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自分が嫌いでたまらなくて

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:六車優那(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「大っ嫌い!!!」
私は自分のことが嫌い。本当に嫌い。
優柔不断で決断できない私も、ネガティブな私も、大好きな人を忘れられず引きずってる私も、こんな風に思っている自信のない私も、もう何もかも全てが嫌だ!
消えれるものなら消えてしまいたいと想うくらいに自分が嫌い。
 
元彼に振られた頃の私は、自分が嫌いで嫌いでたまらなかった。
 
元彼とは、同級生で、よくある同窓会での再会がきっかけでお付き合いがはじまった。
遠距離だったけど、マメに連絡もくれて不安になることはなかった。
そんなマメな彼は、新規就農で牛飼いになったばかりで、きっと毎日が必死で忙しかったはず。
彼の優しさにも気づかず、ただ私は頑張っている彼に憧れて、彼との結婚生活を夢見ていた。
 
牛飼いの彼とは、似ても似つかない生活をしている私。
仕事は証券会社で事務職。
車がなくともバスや電車があるし、何なら徒歩でスーパーにだって行ける。
家の中に虫がいるなんてことも、ほぼないし、床が抜けそうなこともない。
日焼けや虫刺されなんて心配して過ごすこともないし、汗疹で悩まされることもない。
その上、事務職としてちゃんと働いていれば安定した収入がある。
 
そう。
私は彼のことが大好きだと言いながら、不安に負けたのだ。
 
彼はずっと、私がポジティブになれるように、不安を少しでも減らそうと寄り添ってくれていたのに。
結婚を決めきれない私にしびれを切らした彼は……
「田舎に来て、農家の嫁になれると思えない」
そう言って、私の隣から去っていった。
 
彼と復縁したい。夢見ていた結婚生活を現実にしたい。
なんで今までこんなにも彼と一緒に生きていきたかったことに気づかなかったんだろう。
彼がもう一度、私のことを好きになってくれるにはどうしたらいい?
 
これが、自分を大っ嫌いだと感じるようになるきっかけ。
いや、はじめて自分自身と向き合うようになったきっかけと言った方がいいかもしれない。
 
彼に好きになってもらいたいと思ったとき「私の魅力って何!? そもそも彼は私のどこを好きだったの!?」という現実にぶつかった。
 
「よし! 自分の良いところを考えよう。……私の良いところって何? 嫌なところしか浮かばない。自分の好きなところが分からない。あれ? 私の好きな物って何??」
 
これまで、他人からどう思われるか、どう見られるかを気にして生きてきた私は、自分の好きなものも分からなくなっていた。
もはや復縁どころではない。
自分を知ることからはじめないといけなかった。
 
私は、自分の好きなものや、やりたいことを感じることからはじめた。
無意識で決めてしまうような小さな選択を、意識的に決めるのだ。
 
例えば……
「今の私は何が食べたい? お肉? お魚?」
「旅行したい? 本当に行きたい? 違う場所じゃなくて?」
「ご飯に誘われた。その人に会いたい? 楽しみに感じてる?」
みたいな感じで、いちいち自分の心を感じるようにした。
 
すると、鈍ってきた感覚を取り戻すように、少しずつ好きなものが増えていった。
読書、旅行、写真、空、花、多肉植物、カラオケなど、楽しいと感じることが増え、前よりも少しだけ生きていることが嫌じゃなくなった。
 
そんなとき、天狼院書店の「秘めフォト」を目にする。
最初はただ、「かわいい! きれいだなぁ……。こんなにsexyなのに、いやらしくなくて素敵な写真」と眺めていた。
スクロールした先にあった
「私じゃないみたい……」
「自分に自信が持てる」
この2つの言葉に惹かれて頭から離れなくなった。
 
私でも自信が持てるかな?
私の知らない私のかわいいところが見つかるかな?
 
そんな、ちょっと賭けにでるような気持ちで、参加を決めた。
 
参加してみると、自信がどうのこうのより、ただただ楽しかった。
初めましてなのに、かわいさや綺麗さを楽しみに来ているというだけで、すぐに打ち解けられてしまう不思議な空間。
正直、それだけでも満足だった。
 
いざ、写真データを受けとってみると、見たいのに見たくなくて。
楽しかった記憶が、写真を見ることで「やっぱりかわいくない……」と感じて、嫌いな自分へと塗り替えられてしまうような、そんな不安があった。
 
どきどき緊張しながらダウンロードして、写真を見る。
「え、かわいい……」
嬉しかった。自分で自分をかわいいと素直に想えたことが何より嬉しくて。
楽しい記憶がさらに嬉しさも加わって、特別な思い出になった。
 
それが2年前。
復縁したかった彼とは、再会することができた。
あの頃、想い描いていたような彼との結婚生活はやってこなかったけど、未だにFacebookでの繋がりはあって、お互いに思い出したようにいいねをする仲だ。
 
そして今日、2年ぶりに秘めフォトの写真データを受けとった。
自分が大っ嫌いで仕方なかった私が、写真を見て可愛いと想っている。
前回と違うのは、「あ、この写真の私は嫌いだな」と思う写真がほぼなくて、すべての写真がたまらなく好きでお気に入りが決まらないこと。
それだけじゃない。
この可愛さを、この綺麗さを、誰かに見て欲しい、見せたいと想っている私がいるのだ。
 
三浦さんに写真を撮ってもらっているとき。
「パワーアップしてるけど何かあった?」と言われて、その時は「三浦さん、よく覚えてるなぁ」くらいにしか思っていなかったけど、今なら答えられる。
 
「私、2年前より、自分が好きになりました!」
 
自分が大っ嫌いでたまらなかったとき、嫌いだと感じている自分すら嫌だった。
自分を好きになる近道は、2つのポイントがあると思う。
 
1つは「嫌いな自分がいていいんだ」って気づくこと。
きっと人はみんな自分が大好きで、何よりも好きだからこそ、理想の自分とのギャップで、今の自分に満足できず嫌いなんだと思う。
緊張するのは、自分をよく見せたいからという心理と同じような気がしている。
 
もう1つは、「誰かのためじゃなくて、自分のための選択をする」こと。
私の好きなもの、私のやりたいことを選ぶのだ。
彼にかわいいと言われるために洋服を選ぶのではなく、私が可愛いと思う洋服を選ぶ。
彼から好きになってもらうためにダイエットをするのではなく、私が痩せて可愛くなりたいからダイエットをする。
同じように思えるかもしれないけど、まったく違う。
 
自分のことが嫌いな人は、自分を嫌いになったことがない人より、自分を好きになれるのではないかと思う。
嫌いだからこそ好きになれる。
それって素敵な伸びしろだよね。
今よりもっと自分の好きな私になれる可能性がある。
 
きっと、これから私は、もっと私を好きになる。
 
 
 
 
***
 
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2023-03-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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