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なぜ外資系が働きやすいと感じるのか。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:高瀬敬子(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
私はこれまで4年半以上同じ会社にいたことはありません。今勤める会社は5社目です。今の会社は居心地が良いので記録を更新しそうです。
 
転職を繰り返しているとあまり良いイメージを持たれないかもしれませんが、本当の意味で「職」を変えたことはほぼなく、会社は変えましたが仕事の内容は同じです。自分としては「転職」ではなく「転社」と言いたいところです。一つ前の会社は内資系(日本系)の会社で、現在は外資系(アメリカ系)の会社です。前の会社は留学のために辞めました。留学がなければそのまま勤めていたと思います。
 
今の会社に入って仕事相手はほぼ全員外国人になりましたが、前述の通り業務内容は前の日本企業と同じです。同じ事をしているのにどうして今こんなに居心地が良いと感じるのか? と思って考えてみました。注意したいのは、外資系でも日系の文化な会社もありますし、業界や社風などにもよるので全てにこれが当てはまるとは思いません。あくまでも私が経験した中での話をします。
 
私が最も大きなポイントだと考えるのが、「失敗と変化に対する柔軟さ」です。
 
私の仕事の一つにデータ入力システムの設計とテストがあります。ここに日系と外資系で大きな違いを感じます。
日本企業ではシステムを発注するお客さんもほぼ日本の会社だったのですが、一回作ったシステムを変更することに消極的でした。一回作ったら変えない、ということは最初から100点満点を取らなければならない、ということになります。システムが運用され始めてから不備が見つかると大変です。どこで見落としたのか、なぜそうなったのか、膨大な作業記録を見直します。
 
この「いきなり100点方式」はシステムだけでなくほとんどすべての業務に共通して言えることでした。失敗したら切腹! くらいの気持ちで日々仕事をしていました。これが結構きつかったのです。メンタルの弱い自分には向いていないなぁと思ってこの仕事を辞めたいなと思ったことも1度や2度ではありませんでした。
 
一方、現在勤める外資系企業は、お客さんも外資系。彼らは70点、80点くらいのシステムを運用開始してしまいます。そして、運用開始後にどんどん変えていきます。こちらが驚くほどの頻度で変更します。変更作業が終わった途端に次の変更の話が出たりします。その決断も早いし、最初から変更や失敗が想定された手順になっていると感じます。
 
これは私にとっては気持ちが楽です。もちろんどの会社でも最初から100点目指して頑張っていますがどうしても間違えたり失敗したりします。その時に外資ではいちいち切腹を考える必要がない。また全体的に失敗に対しても前向きに受け止めるような印象です。今の会社に入社したばかりの時に大きな失敗をしたのですが、その時に「失敗は誰でもする。大事なのは再発を防ぐこと。一緒に考えよう」と上司に言われました。その言葉にどんなに救われたことか。また上司を見ていると、明らかに相手が悪いことでも、なぜそうなったかを追求するよりも先に状況を受け入れて、これからどうするかを考える方に目が向いているように思います。おそらくこの会社ではいろいろな国と人種が集まって仕事をするため、文化と言語の違い、さらに時差のせいで、より失敗や誤解が起こりやすいのではないでしょうか。ミスが起こるのは当たり前と考えているように感じます。
 
もちろん外資のやり方にはマイナスもあります。どんどん変えるので常にシステム修正している感じになり、なかなか落ち着けないですし、関連文書も何度も改訂になり作業量も増えます。いろいろな国が関わるので影響範囲がいちいち大きくなり、システムのユーザー側にも影響があります。予算や見積もりも、変更に対応できていないといけません。
 
それでも私は今の会社の方が働きやすいと感じます。今回ダメでも次がある、と思えるし、100点を目指さない働き方になり、日々の作業にも余裕がでます。自分の失敗だけでなく他人の失敗にも寛容になれます。
 
私はいきなり100点が求められる日本企業のやり方を、どうしても日本社会全体と重ねて見てしまいます。
 
基本的に学校は一斉に卒業して4月に一斉に就職します。仕事は少なくとも3年は続けろと言われます。そして結婚、出産。この流れから落ちたらなかなか「普通」と認めてもらえません。昔よりはマシだとは思いますが、特に「新卒」での就職がかなり重要になっています。
一度決められた規則や、お役所の方法を変えることもすごく難しいのだなとニュースを見ていると感じます。
 
みんな初めてのはずの人生なのに、失敗せずに100点を取ることを求められているよう。よく考えると結構ハードではないでしょうか。
 
少し前ですが、ラジオを聴いていたらある小説の賞に応募される作品のほとんどが異世界転生ものだ、という話をされていました。なぜかな? と思ったのですが、このような社会が原因の一つなのかなぁと思ったりもします。みんな初めての人生でいきなり100点は厳しい。でも経験を生かした2回目や3回目の人生なら……と夢を見てしまう。
 
今の外資系の会社は100点でなくても、70点でも80点でもOKで、日系にいた時より気楽に、楽しみながらより人間らしく生きられている感じがします。もうしばらく今の会社で頑張れそう。
社会全体がそんな感じにもう少し気楽になるといいなと感じています。
 
 
 
 
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2023-04-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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