やりたいことをやり尽くせ
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:柏原健太郎(ライティング・ゼミ4月コース)
高齢化社会にともなって、終活という言葉をよく聞くようになった。終活といっても何から手を付けて良いのかわからない。誰かにアドバイスを乞うと、得たいの知れない、エンディングノートを書くようにと言われることが多い。
筆者は、相続診断士として活動しながら不動産業者として、仕事しているが、終活の相談を受けると、まずは、皆さんが得体の知れないと思っているエンディングノートを書くことをオススメしている。
エンディングノートを書くということはどういうことか?
筆者は、やりたいことを探す旅だと思って、皆さんにオススメしている。
エンディングノートの意味をネットで調べてみると、
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「エンディングノートとは、高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望を書き留めておくノート」
出典: デジタル大辞泉より抜粋
「<名>ending+note 人生の終盤に起こりうる万一の事態に備えて治療や介護、葬儀などについての自分の希望や家族への伝言、連絡すべき知人リストなどを記しておくノート」
と言った内容である。要するに、死に備えて遺された人たちに迷惑をかけないためのノートであると一般的に認識されている。遺言書に近いもので、縁起が悪いと感じられ、できれば向き合いたくないという印象を与えている。ノートを開くことさえも勇気がいるし、落ち込んでしまいそうな目的のためのものになってしまっている。
しかし、安心してほしい。エンディングノートは生きるためのものであり、エンディングノートを書くことは、やりたいことを探す旅でもあるのだ。
エンディングノートを母子手帳の続きと捉えてみてほしい。今、母子手帳が手元にある人は見てみてほしい。母子手帳を見ると、母子の健康状態が記録されている。これを見ると、出産前から出産後しばらくの間の母子の健康状態が記録されている。ここに記載された情報がきっかけとなって、想像力が膨らみ、懐かしさや親や自己理解、感謝などの感情が湧き上がる。これらの想像や原体験の続きをエンディングノートに書いていけばよい。エンディングノートの項目に沿って書いていくと、原体験を深堀りでき、やり残してきたことを見つける手がかりを掴むことができる。母子手帳の続きをエンディングノートに書いてみよう。
さらに記入していくと、終活でどんな準備が必要なのかがわかり、終活の全貌が見えるようになる。エンディングノートは、本当に便利なものだ。
私が活用しているエンディングノートは、一般社団法人相続診断協会が出版している「笑顔相続ノート」だ。このエンディングノートの目次を確認すると、「自己紹介」から始まり、「家族への想い」が続く。その後に、介護、葬儀、お墓、財産などに関する項目があるが、注目してほしいのは、前半部分が書く人を主役に据えていること。「自己紹介」の欄には、幼少期、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人の各段階があり、自分の原体験を振り返ることができる。自分史を作りながら、昔やりたいと思っていたことや、友人に会っておきたい、思い出の場所に行っておきたいといった気持ちが芽生えることで、自分が元気なうちにやっておきたいことが具体化できるきっかけとなる。
一つ筆者のエピソードを紹介しよう。元気のうちにやっておきたいことの一つに、家族に感謝の気持ちを伝えておきたいと考えている人は多いと思う。エンディングノートにも「家族への想い」という項目がある。筆者は、エンディングノートの書き方セミナーの講師の依頼を受けたとき、実は自分でエンディングノートを書いたことがなかった。しかし、講師をやるからには、エンディングノートの内容を理解するためにも自分で書いてみる必要がある。実際に書いてみると、大切な人は誰なのか、大切な人へのメッセージ、死ぬ間際に何を伝えたいかなど、普段は何も伝えていなかった内容だけど、言葉が溢れるように、ペンが止まることなく妻と娘への気持ちを書き続けることができた。
結婚して12年経ち、気持ちを伝えることがほとんどなくなっていたが、エンディングノートを書いた時期がちょうど結婚記念日の直前だったので、エンディングノートに書いた内容を参考に、結婚記念日に妻と娘に手紙を書いてみた。筆者は健康だが、伝えられて良かったと思う。エンディングノートに書いた内容はもう伝えたので、次に伝えたい言葉を考えて、またエンディングノートに書こうと思う。そして、きっと何かのきっかけでその言葉も伝えてしまうのだろう。
感謝の気持ちを伝えるコミュニケーションで、より良い関係を築きつつ、その中で感じたことをさらに伝えることができれば、素晴らしいコミュニケーションの循環が生まれると確信している。生きているうちであれば、さまざまな伝え方がある。次は、手紙ではなく、若い頃のドキドキを味わうような感じで、直接、口頭で伝えようと考えている。これを繰り返すことができれば、素晴らしいコミュニケーションが実現し、夫婦関係もより深いものになり進化できる。筆者はその経験がある。
エンディングノートには本当に助けられた。
よく言われるが、死ぬ準備としてエンディングノートを書こうとするのは、ハードルが高い。確かに、お墓や財産に関することをエンディングノートに書いておくと、遺された人たちは助かるだろう。しかし、これを優先にしてしまうと、気が重くなり、モチベーションを維持できず、途中で挫折する人が多くなる。まずは、自分の過去を振り返り、家族にメッセージを残すことで、生きているうちにやっておきたいことを具体化しよう。やっておきたかったことを実現させながら、自分の人生で幸せを感じる先に余裕が生まれれば、遺された家族の表情が想像できるようになる。そこでやっと、遺された人の表情が浮かび、準備をしておこうという気持ちが自然と芽生えていくものだ。だから、エンディングノートを書いて、やりたいことを探す旅に出よう。
そして、やりたいことをやり尽くせ。
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