ができるのだと言う。これはファンにとってはとても嬉しいサービスだ。そう思った時にふと考えた。乃木坂46はアイドルで、ファンはお客様。アイドルは疑似恋愛要素があって、ファンがつくのかな? じゃあアイドルってファンになってもらうためにどんなことしてるだろう? ブログ、握手会、LIVEなど考えていた時に、これだ! と確信した。
 
それは、お客様を恋人のように想って幸せになるような物・サービスを届けてくれているということである。それが結果的にファンとなり長い付き合いができる関係性になれるのだと。「なるほど、課長が言いたかったのはこれか」そう気づいてから、私は接客でいかにお客様と長く付き合えるような関係になれるのかを考えて接客をした。そうすると、売上もどんどん伸びていって、ついには私指名で接客を希望されるお客様まで現れるようになったのである。
 
これが物・サービスを売る考え方だ。
 
昨今は物・情報などが溢れ返った時代。そんな中、お客様は限られた時間の中でどんな物・情報にするべきか選択をしなければいけない。
そこで私たちが生き残るために必要なのは、たくさんの物・情報の中から選んでもらい、長い付き合いをすることである。
 
お客様の悩みごとの解消、どんなことをしてもらえると嬉しいかを考え、とにかくその人のためにマメになること。
 
物・サービスを売る時代で生き残る考え方
それは、お客様を恋人と思うことだ。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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