人との出会いは自分の人生を大きく変える
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:藤村 和(ライティング・ゼミ2月コース)
「もう私の人生は終わりだ」
学生の頃から夢だったアパレルの仕事もわずか半年で幕を閉じた。
こんなはずではなかった。ふと気がつけば私は職を失っていたのだ。
精神的にもボロボロで家に帰るとご飯も喉を通らず、仰向けになってずっと天井を眺めていた。
次の就職先も決まっていない。親にどんな顔をすればいいのかもわからない。転職で失敗し早期退職をしてしまったことで履歴書に傷がつき、次に雇ってくれる会社もないのではないか? ネガティブな思考が頭の中を巡っていく。
働くところがなくなってしまうとどうなる? まずお金が尽きる。
お金が尽きるとどうなる? 食べ物が買えなくなったり、家賃が払えないためマンションに住めなくなる。そうなるとどうなる? その後は死だ。
私は絶望するしかなく、虚無感に包まれたのだ。
とにかくこの失敗が私にとっては人生の大失敗のように思えて、次の転職の一歩が踏み出せなかった。
冷静になって考えたが、ニートへの道しか見えなかったのだ。
もはや自分を肯定することすらできず、卑下し続けた。
そして、まったく就職先の失敗とは関係のない過去の話まで持ちだしたのだ。
そもそも私は人間関係が昔から得意ではない。
人間は醜くて汚い生き物だと思っていた。人を騙し、ある人にはいい顔をして従わせ、ある人には利用し自分の利益のためだけの道具にする。
そんな姿を子供の頃から目の当たりにしていて、なぜみんなは平気な顔して人付き合いができるの? そう疑問を持ちながら私は日常を過ごしていた。
もちろん人間が嫌だと思ったこともあれば、優しさに助けられたこともある。
だが記憶というものは悪いものばかり残ってしまう。
既に私の頭の中の記憶は人間に対する不信感で汚染されていたのだ。
「そもそもなんで私だけがこんな目に合わなくちゃならないんだ。スマホでふとSNSを見た時に楽しそうにしている友人を見ると苛立ちが募った」優しくしてくれたり親切にしてくれる友達ですら敵に見えてしまい、本当は相談したくても連絡をとることすら嫌になる。
でも何とかしなければいけない。
スマホで「人生の挫折を解決する方法」と検索をかけ解決法を見てみる。
「睡眠をとる」「ご飯を食べる」「日の光を浴びる」
そんなことしか書かれていない。
「これでは何の解決にもならないじゃないか」
夜も眠れないし、ご飯も喉を通らない。
家から外に出る気にもならないのに、結局どうすればこの状況から抜け出すことができるのか?
そう思った瞬間、私は冷静になって考えた。
そもそも私はどうしたいのか? このままのたれ死ぬことを選ぶのか、諦めずに希望をもって次の道に進むのか?
その選択が頭に浮かんだ時である。
私を今まで支えてくれた人や家族にこんな姿見せてちゃだめだ。
諦めたらそこで試合終了だ。
なぜかこの時、スラムダンクの安西先生の言葉が頭に浮かんだ。
私は生きていくための行動として、派遣会社にアルバイトを求めにいった。
そこで派遣先を紹介してくれる営業担当の女性に出会い、私が職を失った話を聞いてもらった。
終始暗い話だったのにも関わらず、私の話を真剣に聞いてくれたその人はまるで女神のようだった。
このふとした瞬間に希望が見えた。世の中悪い人ばかりではない。今まで悪いと思い込んで決めつけていたのは私自身だと。
そうだ、私だけではない。毎日生きていて嫌なことなど同じ空の下で生きているのなら私以外も経験しているはず。こんな女神様でも辛いことだってきっとある。ようやく客観的に物事を見ることができてきた。
そして女神様に派遣先を紹介してもらい、私は生きるため、新たな自分の道を見つけるために必死に働いた。
自分のやりたいと思った仕事ではないが、働かせてもらっていることが幸せに感じた。
そんな時に奇跡が起こった。
私の人生に大きな影響を与えたシェアハウスとの出会いである。
そのシェアハウスで私は素晴らしい人たちに恵まれた。
落ち込んだ時にいつもありのままでいいんだよと励ましてくれた人、理系の医学部で頭が良くいつも的確な助言をしてくれる人、目の前のゲームに夢中になって人目を気にせず自分の生活を楽しんでる人、目的もなく福岡に来て新しいことを始めたいとワクワクしている人。
今思うと不思議なことだ。
シェアハウスで出会った人たちとのつながりがきっかけで、新しい仕事に転職をすることができたのだから。
ご縁なのかシェアハウスで出会った人の何人かは同じ会社で働いている。
彼らは私に道を与えてくれた人たちだ。
振り返ってみると、私は今まで人間不信だった。
人というものは騙し、利用し、自分の利益のためだけに行動し、暴力的な生き物だと勘違いしていた。
私は自分が傷つくのが怖くて、逃げていただけだったのだ。
結局、私を救ってくれたのは人だった。
シェアハウスが僕の人生に大きな影響を与えた。
今では毎日楽しく過ごしながら仕事、プライベートを両立することができている。
数々の人との出会いが点と点を結び1つの線となり私に道を示してくれたのだ。
職を失い絶望していた状況から脱出したことで、鋼のメンタルとなった。
そして、もう怖くない。
私にはシェアハウスの仲間がいる。
一人一人が私に教えてくれたことは、私の人生にとって大きな価値だ。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
スラムダンクの安西先生の言葉は本当だ。
人間関係に悩んでいる人は、決して諦めないでほしい。
自分の選択と行動によって道は開けるのだから。
***
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