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「褒める教育」有効性検証のために跳んでみた


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Maki (ライティングゼミ4月コース)
 
 
トランポリンで前宙をやりたいです。
 
人生シーズン4に入っているド初心者に言われたときの、電話の向こうにいるインストラクターの狼狽ぶりは想像に難くない。
 
物心がついた頃から肥満体型だった私は、とにかく運動が大嫌いだった。学校の体育の授業などは、いかにサボるかという戦略立案に全力を注いだ。
 
当時はブルマなどと言う、ちょっと布がしっかりしてるだけのパンツがユニフォームだったものだから、波打つ太ももを丸出しにして走らされることとなり、市中引き回しの刑以外の何物でもなかったのだ。
 
部活は当然文系。運動系の部員たちが体力作りに走り回ってる間、音楽室で椅子にデーンと座り込み、指先さえ動かせば音のなるリコーダーを吹きながら先生の目を盗んでお菓子をむさぼっていた。
 
終始こんな調子だから、一般的な子供たちが軽々クリアするようなマット運動なんてもってのほか。前転は回らず脳天が刺さるし、跳び箱には激突するし。最後にはまたげる高さにまで下げてもらって、なんとか成績を付けてもらった。
 
そんな私が四十路も真ん中を過ぎようというときになって、競技用トランポリンで前宙とは。これもいわゆる中年の危機と言うヤツなのだろうか。十代に比べれば少しはスリムにはなったものの、すっかりダレた体で無邪気にトランポリンジムに乗り込んでいったのが昨年秋。トランポリンの弾力をキレイに殺してしまう、あまりのジャンプ力の無さに絶句していたインストラクターの表情は今でも忘れられない。
 
そんな彼の戸惑いをよそに、どんどんハマり続け、今では勢いあまってアクロバットジムにまで手を出す始末。基礎運動だから、と言われた前転は、やっぱり脳天が刺さってるし、跳び箱にいたっては激突前に踏み台に蹴っつまづいている。
 
なのに、やたらと楽しい。
あの時と何が違うのだろう。
 
科学的に言えば運動はハッピーホルモンを生成するとのことなので、そこからくる楽しさは間違いなくあると想像する。ただ直感的にそれだけではないのが分かる。そこで気付いた。
 
トランポリンにしても、アクロバットにしても、インストラクター2人がとにかく褒める! そしてこの褒め方が何ともうまいのだ。
 
褒める方法については、ハウツー本だったり、ググれば具体的なやり方について書かれたネット記事だったりを、恐らくたくさん見つけることができるだろう。ここでは「褒め」の有効性検証実験と言うことで、敢えてそれらの情報を参照せず、自分の感情の動きと2人の挙動について観察し、共通項を探ってみることにした。そして判明した彼らの主な褒めスキルが3つ。
 
とにかく良いところ探し
具体的なポイント提示
「褒め」が早い!
 
彼らの良いところ探しの創造性には脱帽である。踏み台の前で躊躇して止まっても「助走のスピードはめっちゃ良かったですね」などと言ってくれるものだから「そうかそうか。助走は良かったのか」と嬉しくなってしまう。そして褒める対象が細かい! 「そんなところを見てくれていたのか」と驚くような細部を本当によく見ているのだ。つま先の向きが綺麗だっただの、目線の位置が正確だっただの。もはや「何だそれは」とクスッとなってしまうレベルの詳細さでポジティブポイントを付いてくる。その洞察力には目を見張るものがある。その上その褒め言葉たちは、動作が終わりきるかきらないかの瞬間的なタイミングで降り注がれるので、心から思ってくれてるのが分かる。
 
ただでさえ大人になると、褒められる機会なぞ減少の一途をたどるだけなのだから、これだけ良いよ良いよと乗せられれば嫌になる方が難しい。
 
そして、楽しめる大事なポイントがもう1つ。それは、褒めているだけではない。と言うことだ。
 
やはり身体を使うことなので、怪我や事故の可能性とは常に隣り合わせなのも現実だ。ましてやド初心者ともなると、身体をそもそも使い慣れていないのだから、そのリスクは更に高まるだろう。それだけにそこに関する指示はとても厳しい。
 
とはいえ、さすがプロだと敬服するのだが、どうやら危なくなりそう、という状態は、コンマ何秒の動作のタイミングで判断が付くらしく、危険になる前にキチンと救いの手を差し伸べてくれる。文字通り。だから正直最初は驚いた。少なくとも体育の授業中にそんなシーンは見たことがなかったからだ。
 
新しいチャレンジに立ち向かおうとする時、多くの人を立ち止まらせてしまうのが不安。失敗したらどうなるのか、という未知に対する恐れからきている。そんな中、いざとなったら必ず助けてくれるという安心をベースに、惜しみない褒め言葉が振りかけられ、四十路のチャレンジに伴走してくれるなんて、マズロー欲求5段階全部乗せである。ハマらない方が無理だ。
 
検証結果。N=1=私、については「褒める」が非常に有効であることが証明されたと言える。インスラクターたちの褒めボキャブラリーが底をつかないうちには前宙を成功させよう。
 
 
 
 
***
 
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2023-04-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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