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書くこと、自分を見つめること


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:中村亜紗子(ライティング・ゼミ京都会場)
 
 
きっかけは、Facebookに頻繁に登場する広告だった。
 
「人生を変えるライティング教室」
大層なキャッチコピーが目に飛び込んできたときに、思わずその広告を隅々まで読み込んだのには、理由があった。半年ほど前から請け負っていたコラムの執筆に面白さを感じ始めていたこと、そしてこれを機にライターとして一旗揚げられたらな、なんて下心が湧きはじめていたからだった。
 
観光地にある知人のお店で今秋の繁忙期に手伝いに行ったときのアルバイト代と講座代が、奇しくも同額。手元にある数万円は、このタイミングで受講を決めないときっとあっという間に消えてしまう。まるでお金からも「これは受けとけ」と言われているようで受講を決めた。
 
初回の講座から、目から鱗がぽろぽろ落ちた。90分間も座学の講座を受けたのは、いつ以来だろうか。日ごろ隙間なく動き回って止まることを知らないわたしは、ここ最近知人との会話でも興味が持てないと短時間で集中力が落ちてしまう。でも、講座は毎回90分間があっという間に過ぎていった。文章が書けるようになると、プレゼン力や普段の会話力も格段に上がる、初回に聞いたその言葉の意味がよく分かった。読み手に文章を最後まで読ませるスキルと、聞き手に最後まで話を聞いてもらうスキル、結局どちらも同じなのだと。
 
この講座は、週に一度2,000文字程度のコラムを提出する課題が課される。週に一度ぐらいなら、最初にその課題について聞いたときは正直軽く受け止めていた。でもいざ始まってみると、それはあまり甘くなかったことに気付く。何がって、まずネタに困る。コラムのテーマは自由、でも自由と言われると余計に困るものなのだ。悩んだ末に初回はその週に行った旅についてのコラムを書いてみる。すると、これってただの日記ですよね?この文章って、読んだひとにとって何かメリットありましたっけ?そんなバッサリ切り捨てられるようなフィードバックが返ってきて、凹む。なぜ凹むかって、その指摘があまりにごもっともだから。そうしてこれまでわたしが書いてきた文章を振り返ると、これまで読み手のメリットなど考慮していない文章を世に出してきたことに気付く。自慰行為のような文章を垂れ流してきた自分、それでは普段の会話はどうだろうか、と振り返ることになる。
 
一般的に男性よりもよく喋る、と言われる女性。わたしだってご多分に漏れず……友人とランチやお茶をすれば時間を忘れて途切れなく会話が進み、気づいたら数時間経過、なんてザラだった。帰宅して何をそんなに話すことがあるんだ?と問われれば、答えに窮するほどその間に話していることなんて他愛もない。家族の愚痴、噂話に仕事の悩み……その会話で発散できるストレスも、そこで得られる楽しさも、もちろんある。あったからそこに時間を費やしてきたのだけれど、最近どこかモヤモヤするのはそういうことか、と思い当たる。その会話で得るものがあるか、相手に与えられているものがあるか、そう問われたら首を傾げざるを得ない時間だったからだ。
 
ノウハウや取り扱い説明書ですら動画で情報を得られるようになった今、ひとが読むことに集中できる時間はどんどん短くなっているという。それは、自身を振り返っても身にしみて実感しているし、だからこそ講座の課題で出される2,000文字というのが、読み手がぎりぎり読んでくれる長さなのだと思う。読み手がまず読んでみようと思うモチベーション作り、読み手が途中で飽きないように所々に散りばめるエッセンス、途中で読む気が失せないように滑らかに進めていく文章……講座の中で得た知識は多く、それは確実にわたしの身となり文章に表れてきたのだけれど、それら「文章を書くためのスキル」以上に、わたしがこの講座で得たのは自分の言動を振り返る機会だったと、思う。
 
40代も半ば、若さを言い訳に出来なくなってきたからこそ気になるのは、身のこなしや言葉遣いといった、人の本質となる部分が透けて見えるところ。SNSやブログ、簡単に言葉を発する機会も場も多いから、端的で必要十分な言葉で、自分の素直な気持ちを読み手に届けられるひとで在りたいなと思うようになった。毎週2,000文字のコラムを書き上げながら、まるで禅問答を受けているような気分で自分に向き合い続けてきたような気がする。そうして出た答えは、格好つけても仕方ない、盛った文章は分かるひとにはバレてしまう、ということ。
 
この週末散歩をしていたら、住宅を建てるために新しく造成された土地に、水道栓が2本だけすくっと伸びている様子を見つけた。その水道栓が、まるで今の自分のようだなと思った。1年前、素人なのにコラムの仕事依頼をもらって少し調子に乗っていた自分。スキルアップすべくライティング講座を受講して気付いたのは、飾ろうとばかりしていた自分の文章と、自分自身。必要のない殻や飾りを削ぎ落して、プライドも気負いも手放した今は、この造成したての何もない土地のよう。そして、生きていくために不可欠な水というライフラインだけ与えられた土地から、どんな土台を組み、どんな家を建てていくのかは、自分次第。ライティング=ライターという分かりやすい公式だけではない、今後どんな人生の展開になってもきっと武器になる「表現力」を手にして、わたしはこれからどんな人生を歩んでいくんだろう。そんなワクワクを手にして、「人生を変えるライティング講座」というキャッチコピーが腑に落ちたように感じている。
 
 
 
 
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この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2023-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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